イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

合体カレーとスペッツァティーノ、夕食は和伊混合

 わたしたちは、3階建ての二世代住宅に暮らしていて、階下には義父母が、階上には義弟夫婦が住んでいます。かなり急な斜面に家が建っているため、わたしたちの住む階は、東側こそ地面と同じ高さにあり、台所の東向きの窓から、歩いて庭に出られるものの、西・南・北の3面は2階になっていて、わたしたちの家と地面の間に、義父母宅が住む階があります。

 時々、義父母が多めにおかずを作って、わたしたちにも分けてくれることがあり、わたしもたまに、義父母の口にも合う日本料理を作ったり、ケーキを焼いたりしたときは、階下の二人にもどうぞと、持って行くことがあります。今までの経験から言うと、巻き寿司や肉じゃが、みそ汁、てんぷらはおいしいと言ってくれたのですが、カレーは口と好みに合わないようでした。今日はお義母さんが昼食前に、「スペッツァティーノを作ったんだけど、昼食にどうかしら。」と尋ねてくれました。

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 スペッツァティーノはイタリアの家庭料理で、家庭や地方によって、材料や作り方が若干違ってくるようなのですが、うちの義母が作るスペッツァティーノは、イタリア風肉じゃがと言ってもいいのではないかと思います。

 ぶつ切りにされた(spezzato)肉や野菜の小片を、最初に炒めてから、じっくり煮込んだ料理なので、この過去分詞からできた形容詞、spezzatoに縮小辞-inoをつけて、spezzatinoという料理名になっています。『伊和中辞典』には、「ぶつ切りにした牛肉の煮込み」という説明があるのですが、イタリアの百科事典サイト、Treccani.it(リンクはこちら)によると、ワインや、イタリアで野菜のブロードを取るのに使われる野菜、トマトやセロリ、ニンジン、タマネギ、ジャガイモなどの野菜も、味をつける塩やコショウ、香草などと共に、煮込んで作ることが多く、羊の肉で作ることもあるそうです。義母は必ずトマトを入れて作るのですが、百科事典の定義によると、トマトなしに作る場合もあるようです。

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 昼食には、昨晩作ったカレーライスを食べる予定だったので、すでに準備ができていると言うと、「あなたたちの分も多めに作ったので、じゃあ夕食にでも。」とのことです。

 たっぷり作ったカレーは、昼食に食べても、さらに少し残っていたのですが、それを見た夫が、義母が作ったスペッツァティーノの話を聞いて、こう言いました。「夕食には、カレーとスペッツァティーノを混ぜて食べようよ。」

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 と言うわけで、夕食のおかずの一つは、上述の2品を混ぜた「イタリア風肉じゃがカレー風味」となりました。せっかくのカレーが惜しいような気がわたしはしたのですが、もう2度も食べたので、よしと言うことにしておきます。カレーの辛味がほんのり効いたこのおかずは、不思議に2品の本来の味も残っていて、おいしかったです。

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26/10/2017 18:25

 今日は、日が沈む前の空が灰色がかっていたので、夕焼けには期待していなかったのですが、夕日が沈んでしばらくした頃から、まさに燃え上がるようにみごとな夕焼けと月が見えて、びっくりしました。

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Dopo pranzo mi è avanzato ancora il curry che avevo fatto ieri sera.
Per cena mia suocera mi ha dato un po' di spezzatino.
Proposta di mio marito: "Li mescolerai e così li mangeremo insieme."
Risultato: un piatto abbastanza buono :-)
Bellissimo anche oggi il rosso di sera visto dalla nostra finestra,
brillava anche la luna.
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関連記事へのリンク
- 燃える夕空とカレー、トンカツ (25/10/2017)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2017-10-27 10:28
なおこさん、家も義母がたくさん煮物を作った時などは
いただくので良く解ります~
お義母様の作られたスペッツァティーノ、イタリア旅行では、食べたことがないのですが、似たようなものをポルトガルで頂き美味しくてビックリしたことが有りましたよ~(^_-)-☆
カレ―は、今や和食ですから、まさに日本食とイタリア食の融合、なんとなく美味しかったのは想像がつきました☆
煮込む料理は、手間暇かかるので、しかも時間を置いて殻の方が美味しから充分に堪能されましたね!
お写真がとても美味しそうですよ~(^^♪
夕焼けは、前日とは違う美しさで、自然のなせる美には圧倒されますね☆
Commented by milletti_naoko at 2017-10-27 23:32
アリスさんのお宅でも、そうなんですね。なんと同じような料理を、ポルトガルで食べられたんですね! わたしたちはポルトガルと言うと、干し鱈や他の魚の焼き魚をよく食べたのですが、そういう料理もあったとは。スペッツァティーノも優しい味がして、おいしいです。

アリスさんのコメントを読んで、分かってはいたのですが、まあわたしの作る甘口カレーはとてもじゃないけれどもインドのものとはほど遠いように思いつつ、カレーはそう言えば、インドから日本に来たものであることを思い出しました。

夕焼けがきれいで、びっくりしました。
Commented by mahoroba-diary at 2017-10-28 08:18
なおこさん、おはようございます!
わ~!イタリアの家庭料理、スペッツアティーノというものがあるのですね!!拝見して、美味しそう!作ってみたい!と身を乗り出しました。お義母さまが作ってくださるなんて、羨ましい!美味しいでしょうね~。お芋とお肉を合わせるのは、きっと万国共通なんでしょうね。なんだか嬉しくなってしまいます。お料理に潜む、人間の歴史や営みが垣間見えるとき、生きる喜びを感じてしまいます。カレーと合わせるのも、ナイスアイディアですね♪日々の暮らしは工夫と創造の連続ですね。私も残り物などで、時折組み合わせて試食しています。
Commented by nonkonogoro at 2017-10-28 12:10
私も二所帯住宅で暮らしていました。
naokoさんは 三所帯住宅なのですね~
今の日本ではちょっと珍しいと思われますが
イタリアでは ごく普通の状態なのでしょうか?

肉じゃがと このイタリアの煮物とは
調味料が違うだけで ほぼ同じようですね。
カレーも シチューも そうですね。
私は さあ 作ろう~として
急に予定を変更して トマト味のイタリアン煮物になったり
和風になったり でも やっぱり~と洋風になったりもします。
カレー味の肉じゃがも作ったことがあるので
それと同じですね。
イタリアには カレー店はあるのでしょうか?
Commented by milletti_naoko at 2017-10-28 18:44
まほろばさん、ふだん野菜のだし、ブロードを取るのに使われるセロリやニンジン、タマネギ、ジャガイモ、トマトが、そのまま具としても使われているので、日本とはだしと調味料、野菜の切り方が違うものの、肉じゃがによく似ています。野菜のうまみと自家製のトマトの甘さのおかげで、おいしいです。夫がカレーと混ぜることを提案したとき、「だってカレーも要するにスペッツァティーノだよ。」と言っていたのですが、確かに野菜や肉をぶつ切りにしている点と具
は、共通しています。ぜひ一度お試しください♪
Commented by milletti_naoko at 2017-10-28 18:51
nonkonogoroさんのお宅も二所世帯なんですね! イタリアでも、どちらかと言うと、珍しい方かもしれません。貯金するよりレンガ(家を建てよ)、その方が確実だと以前はよく聞いていて、息子たちがよそで暮らすとしても、賃貸収入を得るのに使えるという考えも、かなり昔に家を建てた義父母の心中にはあったのではないかと思います。数年前までは、もう一つのアパートに、今は亡き伯父や伯母も住み、4世帯住宅でした。

おっしゃるように肉じゃがとイタリアの煮物、カレー、シチューは、考えてみると、よく似ていますよね。ペルージャは地方の町なので、ローマやミラノなどの都会に比べると、外国料理店はまだ少ないのですが、インド料理店はあります。カレーの専門店というのは、まだないような、そんな気がします。調味料としてカレー粉を使うことはあっても、日本にカレーライスが浸透したほどは、とてもではありませんが、イタリアの食卓には、カレーが浸透していないからでもあります。
by milletti_naoko | 2017-10-26 23:59 | Gastronomia | Trackback | Comments(6)