イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

咲いたヒヤシンスと地震・政治・偏見について思うことども

 雪や極寒の日々に耐えた庭のヒヤシンス(giacinto)たちが、ようやく花を開き始めました。

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11/3/2018

 不思議なことに、例年、青紫色のヒヤシンスの方が、ピンクに比べて、1輪ごとの小さなつぼみや花の数がずっと多いのです。

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 ピンクの花を愛でながら、日本の紅梅や桜を思います。最近は、我が家の近所でも、出かけた先でも、アーモンドや桃、梅などの、ピンクの花を見かける機会が増えてきました。

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 この写真の手前のヒヤシンスのように、特に花全体の先端近くにある小さい花は、かたく閉じたつぼみであったときに、寒さにさらされやすかったためでしょう、花びらのごく先端だけですが、茶色くなってしまっています。

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 この写真の2輪については、おそらく後ろのヒヤシンスが、雪の重さで前方に 傾いてしまい、花が開いたときに、手前のヒヤシンスの茎を折ってしまったのではないのかと思います。

 茎が折れかけても、つぼみは育って花を開こうとしているように見えるため、手を加えて、両方の花に危害を加えるよりもと、どちらも元気に咲いているように願いながら、そっとしておきました。

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Materica (MC) 4/3/2018

 写真は、先週の日曜日に、すでに記事でご紹介したモンテカッシアーノに行く途中、マルケ州マチェラータ県の町、マテーリカ(Matelica)を訪ねて、撮影したものです。

 2016年に、多くの被害が出たイタリア中部地震では、郷土料理が名高いラッツィオ州のアマトリーチェや、観光地として知られるウンブリア州のノルチャやカステッルッチョの名ばかりを、日本では聞かれる機会が多いのではないかと思いますが、活断層付近の震源は、ウンブリアやマルケの、アマトリーチェやノルチャよりもさらに北、シビッリーニ山脈近辺および北方に多く、名を知られないマルケやウンブリアの多くの市町村でも、大きな被害が起こっています。

 たとえばマルケ州のマチェラータ県では、ヴィッソやウッシタなど、震源となって、多くの家屋が崩れ落ちた市町村があるほか、全国ニュースにはあまり登場しませんが、かなり北方のサン・セヴェリーノやカメリーノでも、多くの教会が被害や危険のために立ち入り禁止になり、それをわたしたちは、住民である夫の従兄たちから聞いて知っています。そして、震源から遠いので被害も少なかろうと先週訪ねた、このマテーリカの町でも、多くの人々がふつうに日常生活を送っているように見え、こんなふうにスカウトらしき子供たちが、町を歩いたりして活動をしている一方で、奥に見える教会のように、地震のあと、まだ危険な状態であるのか、それとも再建を待っているのか、立ち入り禁止となっている教会が、いくつもあります。

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 幸い、被災地の状況については、全国ニュースでも地方ニュースでも耳にする機会が多く、特に厳しい寒さがイタリア中部を襲ったときには、被災地の様子や極寒対策などが、しばしば報道されました。テレビドラマのドン・マッテーオでも、現在放映中の第11シーズンでは、オープニングで、イタリア中部地震を引き起こした活断層に近く、大きな被害を受けたカステッルッチョの高原の野の花が美しく咲きほこる様子が、映像として流れています。他のイタリアの番組でも見られるように、地震の痛みを共有し、早期の復興を図ろうという意図からだと思います。

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 日本でもイタリアでも、大きな災害のあとで大切なことは、できるだけ早く人々や地域が以前の暮らしを取り戻し、安全に生活できるように、再建・復興を支援すると同時に、大きな被害の教訓を生かして、同じような事態が発生したときの人命の犠牲や市町村や産業の被害を、最大限に防ぐことではないかと、わたしは思います。そういう意味で、3月11日を記憶にとどめ、風化させないと共に、まずは、被災者の方たちが安全に暮らしていけるような再建や、原発事故の被害の影響の把握と、被災地及び全国の人々が安心して生活できるための支援、正確な情報の伝達と共に、原発の撤廃が不可欠だと、わたしは考えています。

 今日の昼食は義弟宅に呼ばれ、招待客の中に、最近日本を旅行した若者たちがいたので聞いたところ、日本では、2011年の東日本大震災以降、外国からの観光客を呼び寄せようと、観光情報の多くが英語でも提供されているため、英語と事前の下調べ、スマートフォンの翻訳機能のおかげで、親切な現地の人にも助けられ、言語ではまったく困ることがなかったそうです。外国人観光客を呼び寄せることも大切ですが、そして、この点については、イタリアでも最近は問題になって、よく言われていることなのですが、日本にせよイタリアにせよ、まずは、住民が安心して健康に暮らせる町づくり、国づくりができることが肝心なのであって、そうすれば、観光客も魅力を感じて、より訪れる人が増えることと思います。


 イタリアでは最近、ほぼ中庸路線を行く政党が、汚職などのために国民からの信頼を失い、今回の選挙では、声高に問題を訴え、その問題に妥当な点もあるものの、国民の怒りや不満など、感情に訴えがちな政党が二つ、多くの票を獲得しました。うち一党は、党首が移民排斥や人権差別などの問題発言を数多く繰り返し、かつてはイタリア南部に対する暴言もあったのに、今はその矛先を移民に向けている人物でさえあり、アメリカの大統領の例はありますが、こんな輩が首相になっては、ベルルスコーニとは別の意味で恐ろしいことだと、わたしは考えています。日本にせよ、イタリアにせよ、アメリカにせよ、インターネットやテレビの情報の蔓延と読書離れの結果として、人々が頭を使って、状況を全体的に把握し、深く考察することなしに、単に一見よく見える、自分の怒りや不満を代弁しているように見える、口先だけは、よいことを公約で言っているように見える政党を、安易に選びがちになってしまうことを危惧し、「頭を使わず楽に」、「苦労せずに簡単に」という文句ばかりを見かける広告や呼びかけが多い情報や、そういう広告や情報に乗ってしまう人が増えていることを、不安に思っています。

 イタリアのその政党の党首ではありませんが、わたしがイタリアに暮らし始めてから、かつてないほど、今は日常生活の中で、外国からの移民に対する偏見や差別・不満を感じることが多くなりました。

 たとえばイタリアで起こる交通事故や殺人事件で、同じ重さがあるはずの事件であっても、加害者や犯人が外国人や移民であれば大々的に報道されるのに、それがイタリア人、たとえば軍や警察などで主要な地位を占める人によって犯された場合には、ほぼもみ消しにされたり、国籍や仕事への言及が記事にない場合もあるのだとも、読むことがあります。

 ある国籍の人に、犯罪の傾向が多いとしても、ある国で、商品に不良品が多いとしても、だからと言って、「あの国の人間は」、「あの国は」とひとくくりに非難をしていく傾向が、イタリアにせよ、日本にせよ増えていくのを、不安に思っています。

 「だから、どこそこの国の人は」、「外国人移民は」、「同性愛者は」、「…教徒は」……

 生まれる国を、町を、家族を、わたしたちは選ぶことができません。それなのに、その自分ではどうすることもできないことで、人生が決まってしまい、自分を決めつけられてしまう可能性があること、その可能性があることは、恐ろしいと思います。

 自分の国ばかりがいいのだと、他国を見くだす、他の国の人をひとくくりに軽蔑するようなそういう傾向が、戦争や迫害につながり、多くの犠牲を生み出す根を育んでいくのだと思います。

 多くの人が、さまざまな生き方や国や文化を知り、互いに尊重し合えていくような社会になればという願いも、わたしがブログなどで、発信していく思いの根底にあります。何だか話がひどく逸れてしまい、まとまらなくなってしまいましたが、最近は、そういうことを考える機会が、ことに増えてきました。

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Finalmente in fiore i nostri giacinti
sopravvissuti al gelo e alla neve :-)
Gravi ancora le ferite di molti comuni terremotati.
Che vengano ricostruiti e resi sicuri al più presto.
Foto: giacinti del giardino & centro di Matelica (MC)
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2018-03-11 21:54 | Fiori Piante Animali