イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

解明か ブロンズ像金色事件、イタリア ペルージャ

 13世紀後半に築かれた美しい大噴水(Fontana Maggiore)は、ペルージャの中心広場にあります。

解明か ブロンズ像金色事件、イタリア ペルージャ_f0234936_6202731.jpg
19/11/2017

 凍結を防ぐために、冬の間噴水の水を止めることは、過去にもあったのですが、今年1月12日、そのお決まりの作業を終えた数時間後に、

解明か ブロンズ像金色事件、イタリア ペルージャ_f0234936_6244764.jpg
22/1/2018

ブロンズ像が金色になってしまうという事態が発生しました。

 本物は美術館にあり、このブロンズ像は複製であるとは言え、芸術的価値が高く、歴史ある大噴水の銅像であり、ペルージャ中心街の景観にとっても、大切な像です。かつてない事態に驚き、いたずらではないかと最初は考えられたものの、調査していくうちに、いたずらではなさそうだと分かり、専門家が原因究明に取り組んでいました。

 あれから2か月、いったい原因は何だろうと、ずっと気になっていたのですが、今日、用事があって鉄道駅付近に出かけると、

解明か ブロンズ像金色事件、イタリア ペルージャ_f0234936_6312438.jpg
27/3/2018

新聞雑誌販売店(edicola)の前に、「大噴水金色の像の謎 解明」という新聞の広告が、立ててあります。

 店の人に、「噴水の謎解明の記事は、今日の新聞にあるんですか。」と尋ねると、そうですよとのことだったので、さっそく新聞を一部買い求めて、うちに帰ってから読みました。

 調査の結果、噴水をめぐる水に含まれる酸化鉄(ossidi di ferro)が多すぎるために、銅像が金色に変わったのだろうと考えられているそうです。今週中には、さらに調査を進めるために、大噴水の水を採取する必要があり、そのため、近いうちに、大噴水から再び水が出るようにするとのことです。来週の日曜日、4月1日は復活祭(Pasqua)であり、また、4月11日から15日にかけては、ペルージャで国際ジャーナリズムフェスティバル(International Journalism Festival)が開催されます。そのため、復活祭と国際ジャーナリズムフェスティバルが終わるのを待って、再び大噴水の水を止め、それから、像を元に戻すための措置や、大噴水に流れる水に加える化学物質やその配合の見直しが行われるだろうと、新聞に書かれています。

 実際に大噴水の水を採取して、その成分を調べてと、まだ調査には時間がかかることと思いますが、できるだけ早く原因が究明され、ブロンズ像が、中世以来の元の色を取り戻すことを願っています。

*******************************************************************************************************************************
FONTANA CON STATUA DORATA SVELATO IL MISTERO

ieri sul giornale, "La Nazione."
Ora è tornata l'acqua alla Fontana Maggiore e rimarrà per le festività pasquali e il Festival del Giornalismo.
L'acqua verrà prelevata per ulteriori approfondimenti,ma secondo il giornale, la prima risposta dell'Istituto Superiore per la conservazione e il restauro di Roma è che la statua dorata è per la "colpa dell'acqua, in particolare della presenza troppo elevata di ossidi di ferro."
Speriamo che le statue di bronzo riprendano al più presto il colore di prima.
*******************************************************************************************************************************


Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

Commented by hillfigure at 2018-03-28 13:26
こんにちは〜!

みごとな噴水ですね〜(@。@)。
トップのブロンズ像もだけど周囲に配置された人物像の彫刻やレリーフの数々、
この噴水だけでも充分にみごたえのあるアートですね!
そんな街の象徴がそんな事態になってびっくりですよね。
たかが水、されど水...(。-`ω-)ンー。
ちゃんと解明と修復の措置を検討&対応されてるようだし
早くもとに戻ると良いですйе♪
Commented by ayayay0003 at 2018-03-28 13:45
なおこさん、2泊3日ですが旅に出てて御無沙汰しました。
例の銅像の件、まだ解明まではあと一歩でしょうか(・・?
この噴水は、飲み水ではなさそうなのですが
酸化鉄を含む水?は、地下水なのですか?
いろいろな条件が加わりこうなったのなら、なかなか解決するのは時間を要するかもしれないですね~
Commented by milletti_naoko at 2018-03-29 05:24
Cocoaさん、ペルージャが古来有していた傑作の中には、フランスやバチカンが持ち去ってしまった作品もありますが、この中世のみごとな噴水に、エトルリア時代の門や井戸など、今も町に残る芸術や遺跡が、ペルージャにはまだまだあるんですよ。

酸化鉄が多く含まれていたことが原因だとして、どうして水を止めたら色が変わったのか、その辺がわたしは疑問なのですが、記事にはそこまでは書かれていませんでした。
Commented by milletti_naoko at 2018-03-29 05:28
アリスさん、お帰りなさい♪

現在は、噴水内に水草などが育ったりしないように、また噴水自体を傷めないように、いろいろと考えた上で、さまざまな化学的物質を加えた水が、噴水から出ては循環するのだそうですから、飲み水ではありません。ようやく凍結の恐れがなくなり、噴水から水も出て、水の検査が可能になったため、これで一気に問題が解決することを祈っています。
by milletti_naoko | 2018-03-27 23:54 | Umbria | Comments(4)