2018年 05月 14日
湖に雨降り日も照る暮れの夕景、トラジメーノ湖

ようやく湖が見える場所まで来ると、雲間から顔を出した太陽が、湖面にオレンジ色の光を投げかけています。

トラジメーノ湖の東岸にあるいつもの店で、夕食のために、湖が見える席を予約してありました。店の駐車場に着いてすぐに、岸辺に行くと、南西の空には晴れ間があって、白い雲や夕焼け空が、湖水に映っているのですが、

北西の空は、暗い雲に覆われています。向こう岸では、あちこちで雨が降っているようで、雲から地平線へと、灰色の線が無数に走っています。ひときわ明るく、金色の光が見えるその上の雲に、沈みゆく夕日が隠れています。
夫は駐車場から店に直行したようで、姿を見せなかったので、名残は惜しかったのですが、わたしもこのあと、すぐに店に入りました。

注文を終えた頃に、夕日が雲間から顔を出したので、夫に促されて、岸辺へと走ります。


北の空は、地平線近くに晴れ間があるため、空も湖も茜色に染まっています。その北方へと向かったマガモたちは、どういうわけか、浅瀬でいっせいに頭を水中に沈めたのですが、夫によると、水草を食べていたのだろうとのことです。

沈む夕日を岸辺で見送りたいと思いつつ、そろそろ料理が運ばれてくる頃だろうかと、店内へと引き返しました。

例によって、夫はピザを食べ、わたしはこの店では初めて、鯉をポルケッタ風に調理した魚料理、つまり、香草などをつめこんで焼いた料理を頼みました。おいしかった上に、思いがけずサラダも添えてあってうれしかったのですが、若干生焼けの部分がありました。そして、そういう部分は避けるつもりが、うっかり少しは食べてしまったので、食中毒やアニサキスを、しばらく心配していました。4日後の今日、まだ元気でいるので、きっと問題はなかったのでしょうが、これまで何度か、別の店で同じ料理を食べたことがあったのに、こういうことがあったのは初めてだったので、驚きました。

雲が多かったからか、日が沈んだあとは空が灰色になっていたのに、わたしたちが食事を終える頃、雲と湖の間にわずかに見えていた空が、桜色になりました。
そこで、支払いを済ませて店を出てから、すぐ岸辺に向かうと、空と湖が、不思議に美しい色をしています。

向こう岸の晴れた場所には、茜色の空が広がり、雨が降る場所では、その雨が藤色に見え、そうして、その空模様が、そのまま湖面に映っています。
雲が多いからこそ、日が沈んでから40分近く経っても美しい夕景を、いつまでも眺めていられたらと思いつつ、一足先に車へと向かった夫の後を追いました。
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Le luci del sole illuminano il Lago Trasimeno attraverso le nuvole.
Al tramonto suggestivi i colori del cielo e del lago
tinti dal sole che sbircia tra le nubi e l'orizzonte.
Magione (PG) 10/5/2018
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その時、急いでお店に入っても注文はちょうどのタイミング、さすがの御主人さまでした☆
その後の再び見えだした夕陽が美しかったですね~
いつまでも湖を眺めていたい、そんな神秘的な美しさです♪
何故だか、雲が多い日のが空はドラマチックですよね!
日が沈んだ後の桜色の空も素晴らしかったですね☆
最後の藤色の雨にも感動しました(^^♪
お料理のお写真、ほんとに美味しそう♡
生焼けくらいのがほんとは美味しいですが、やはりア二サキスの心配があるのでウエルダンが良いですネ!
お腹、大丈夫で良かったです。
淡水魚だからアニサキスの心配はないかと調べてみたら、かえって心配が大きいようで、あまり考えずに口に運んでしまったので気になっていました。何事もなくて、わたしもほっとしました。ありがとうございます♪
日が落ちるとまだ寒いので、テラスのビニールカーテンが下りていたので、窓際の特等席でしたから、日の入りと夕焼けは見えたのですが、写真はきれいに撮れなかったのです。夏になって、夜も暖かくなれば、食べながら夕焼けが楽しめるんですよ。
写真は勿論ですが、なおこさんの記述があまりに美しいので、
じっくり、読み入りました。
夕焼けがどんなに美しいものなのかその感動が伝わります。
いつも素晴らしい記事をありがとうございます!
何度も同じ場所に、同じ日の入りの頃に出かけて、夕日を見送ったという記事を書いていることもあり、それは、わたしにとっては、どの日の夕景も、かけがえのない独特の美しさを持つと考えられるからなので、それを感じていただけたらと思い、半ば意図的に、半ば無意識に、その日の夕焼けには他とは違ったどんな美しさがあったかが伝わればと願いながら、書いているような気がします。だからこそ、そんなふうに感じて読んでくださっていると知って、とてもうれしいです。
大きな瞳のような太陽、どこかで見たと思ったら
小野竹喬の「奥の細道句抄絵」より「暑き日を海にいれたり最上川」でした。
最後から2枚目の、寄り添う二人の影も素敵です。
最後の1枚の不思議なむらさきはヨーロッパならではの色かもしれませんね。
夕日が輝きながら、光を湖面に投げかけて沈むことは、よくあるのですが、光が赤く見えるのは、この日のように雲が多い日で、でないとたいてい日の光も湖面の輝きも金色なんです。こういう絵があるのですね。確かによく似ていて、おそらくは暑い日の感慨でしょう。芭蕉の句もいいですね。
ありがとうございます。日が暮れて空が暗くなったあとに、下から照らされる光で、雲がピンクに、空が紫がかって見えることがまれにあります。日本では夜明かりが多いので見るのが難しいかもしれませんが、気象と時間、場所の条件がうまく噛み合えば、見られることもあるように思います。こちらでも見るのはまれですが、きっとそれは、後から照り返しがある前に、その場を離れてしまうからではないかという気がしています。