イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

たそがれの月・湖とイタリアの靴

 今日は夕方、夫に付き添ってもらって、夫の行きつけの靴屋で、靴を2足購入しました。立て続けに石の浜を歩いたり、石の浜まで山道を下ったりしていたら、革靴がすっかり傷んでしまったのです。買ってから2、3年はまったく履かずにいて、履き出したのはこの2、3年なのですが、年数が経ったからか、石の浜を歩くべきではなかったのか、気づいたら、靴底に割れ目が入りかけてさえいました。

 日本では足が入る靴を見つけるのに困ったことがないのですが、どういうわけかイタリアでは、わたしの足は、長さの割に幅が広すぎるために、合う靴を見つけるのが、とても難しいのです。長さがちょうどいい靴は、幅が狭すぎて入らず、幅がちょうどいいときには、つま先部分が余りすぎる場合が多いのです。遠い昔に、大学時代の友人が、セールがあったときに、わたしにも合うサンダルをと、いろいろな店を見て、いっしょに回ってくれたのですが、わたしの足に合ったのは、履き心地はいいけれども、デザイン的にはどうもというビルケンシュトックのサンダルだけでした。その後、一度夫や義父母の行きつけの店にいっしょに行ったとき、義母も足の幅が広いため、そういう靴を希望すると、店の人がいろいろ出してきてくれるのを見て、わたしも頼んでみると、わたしの足にも合う靴がいろいろと見つかったため、最近では、登山靴やトレッキングシューズは専門店で買うことが多いのですが、それ以外の靴は、たいていこの店で買っています。まずは足が入ってサイズが合う中から選ぶので、選択肢は少ないのですが、おかげで迷うことも少なくてすみます。

 それでも、今日は先客がいたために店を出るのが遅くなり、湖に着いたときには、夕日が地平線近くの雲の中に隠れてしまっていました。

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Luna & Lago Trasimeno, Torricella, Magione (PG) 24/10/2017 18:33

 日が沈んだ後、まずは黄色、オレンジ色に、そしてピンク色にと染まっていく空や湖の色を、夫と二人でしばらく見守りました。桟橋に釣り人が二人いたためか、カモメなどの水鳥が、いつになく落ち着かぬ様子で、鳴きながら飛び回っていました。

 こうして空と湖を見守る間に、着いた頃には高みにあった月が、わずかながら地平線に近づいていきます。気温が低い上に、北風が吹いて寒いからと、まだ夕景の美しい湖を、名残を惜しみながら後にしました。靴屋が開いている間に行けるようにと、仕事を早めに切り上げて帰ってくれた夫に感謝しています。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by nonkonogoro at 2017-10-25 09:31
イタリア製などのお洒落でスマートな靴には
憧れますが~私も幅広なので 今では ほとんど
スポーツシューズか ラフな靴をはいています。

たまにお洒落でお出かけのときには
履く靴に困ります。
久しぶりに取り出してきて履いたら
片方のかかとが欠けていたり
合皮だと 歩いている途中にボロボロ剥げてきたり(笑)
Commented by ayayay0003 at 2017-10-25 16:07
なおこさん、確かに、ヨーロッパの方の足は、幅が狭くて長い足だと思います!
なので、ヨーロッパブランドの靴は、日本人には、合いません!
そんな中、貴重な靴屋さんがあるのですね(*^^*)
ご主人様、お付き合いして下さるとは優しいです(o^^o)
秋のトラジメーノ湖の夕焼け、本当に美しいですね☆
もうそんなに寒い時期が来ましたか!?そう言えば、日本も今年の秋は
何だか例年よりも寒く感じる愛媛ではあります!
Commented by milletti_naoko at 2017-10-25 21:54
nonkonogoroさん、そうなんですね! 日本では特に困った記憶がないので、自分の足の幅が広いとは考えたことがなく、わたしはイタリアに来て、こちらで靴を探そうとして、初めて気づいて困りました。わたしも楽に歩けること、体に負担をかけないことの方を重視して、靴を選んでいます。

かかとの高い靴もいくつかあるのですが、苦手で、特に結婚式に際して義父母が贈ってくれた白いハイヒールは、あまりにもかかとが高いので、まれに履くと、長い間立っていられず、あちこちが痛むので困っています。
Commented by milletti_naoko at 2017-10-25 22:05
アリスさん、長距離を歩くのが大好きなイタリアの男性の友人も、足の幅が広いので、イタリアでは合う靴が見つからず、ドイツの会社が作った登山靴を買うことが多いと言っていました。人にもよるのでしょうが、国によって一般的な靴の形、足の幅が違うとは意外で、驚きました。

朝晩の気温は10度以下になり、昨日も今日も、短時間ですが暖房もつけました。昨日も、きれいな夕焼けとたそがれの空が見られて、うれしかったです。
Commented by mahoroba-diary at 2017-10-25 22:46
なおこさん、こんばんは!
いつも美しいイタリアの自然の風景にとても心癒され、落ち着いた気分にさせていただいております。
ローマでの投票のお話など、とても興味深く拝見させていただいておりました。
今日は靴のお話!私は靴はイタリア製をこよなく愛しております。20代の頃からイタリアに通い、いろんな靴屋を試しましたが、イタリアの皮製品は実に具合がいいです。日本で知られた高級ブランドの靴でなくても、質と価格が見合ったとてもよい靴がたくさんあると思いました。確かに、幅狭で甲高な木型で作られた靴もありますが、イタリアの靴には履き心地と人を魅了するなにかが潜んでいると感じています。ドイツに暮らしていましたが、ビルケンシュトックには私も馴染みませんでした。当時はあれはあくまで室内履きでした。最近の日本ではあれを外で履いている人をよく見かけ、時にちょっとぎょっとしてしまいます。ただドイツでも昔とは違ってサンダルで歩く人が増えた、と先日新聞で読みました。
これほど美しい自然がお住まいの近くにおありになるのが素晴らしいです♪山荘のお話もとっても興味深いです。深まりゆくウンブリアの秋の風景、頭と心の中で想像しております。ご主人様のお優しさも身に染みます。素敵な生活、本当に憧れです。
Commented by milletti_naoko at 2017-10-25 23:31
まほろばさん、こんにちは。うれしいコメントをありがとうございます。ビルケンシュトックのサンダル、特にわたしがあのとき店で友人と見かけたものは、姿勢など健康にはよいのだろうけれど、デザインはどうもと思いつつ、サンダルは必要だし、ずっと友人につき合ってもらった手前、購入したのですが、もう長い間履いていません。イタリアの靴やサンダルにはかわいらしいものも多いし、日本ほど値段が高くないのに、履きなれると履き心地のいい、ふだんに履ける革靴が多いので助かります。

車を2、30分も走らせれば湖や山があり、オリーブの木々に囲まれた郊外の家で暮らせるのが、ありがたいです。まほろばさんたちの美しい心づくしの食卓の写真を拝見するたび、反省し、わたしももっとと思う日々です。プリモピアット、セコンドピアット、コントルノと、ごはんの順が決まり、おかずの数や皿使いが限られたイタリア料理で育った夫で、たとえばわたしが、炊き込みごはんの脇にみそ汁を置こうと、別のお椀に入れようとすると、イタリアでの慣習的には確かに食べる順序が、汁物→炭水化物→タンパク質・野菜なのですが、「最初にみそ汁を飲んでから、同じ深皿でごはんを食べる」と言われてしまい、楽でいいと言えば楽でいいのですが、ついこちらの楽な風習に流れてしまっています。スープ類とパスタやごはんは、イタリアでは確かにいっしょには食べず、スープ類が終わってから食べるのが普通で、わたしがいっしょに食べるのを見るのが、今も慣れぬようです。わたしこそ、まほろばさんのすてきな日々の暮らし、憧れています。
Commented by Masami at 2017-10-26 05:17 x
なおこさん、ご無沙汰しております!!
とってもお久し振りですが、お元気そうで何よりです♪

足の形って本当に人それぞれで自分にピッタリの靴に出会うのが難しいと私も実感していますが、そんな中、ご主人様行きつけのお店ではなおこさんにピッタリくる靴が見つけられるとのこと、本当に何よりです^^

トラジメーノ湖の夕暮れ時、変わらず美しいですね~♪
またなおこさんのブログで、私の知らないイタリアや美しい風景が見られること楽しみにしていますね!
Commented by milletti_naoko at 2017-10-26 07:31
まさみさん、お久しぶりです!! コメントをいただけて、とてもうれしいです。

日本人に比べて、イタリア人は足の幅が狭いのかと思っていたら、やっぱりそれぞれの国でも、足の形はさまざまなのですね。幅の狭さに小指のつま先が痛むか、底が大き過ぎて、足が落ち着かないかと、合う靴に出会えるのが難しいのですが、この店では、足の幅が広いんですと言うと、サイズにあった幅の広い靴だけを持ってきてくれるので助かります。

ガルダ湖も美しいですが、トラジメーノ湖の夕焼けもきれいで、うっとりしながら眺めています。ありがとうございます。今夜はもう遅いのですが、最近記事を書かれたのですね。明日にでもゆっくり拝読します。いつかお会いできると、うれしいです♪
by milletti_naoko | 2017-10-24 23:55 | Umbria | Comments(8)