イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

この噴水の水飲めますか、イタリア スポレート

 先週土曜日、登山のあとでスポレートの中心街を訪ねたときのことです。夫に誘われてジェラートを食べ、歩いていたら、歯に残った甘み成分のためか歯が痛みます。夫に水を飲みたいと言うと、そのとき、ちょうど歩いていたメルカート広場(Piazza del Mercato)の噴水を指さして、夫が、噴水の水を飲めばいいよと答えるではありませんか。

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Orologio della fontana di Piazza del Mercato, Spoleto (PG) 10/3/2018 18:50

 確かにイタリアの市町村では、安全な水道水を無料で飲める給水場が、あちこちに設置されていることが、よくあります。ペットボトルに比べて、水道水の方が品質管理基準が厳しく、安全なのに、イタリアに、水道水ではなくペットボトルの水を買って飲む国民が多いのは問題だという新聞記事やテレビの討論番組、ニュースも時々見かけます。わたしたちも、義家族も含めて、うちでは水道水を飲んでいます。ただ、ローマやペルージャなど、多くの市町村では水道水は安全なのですが、ずいぶん昔見たテレビ番組で、ローマに近い同じラッツィオ州のヴィテルボの町では、水道水が汚染されているので、飲まない方がいいと言っていましたし、旅行で訪ねた先、たとえばエルバ島などで、水道水が安全かどうか聞くと、水道水は飲まず、水を買って飲んだ方がいいと言われたこともありますので、旅行先や滞在先の人に、水道水が安全に飲めるかどうか、確認してから飲むことが大切だと思います。

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10/3/2018 17:11

 閑話休題。わたしたちも、そういう無料給水場の水を飲んだり、その水をペットボトルに満たして持ち運んだりすることはあるのですが、それにしても、この古く装飾的意義が大きいように見える噴水の、この怪しげな像から出てくる水は、飲んでも安全な水なのだろうか。夫は、「安全だよ。」と言うのですが、その場合に、ふつうは脇に書いてある「acqua potabile」(飲むのに適した水、飲料水)という言葉が、見当たりません。

 そこで、通りがかりの人を呼び止めて、地元の人だと確認したあとで、「この水は飲めますか。」(Quest'acqua è potabile?)と聞いてみました。すると、親切なその人は、「そうです。飲めますよ。変ですねえ。ふつうは表記があるべきなのに。町のぼくらも皆時々飲んでいますよ。」と言い、わたしを安心させるためでしょう、なんと実際にその水を、まずは自分で飲んでみせてくれました。ふと気づくと、ちょうどそのとき、反対側の端にある給水場の水を、やはり町の住民らしい女性が飲んでいました。

 わたしは心からのお礼を言ったあと、「すみません。よく考えたら、今日はフィオンキ山に登って、水質が管理されていない(non controllata)と書かれた水を、飲んでいたというのに。」と付け加えました。

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Fonte dell'Oppio, Spoleto (PG) 10/3/2018 14:51

 山で見かける水源に近い水や給水場の水は、基本的にはおいしくて安全なことが多いのですが、時々こんなふうに「水質が管理されていない水」(acqua non controllata)、あるいは、「飲料に適さない水」(acqua non potabile)という言葉が傍らに書かれている場合もあります。

 ただ、わたしはこれは重大な反則だと思うのですが、この日訪ねて水を飲んだ泉(fonte)は、泉の名前に対して、「水質が管理されていない水」という言葉があまりにも小さく書かれていたために、近視でせっかちなわたしは、それに気づかずに、ペットボトルに入っていた水道水の代わりに、この泉の水を入れて、飲んでしまったのです。

 高い山までわざわざ水質管理や点検のために出かけるのも大変で、何か問題があったときに責任を逃れるために、こんなふうに書いてあるだけで、「近くに放牧された動物がたくさんいなければ、基本的には山の給水場や泉の水は飲めるはずですよ。」と、そのスポレートの人が言ってくれ、夫もうなずいたように、こういう給水場の水は、ふつうに飲める場合が多いのではないかと思います。ただ、旅行者の方など、生水を飲むのに慣れていないという方にはおすすめしません。

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 ちなみに、この泉の給水場は二つあり、以前からフィオンキ山を目指して歩くたびに訪ねていたのですが、こんなふうに泉の名前が書かれ、流れ出た給水場の水が通る水路を作って、小川が流れるように整備してあるところは、今回初めて見ました。

 長い間訪ねる人がいないからか、枯葉や水生植物のために、給水場の水の流れが若干滞っていたのを、夫がきれいに掃除して、水がきちんと流れ、牛や馬が水を飲みやすいようにしていました。

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 雪が溶けたばかりであるためか、勢いよくあふれ出る泉の水は、澄んでいて、木々が水面に映り、とてもきれいでした。

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Fontana di Piazza del Mercato, Spoleto (PG) 10/3/2018

Un gentile abitante, per mostrarmi che l'acqua della fontana è potabile, l'ha bevuta prima lui. Poi mi sono ricordata di aver bevuto l'acqua non controllata qualche ora fa dalla Fonte dell'Oppio che si trova sul sentiero verso la cima del monte Fionchi. Erano scritte talmente piccole le parole, "acqua non controllata" che me ne sono accorta solo dopo averla bevuta.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2018-03-16 08:55
なおこさん、私は、イタリア旅行中は、自宅から持参した水を半分以上の行程で飲んでいます~
レストラン等の食事する場所ではそこで買ったものなのですが・・・
ローマ等では、確かに、お水は美味しいと、どこに行っても生水を飲む父は言っています~(笑)
父は、基本は、その土地のものをいただくというのが基本スタイルの人で、それでお腹を壊したことがないのです(笑)
私は、用心深い方なので、真似は出来ませんが・・・
今日のお写真のスポレ―トの泉、蛇口が歴史のありそうなもので素敵ですね~ローマの泉を思い出します♫
Commented at 2018-03-16 10:07
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2018-03-17 05:09
アリスさんも、ご自分で持参された水を飲まれることが多いんですね。きちんと品質管理さえされていれば、長い間プラスチックに触れているペットボトル入りの水よりも、水道水の方が安全な場合が多いと、わたしも思います。ただ、意外と地元の人でさえ水道水は飲まないという地域もまれにありますので、やはりガイドさんや地元の信頼できる人に聞いてみた方がいいと思います。
Commented by milletti_naoko at 2018-03-17 05:14
鍵コメントの方へ

自然の山水の方が、妙に古そうな噴水の水よりも、水がおいしそうですよね。

おっしゃるとおり、空気や水は人間ばかりではなく、緑も動物たちも魚たちも生きていくのに欠かせないものですから、もっと環境や命をこそ、大切にしていかなければいけないと、わたしも思います。天に向かって唾を吐くではありませんが、結局は人間に降りかかってくると共に、罪のない人や生き物にも危害が及んでしまうのですから。
by milletti_naoko | 2018-03-15 20:27 | Umbria | Trackback | Comments(4)