2017年 11月 30日
日本語新聞、イタリアの大学生の作文から

以前、ペルージャ外国人大学の学士号取得課程で、数年間日本語・日本文学の授業を契約講師として担当していたときに、当時の学生たちが宿題として書いた作文の中から、内容ができるだけ重複しないように、文を選んで作った日本語新聞の第1号です。ちなみに画像は、2008年の学生たちの作文をまとめたものです。
かつて日本の高校で国語を教えていたときにも、『山月記』や『こころ』など、授業で扱う作品の初読の感想を生徒に書かせては、生徒が書いた感想の中から、着眼点がいいもの、斬新な感想、個性的な感想などを選んで、わたし個人の国語通信、『きつねの窓』で紹介していました。たとえば、「どうして李徴は袁傪を食べなかったのだろう。」など、生徒たち自身が書いた質問や感想を、作品を読み解く鍵として授業を進めていくと、自分たちの仲間が感じた疑問なのだと、質問も身近に感じられ、生徒たちがより主体的に考えたり、意見を発表したり、あるいは後によりよい感想を書いたりするいい励みになっていました。
イタリアの日本語学習者も、自分と同じように日本語を学んでいた大学生たちが苦労しながら書いた作文が教材であると、読むのも楽しそうで、自分自身が作文を書く際に、自分も頑張って書こうという動機づけになってくれています。
日本の高校で教えていた頃は、教科通信もHR通信も図書館だよりも手書きだったのですが、幸い日本語新聞は、わたしが絵を添えてこそいるものの、パソコンに入力して作成してあるために、活字が見やすくなっています。「日本語新聞」という題は、一見何だか内容そのもので風情がないように見えるのですが、「日本語」や「新聞」という言葉や漢字を、新聞を見ながら教え子が自然に身につけてくれるという意味では、よく考えたなと今でも思います。
日本の一般の新聞同様に、縦書きで三段構成なのですが、今回は最上段の「毎日の生活」だけをご紹介します。教科書『まるごと』では、過去形を学ぶのが他の教科書に比べて遅いため、新聞の2段目にある「わたしの週末」について書いた作文も、今日印刷して明日の授業で渡すつもりではありますが、授業で扱うのは、過去形の学習が終わってからになります。

ちなみに、新聞の下方に配した、こちらのクイズもお気に入りです。イタリア語の質問は、「次のものは、どこで買うことができますか。」と尋ねています。語末に「や」をつけると店を指す言葉になることや、さかな・にくなどの重要基本語句の意味を、再確認することができますし、自分でかいた絵も気に入っているからです。
日本語能力試験の受験日が12月3日に迫っているので、受験を控える個人授業の教え子たちに、「頑張ってくださいね」と日本語でメールを書いたら、すぐに返事が来て、何だかほろりとうれしくなるような言葉もあり、うれしかったです。日頃の力が十分に発揮できれば合格できるはずなので、どうか実力がしっかり出せるようにと、わたしもペルージャから祈っています。
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Quando gli allievi iniziano ad imparare i verbi e le espressioni di tempo, tiro fuori la mia arma segreta, i giornalini di lingua giapponese i quali riportano le composizioni sulla routine quotidiana scritte dai miei ex studenti dei corsi di laurea dell'Università per Stranieri di Perugia. I nuovi allievi sono contenti, scoprendo di poter già leggere e capire le frasi scritte in giapponese e a loro volta sono motivati a scrivere la loro routine quotidiana in giapponese :-)
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異国での日本語教育、大変でご苦労も多いかと思いますが、喜びや充実感もおありかと思います。
ぜひ、ますますご活躍されますよう祈っております。
私のアメリカ人の友人(名古屋大留学生)も 日本で 能力試験を受けています。日頃 その友人の面白い言い回しの日本語に 思わず吹き出すこともありますが、問題集を見せてもらうと、難しいことを勉強していて驚きました。(そちらと同じものでしょうか?詳しくは知らないのですが。)
私も それに刺激され、同じ問題集を買って、たま〜に1ページずつ勉強してますが、知らないことも多く勉強不足を思い知らされます。
いつも、読み逃げしていますが、なおこさん御宅、楽しみに訪問させていただいています^ ^
お身体ご自愛下さいね♡
ほんとに皆さん、一生懸命に学ぼうという姿勢が伺えますね!
外国人にとって日本語の作文は、一番ハードルが高いのではないか?と思われます!
文字も、並びも違う言葉、意欲を持って学ぼうとしてくださる様子が伝わり、日本人も頑張らなくては!と感じました。
なおこさんが日本の高校で教えていた時代にも生徒さんの感想文からの学習をされていたのを伺い、素晴らしい授業だと思いました♪
生徒さん同士が親近感を持って学ぶ意欲に繋がる授業、私も受けてみたいと感じますよ~(^^♪
先に現在形を習得してから 過去形を習うのですね。
息子達の小学校の頃の日記のようです。
過去形は使われていましたが 内容は同じような感じです。
語学学習は楽しいですね。

今年は色々なことがありイタリア語の勉強も中途半端になってしまいました。現在形で作文して、それを近過去、半過去、主語を変えて、、とどんどんやっていると動詞の活用がものすごく怪しくなる現在の私です。こんな風に毎日短くてもいいから文章を作っていたら語彙も増えるし、活用も覚えられるのではないかと来年用に机に置く大きめの手帳を買いました。勉強は計画をたてて、進捗状況を把握しながら進めなければいけないのだ。。とわかっていながらうまくいきません。来年はもう少し進歩できるように、私もなおこさんの生徒さんのように頑張りたいと思います。試験がうまくいきますように!!
お友達が日本語能力試験を受験されるんですね! わたしもイタリア語をもっぱら本で勉強していたときは、文法的には正しくとも場にそぐわない発言をして驚かれたり吹き出されたりすることがありますので、何となく想像できます。優しい日本のお友達がいて、心強く感じられていることでしょう。
ご愛読ありがとうございます。励みになります。mary_snowflakeさんも、どうかお体を大切にお過ごしくださいませ。
愛媛県教育員会には、教科指導も人権教育も、初任者研修や新規採用研修のみならず、30歳研修など、本当にいろいろと教えて、鍛えてもらったので、そうして学んだことを愛媛県立高校では返せませんですが、せめて、こうして世界で役立てることで、お返しできたらと考えています。
いつも温かいお言葉をありがとうございます。
息子さんも小学校の頃日記を書かれていたんですね。わたしも小学校の頃に、絵日記や作文など、とにかくたくさん書かせてもらったのをよく覚えています。
活用はやはり、あまり難しくないそれぞれの時制を多く使った文章を読んだり、問題集を解いたりするのが一番だと思います。近過去と半過去では使われる状況が違ってもきますので、なおさらのこと。わたしこそ頑張らなければというわけで、お互いに頑張りましょう!!