なおこのイタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

古の庵建つ尾根は分水嶺、イタリア

 土曜日の山歩きでは、自生のクロッカスの花とテントウムシがいっぱいのセッラサンタ山頂(1423m)で、360度のすばらしい風景を眺めながら、しばらく休憩したあと、少し下ったところにある山と同じ名を持つ庵を目指しました。

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Eremo di Serrasanta, i crochi & panorama, Gualdo Tanino (PG) 7/4/2018

 ここにもクロッカスがたくさん咲いています。写真中央の奥の方に、庵が小さく見えています。このとき、わたしと夫がとてもうれしかったのは、庵の右手奥にはテッツィオ山、左手奥にはスバージオ山の、いずれも横長の台形に見える特徴ある二つの山が見えたことです。

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 庵により近づいてから撮影したこちらの写真の方が、左右にある山が分かりやすいかもしれません。左に見えるスバージオ山(Monte Subasio a sinistra)は、聖フランチェスコの生地、アッシジを中腹に抱く山であり、一方、右手に見えるテッツィオ山(Monte Tezio a destra)は、夫が生まれ育った地であり、かつ改築中の家があるミジャーナのある山です。

 スバージオ山とテッツィオ山は兄弟だと、聖フランチェスコが言ったという語り伝えを、夫はだれかから聞いて知っているのですが、「確かにここから見ると、二つの山が同じ形に見える。」と、改めてその伝承の聖人の言葉に納得しているようでした。

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 このセッラサンタの庵(Eremo di Serrasanta)は、中世の初めから名高い聖人たちが訪ね、隠遁した地であり、アッシジの聖フランチェスコもその一人だったのです。

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 十字架の付近から下方を見ると、山裾にグワルド・タディーノ(Gualdo Tadino)の町が広がり、遠くには青い山々が連なっています。

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 十字架は、わたしたちがセッラサンタ山の頂から山を下って、庵に到着する途中にも一つありました。この写真は、庵に着く前に、来た道を振り返って撮影したものです。わたしたちは、写真で左下に見える山に囲まれた渓谷、Valsordaから、山頂まで登りました。

 上の写真には、庵の聖域の境界にあるのではないかと思われる十字架と木の柵二つも写っています。そうしてこの十字架近くの道の左右には、地面近くに一つずつ、興味深い言葉が書かれた案内があります。

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 先の写真で、十字架の左手に立つ案内、つまり、わたしたちが山を登ってきた方向に立つ案内には、

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この案内を濡らす雨水は二つの川の川水となり、アドリア海に流れ込むと書かれています。

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 一方、十字架の右手の地面にある案内には、

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この案内を濡らす水は、テベレ川を含む四つの川の川水となり、ティレニア海に流れ込むと書いてあります。

 つまり、この十字架が立つ尾根道が、イタリア半島を南北に縦断するアッペンニーニ山脈の分水嶺(spartiacque)となっているわけです。実は、つい数か月前にも、ウンブリアの山をドライブ中におもしろい教会の案内を見たことがあります。その教会ではなんと、屋根の右側か左側か、雨水が落ちる側によって、その雨水が流れ込む海が違ってくるのだそうです。いつか写真を発掘して、記事でご紹介できたらと考えています。

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Scendiamo dalla vetta del Monte Serrasanta,
in fondo compare l'Eremo di Serrasanta.
In lontano
a sinistra il Monte Subasio, a destra il Monte Tezio.
Il crinale è spartiacque fra l'Adriatico e il Tirreno.
Anche qui tanti fiori di cuoco.
Gualdo Tadino (PG), Umbria, Italy 7/4/2018
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by hillfigure at 2018-04-12 12:27
こんにちは〜!

青く広がる空がどのお写真もとっても心地良いで〜す♪!
山頂までの道のりや山頂から見る素晴らしい見晴らしを
楽しませていただきましタン(人´∀`).☆.。.:*・
左と右とで雨水の行き先が違う、そんなサインがあるだけで雄大な自然の営みの輪を思い起こし
山を汚しちゃ行けないね〜って気持ちを再認識させられますよネ (´ω`*)♪

Commented by ayayay0003 at 2018-04-12 16:20
こんにちは^^
何てお天気の良い日に山歩きされたことでしょうか(^-^)
左のスパージオ山は、昨年見た場所ですし、テッツィオ山は、なおこさんところからいつも見ているお山?で、その両方を見渡せる尾根歩きは、ほんとに気持ちの良い場所ですね~
自生のクロッカスが一面に咲くこの季節は最高の時期ではないでしょうか(^-^)
この場所からアドリア海へ流れ込む雨水とティレ二ア海へ流れ込むのが分かれてるというのは、なんだか素敵ですね~
ロマンを感じます~♡
Commented by milletti_naoko at 2018-04-13 16:42
Cocoaさん、こんにちは。久しぶりに青空の下、山を歩き、壮大な眺めが楽しめてうれしかったです。

一つの尾根が雨水の行き先を分けてしまうのですから、びっくりしますよね。都会の公園や山中の道路脇で見かけるごみが、この山にはなくて、ほっとしました。自然を大切にしたいものです。
Commented by milletti_naoko at 2018-04-13 16:45
アリスさん、こんにちは。

山頂からの眺めは、天気次第なので、青空が広がっていて、うれしかったです。いつもテッツィオ山から眺める山が別の角度から見えるのも、感慨深かったです。

5月には自生のスイセンがたくさん咲いてきれいとのことなので、その頃にまた青空の下、再び歩けますように。
by milletti_naoko | 2018-04-11 23:55 | Umbria | Trackback | Comments(4)