イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

びっくり日本映画放映 伊カトリックTV、今夜『海街diary』

 鎌倉を舞台に繰り広げられ、それぞれに美しい四季の移り変わりと共に語られる、時に悲しく、時に楽しい、感動的な四姉妹の物語。複雑な関係・環境にあるにも関わらず、お互いを大切に思い合い、母親が異なる幼い四女を慈しむ姉たちと、心に大きな傷や葛藤を抱えつつも、笑顔が明るく優しい四女、すず。

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Dal sito https://www.tv2000.it

 今夜28チャンネル、TV2000で9時過ぎから放映されていた日本映画に、他の映画を見ようと考えていた夫がたまたま気づいて見始め、わたしにも教えてくれたので、途中から見ました。


 これが、今夜の映画のTV2000による予告編です。イタリア版では題名は、『Little sister』と英語になっていて、日本版の原題が『海辺diary』であることや、漫画の原作があることは、鑑賞後に調べて、初めて知りました。

 イタリア語学習者で腕試しならぬ耳試しをしてみたいという方のために、この記事には予告編の画像をそのまま埋め込みましたが、上の画像上部をクリックして、YouTubeページからご覧になれば、下部の字幕アイコンをクリックして、イタリア語字幕つきで見ることが可能ですから、イタリア語学習にも役立てることが可能です。ただ、機械による自動字幕であるためか、"Io sono Suzu Asano."(わたしは浅野すずです。)という部分の字幕が、"io sennò sud vadano"などと、まったく意味をなさず、脈絡もないイタリア語になっています。「あさのすず」という日本語名から、何とかイタリア語で意味のある言葉を取り出そうと、機械が頭をしぼった結果でしょう。わたしが、システムが日本語である携帯電話に向かって、イタリア語で話しかけたときに、電話の画面に表示される摩訶不思議な日本語に、大いに通ずるものがあります。

 日本では、多くの方がご覧になったのでしょうか。日本版の予告編と、同じ場面を忠実に再現したイタリア語版の予告編を、次にご紹介します。イタリア語学習の一助にもなるかと思います。



 紅葉、桜、紫陽花に梅雨、蝉時雨に花火と、季節の風物を巧みに織り交ぜながら、時の流れや四姉妹の絆の深まりと成長が描かれています。



 この映画のイタリア版予告編も、YouTubeサイトからなら、イタリア語字幕つきでご覧になれますが、これも字幕がややいい加減で、やはり「すず」という名前がイタリア語を聞き取ろうとする機械には判別できずに、sìに化けたり、字幕から消えたりしています。

 日本語の授業でも使えそうだと思ったのですが、イタリア版DVDには、残念ながらイタリア語音声しかないようです。原作の漫画に興味があって調べると、キンドル版であれば、今なら1巻を無料で読めることが分かり、さっそくダウンロードしました。2巻も無料と知って、購入しようとしたら、「海外在住であるらしいので、著作権の関係で利用できません。」という画面が現れたので、断念しました。1巻は、5月14日の日本時間午後10時までは無料で読めるけれども、以後は有料となるようです。今、アマゾン日本では確か550円以下の多くの漫画のキンドル版を、3冊まで1冊99円で購入できるサービス期間中でもあることが分かり、久しぶりに日本の漫画を何冊か楽しめたらと考えてもいます。

 以下に、TV2000サイトにおける映画の紹介ページや、アマゾンの映画・原作・キンドル漫画お得キャンペーンに関するリンクを付しておきますので、興味のある方はご覧ください。

LINK
- amazon.it - film DVD, "Little Sister"
- amazon.co.jp - 映画DVD、『海街diary』 DVDスタンダード・エディション
今調べていて、アマゾン日本のプライム会員であれば、この映画は無料で見られることが分かりました。↓
- amazon.co.jp - プライム・ビデオ - 『海街diary』

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Sorpresa! Ieri sera su TV2000
film giapponese, "Little sister".
Commovente e molto belle anche le immagini di Kamakura
con il suo mare, fioritura di ciliegio, ortensia e non solo.
Nell'articolo i trailer in italiano e in giapponese.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2018-05-03 10:41
なおこさん、おもしろそうな映画?の紹介ありがとうございます(^_-)-☆
日本では、あまり宣伝がない?
こういうおもしろそうな映画は、ほんとに残念ながら限られた場所での放映しかなくて田舎ではあまりないんです!
漫画が原作というのも良いですね~
最近は漫画が原作の名作がたくさんあると思います。
早速調べてみますね~♫
Commented by hillfigure at 2018-05-03 11:50
こんにちは〜!

残念ながらこの映画は見てませんでした。
で、リンクの予告編をみて
樹木希林さんが端正なイタリア語をしゃべってて笑っちゃいました(´▽`*)スゴイ~
そういえば以前イタリア旅行したときに
ホテルのお部屋のテレビで日本のアニメの「アルプスの少女ハイジ」が放映されてて、
ハイジがペータに「Arrivederchi〜!!」って叫んでておもしろかったのを思い出しましtan(人´w`) ♪
リンクのご紹介もありがとうございま〜す!
私もこの映画を見てみたくなりました〜!!
イタリア旅行がスキな知人にも教えてあげよ〜、っと♪


Commented by milletti_naoko at 2018-05-03 16:40
アリスさん、日本独特の情緒や四季、風景を描く映画で、カンヌ映画祭など海外で高い評価や賞を受けたおかげで、イタリアでも、わたしたちは知らなかったのですが、一部でしょうけれども当時映画館で上映され、昨日もテレビで放映されたようです。日本でもイタリアでも、どうしても観客動員が確実なアメリカ映画の宣伝や上映につい力や熱が入り、こういういい映画を見られる機会が少なくなってしまうのでしょうね。見つけてくれた夫に感謝です。

そうですよね。つい最近イタリアの映画館で見た『この世界の片隅に』も、やはり漫画が原作のようで、とてもよかったです。こうしたすばらしい漫画が今も描かれているのが、わたしもうれしいです。
Commented by milletti_naoko at 2018-05-03 16:48
こんにちは。そうすると、Cocoaさんも、この映画はご覧になっていないんですね。なるほど、この役を演じられているのは、樹木きりんさんだったんですね! 郷ひろみと能天気な歌を歌って踊っていた遠い昔の印象を覚えているので、わたしもギャップに楽しくなりました。そう言えば、やはりイタリアの映画館で見た日本映画、『あん』は樹木きりんさんが主人公で、映画で見て記事にしたら、ブログのお友達が、それを教えてくださって、さらに親子で出演されていたと知って驚きました。イタリアではたいていの映画やドラマ、アニメはイタリア語に吹き替えられるので、確かに旅行でハイジがイタリア語で話すのを見てほほえむ方も多いかもしれません。
Commented by nonkonogoro at 2018-05-03 21:58
Kindleの無料コミック愛用者です。
この原作コミックも読みましたよ。
とってもいいお話です。
すずちゃんと他の姉妹との いい関係が
さっぱりと描かれています。

地名 人名を普通名詞のように訳してしまう~
以前英和翻訳の勉強をしていた時に 何度も この部分でつまづきました。英語だと 固有名詞は大文字になるので まだ分かりやすいですが 日本語だと区別がつきにくいですよね。
Commented by sacromonster at 2018-05-03 23:56
なお子さん。初めまして。コメントを戴き嬉しくてわくわくしてしまいました。
夏目漱石記念館は。2016年9月に閉館してしまい、ガッカリしましたが、訪ねる人も少なく残念だけど諦めるしかないかと思っていましたが、インターネットによりますと,再開されるかもしれないそうです。
私共夫婦が地図とガイドブックで漸く見つけたのは1992年の7月だったようです。
日本では、千円札の顔になり、知らぬ人はないと思っていますが、ロンドンでは知っている人が殆どいませんでした。
引っ越し魔の漱石が一年5カ月近く住んだ
最後に下宿のお向かいのビルの二階にありました。グーグルでお調べになりますと写真も出てきます。普通のマンションです。恒松育生氏には頭が下がります。私が
女学校Ⅰ~二年ごろ「坊ちゃん」と
「吾輩は猫である」を読んで感動、緻密な頭脳の持ち主であることがよく分かりました。
それ以来ロンドンで一人さびしく英語の勉強に励まれ帰国間もなく東京帝国大学の教授に
なられた事、小泉八雲:ラッカディオ・ハーンが東京大学を下ろされた事なども後に知りました。小泉八雲の孫娘さんとは南米ツアーで偶然にも一緒になりました。不思議なご縁です。
Commented by milletti_naoko at 2018-05-04 20:07
nonさん、昨日この作品の漫画の1巻を読んで、漫画もとてもいいなと、読みながらつくづく思いました。途中から見た上、おそらく映画ではいろいろ省かれている情報もあるため、漫画を読んで納得が行ったこともいろいろありました。2巻は、無料で利用できないなら有料でもぜひ読みたいのですが、たまたま無料期間中であるばかりに、今はイタリアでは読めないようで残念です。他のオンライン漫画サイトでも読めるようですが、ポイントが使えるので、できればアマゾンがいいな、と。
Commented by milletti_naoko at 2018-05-04 20:18
sacromonsterさん、はじめまして。こちらこそ興味深い情報をありがとうございます。漱石のイギリス滞在は知識としては知っていても、それが具体的に認識できていなかったことに気づき、漱石のロンドン滞在がちょうどホームズが活躍していた頃の、しばしば他の映画やドラマになる時代のロンドンであることを思って、おもしろいなと思いました。わたしは愛媛に長く住み、愛媛大学の国文学の先生が、坊っちゃんにおける漱石の松山描写(しかも地名はいっさい書かれていないけれども、温泉や市内電車の描写から推測できるということだったような気がします)に見える蔑視についても、授業中にしばしば指摘していたので、松山滞在時の漱石については、正岡子規との関係も含めて、かなり如実に想像できたのですが、ロンドン滞在については、考えたことがなかったので、あのロンドンの町で漱石が、しかも激動の時代に過ごしたのだと、興味深かったです。わたしたちも訪ねたロンドンの名所を、漱石も訪ねたということが、ひどく不思議だったりもしました。絵はがきから広がる世界、つながる歴史と記憶、おもしろいですね。いつかまたロンドンに行くことがあれば、ぜひ記念館情報を調べ、もし開館出なくとも、漱石の足跡を何らかの形で追えたらと考えています。小泉八雲の孫娘さんとの出会い! 縁は本当に不思議ですね。
by milletti_naoko | 2018-05-02 23:56 | Film, Libri & Musica | Comments(8)