2018年 04月 29日
新緑のカエデうれしい山歩き、フィオンキ山
山道にも、そして周囲の森にも、カエデ(acero)の木が多いので、驚きました。
この写真の奥に見えるのが、フィオンキ山(Monte Fionchi)です。これまでは、雪が積もる冬や、クロッカスが咲く早春などに訪ねていたため、歩いたときには、まだ若葉が育ったいなかったので、森にカエデの木が多いことに、気づかなかったのだと思います。
カエデは、葉の大きさも形もさまざまで、こんなふうに花が咲いているカエデの木も、たくさんありました。
こちらの写真では、カエデの小さい黄色い花が、木から落ちて、トレッキングコースを覆っています。幸いわたしは、カエデの花粉は平気なようで、この山歩きの途中で、花粉症に苦しんだのは、フィオンキ山の山頂から急坂を下る途中からしばらくの間だけですみました。ただし、ドライブ中は、低地でもトネリコ属の木(frassino)の白い花が花盛りのスポレートからモンテルーコまでの山道でも、症状があって、つらかったです。
イタリアの山は、牧畜が盛んで、放牧された牛や馬が草を食べるために、木々が育たず、草原となってしまっている高原や山頂付近が、少なくありません。フィオンキ山を目指す途中にも、牛が草を食むために木が育たない草原がところどころにありましたが、こんなふうに、大きいみごとなカエデの木にも、出会いました。
2枚目の写真の奥に見えるフィオンキ山の急傾斜の手前までは、新緑や時折り出会える野の花の美しい森の中を歩きました。
最後の登りがどれほどの急傾斜かは、その急坂を登り始めたときに撮影したこちらの写真で、お分かりかと思います。下方、後方には、急斜面の下に広がる草原で草を食む牛たちが写っています。写真は、それまでまったく見当たらなかった自生のスイセンを、この斜面を登り始めたとたんに見つけて、夫が観察しているところです。
このあとは、斜面のあちこちに自生のスイセン(学名 Narcissus poeticus L.、イタリア語名 narciso selvatico)が咲きほこっていて、そのほとんどが白い花だったのですが、
ごくまれに、柔らかなクリーム色のスイセンもありました。
一方、この珍しいユリ科の花には、今回初めて出会いました。夫がいろいろ調べた結果、日本ではバイモ属と呼ばれ、学名でもイタリア語でも、属名をFritillariaという属の花のようです。わたしも、フィオンキ山周辺の植物について記したウンブリア州などのサイトで調べてみて、その中でもFritillaria tenellaの亜種であるFritillaria orsinianaではないかと思っています。フィオンキ山にあるとの記述はないのですが、わたしたちも登ったことがあるマッジョ山など、フィオンキ山周辺の山に生息するという記述を見つけたからです。
閑話休題。カエデの木が多いので、秋はきっと紅葉が美しいのではないかと思います。紅葉の時期は、イタリアでは狩猟が解禁であるため、銃弾や猟犬、喧騒と危険を避けて、例年は狩猟が禁止されている自然公園の山に行っているのですが、今回フィオンキ山頂への山道を歩いてみて、少なくとも途中までは、狩猟が禁止されていることが分かったので、一度また紅葉の頃に歩けたらと考えています。
山頂を目指す本来のトレッキングコースとは違う道を、かつて夫と登ったことがあり、そのときにみごとな桜の木を見かけたために、夫は、サクランボが実る頃に、その山道を歩きたいと言っています。どのあたりでコースから外れて歩いたかが、漠然としているために、場所がはっきり分からないという問題がありはするのですが、そのときの写真が見つかれば、場所を確定する手がかりになるかもしれません。
さまざまに緑の美しいカエデの若葉を愛でつつも、とりわけ魅かれたのは、日本でよく見かける形の葉をしたカエデでした。
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Alberi di acero, foglie verdi e i loro piccoli fiori,
rari fiori di fritillaria visti sabato per la prima volta,
anche di color crema i narcisi selvatici.
Il sentiero verso la cima del Monte Fionchi è
ornato da giovani foglie verdi e dai fiori spontanei.
Spoleto (PG) 28/4/2018
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高原にあるという黒ユリと少し似てるようにも感じましたが色が違うと思います。
カエデの新緑がまずしい素晴らしい山歩きになり良い時間でしたね(*^_^*)
ホント、楓の新緑がきれいで気持良さそうです!
自生の水仙も、釣り鐘のようなめずらしいユリも、
昨日のランもとってもきれいで素敵です〜(*´ω`pq゛!!
それにしてもかなり急斜面、登るのも降りるのも大変そうだけど、
珍しいお花にも出会えて楽しい山歩きになりましたね(*ゝω・)ノ♪
フィオンキ山周辺はなぜか風が強いので、これまでは頂上は寒いからと、急坂の手前で引き返すことが多かったのですが、今回は暖かい日で、久しぶりに登頂できて、新緑も愛でられて、うれしかったです♪
この急斜面、初めて登った雪の日はずるずる足元が滑るために、わたしは途中で登るのをあきらめ、途中からは夫が一人で登ったんですよ。今回はきれいなスイセンがたくさん咲いていて、本当によかったです♪
楓っていろんな種類がありますね。
うちの裏庭には3番目の写真と同じと思われる楓が数本自生していますが、
アメリカでは”Big Leaf Maple"と呼ばれています。
綺麗なんですが、繁殖力がすごくて、
新しく出た芽を摘まないと庭が大変なことになるので、
それを食べてくれるヤギを雇いたいくらいなんですよ。笑
旦那様が水仙を観察されている写真はまるで映画のようですね。
背景に映っている白い動物たちは馬なのでしょうか?
それともヤギでしょうか?
どちらにしても牧歌的でとても美しいです。
植物をじっくり観察されながら、トレッキングなんて…
最上の贅沢な時間の過ごされ方ですね。
なおこさんのライフスタイルもまるで映画のようです。
わたしは疲れていたので、道を逸れてはカエデに近寄って、木の名前を言う夫のそばまで行かなかったのですが、夫は、イタリア語名でacero montanoと呼んでいて、ウィキペディアによると日本語名・学名は、それぞれ、セイヨウカジカエデ、シカモア、シカモアカエデ・Acer pseudoplatanus、英語名は、英語ではsycamore、米語ではsycamore mapleと言うようです。
夫の背景に写っている白い動物は、牛で、たぶんキアニーナ牛ではないかと思うのですが、ここで出会ったときは、あまり見つめて、雄牛を警戒させてもいけないと、わたしたちが早足に通り過ぎ、帰り道に出会ったときは、牛の方が足早に逃げていったので、写真を見るまでは定かではありません。
ありがとうございます。夫のおかげで、雄大な自然の美しい風景の中で過ごせる機会が多くてありがたいです。