なおこのイタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

花と撮影に夢中でマダニに噛まれた話、潜むマダニにご用心

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 日本でもイタリアでも、マダニに噛まれて感染症を患う人が後を絶たないようです。イタリア保健省のサイトによると、ヨーロッパでダニ媒介性脳炎に感染した人の数は、この30年で約5倍になった上に、感染する危険のある場所も増加したとのことです。そして、感染の大半が、野外で、特に森林で活動する間にマダニに噛まれることによって引き起こされたとのことです。(詳しくはこちら

 日本でもマダニが媒介する様々な感染症に感染する人が多いようで、日本の国立感染研究所のパンフレットでは、マダニは「野生動物が出没する環境に多く生息し」、「民家の裏山や裏庭、畑、あぜみちなどにも生息しています。」と、注意を呼びかけています。(詳しくはこちら)一方、イタリアの「マダニに注意」というパンフレットでは(リンクはこちら)、マダニが生息する危険がある場所として、森林や田畑、草が生い茂る場所、町の公園や庭を挙げています。

 日本にせよ、イタリアにせよ、マダニはふだんの生活で出会う可能性が少なくないということで、ですから、むやみに草むらに入らない、じかに座らないなど、マダニが生息する可能性がある場所に行くときは、くれぐれも注意が必要なのだと驚きました。

 と言うのも、わたしは、夫とつきあい始めてから今まで十数年の間、夫や友人たちといっしょに、イタリアの野山や庭園をしばしば訪ねていますが、つい最近まで、マダニに噛まれたのは数年前の一度だけだったからです。トスカーナのアッペンニーニ山脈の山の高みで、放牧された牛の群れを遠くに眺めながら、ワラか何かの上に腰を下ろして、パニーノを食べた日の晩に、夫もわたしも3か所ほどマダニに噛まれたのに気づき、以後は、動物の多いところはマダニの危険があると考えて、そういうところではむやみに腰を下ろさず、山や草の上に座らざるを得ないときは、レインコートなどを敷いて、その上に腰を下ろすようにしていました。

 ですから、10日前の日曜の午後、マダニに噛まれたことに気づき、マダニを取り除いてから調べてみて、マダニはわたしたちの身近なところにいる可能性があるため、日頃からもっと気をつけなければいけないことを、初めて知りました。いったいどこで噛まれたのかと考えると、思い当たる場所や機会は、いくつもありました。

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Alpe della Luna (AR) 26/5/2018

 たとえば、噛まれたことに気づいた前日の土曜日は、トスカーナのアッペンニーニ山脈の谷間に流れる小川を遡りました。そのときは、草のない細道を歩いたのですが、

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道の脇の草むらに、珍しい自生のオダマキ(aquilegia)の花が咲いていたり、

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自生のラン(orchidea)が、彩りも美しく、黄色い花のただ中に咲いたりしているところを見ては、草の中に入り、花に近づいて、焦点がなかなか合わないので、苦労しながら、何度もシャッターを切りました。

 夫も、小川の水源らしきものや、岩間から流れ落ちる水滴を見つけては、草の間に分け入って、見に行っていました。

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Papaveri nel campo di grano & Assisi (PG) 27/5/2018

 翌日曜は、アッシジのバラ園に向かう途中で、この麦畑の前から、ズームを使って、ヒナゲシが咲く麦畑とアッシジの町を撮影しました。前回見かけたときには、麦畑全体を赤が覆うように、花がたくさん咲いていたのですが、この日は、もう花がかなり少なくなっていました。それでも、車から降りて、できるだけ花に近づこうと、畑の前にある草むらに入って、この写真を撮りました。

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Roseto Quando Fioriranno Le Rose, Assisi (PG)

 アッシジの眺めも美しいこのバラ園は、地面の大半はこんなふうに砂利が敷かれていたのですが、

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 その周囲を取り囲むバラの庭は、地面が緑の芝生に覆われていました。

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Orchidea selvatica sul Monte Tezio, Perugia

 大家族での昼食のあとは、ミジャーナに出かけて、庭のバラたちを撮影したあと、テッツィオ山を歩き、自生のランが咲いているのを見つけては、草むらの中に入り込み、ランの花と同じ高さに座り込んで、カメラの焦点が合うまでねばりました。

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 頭にターバンを巻いたアラビアの王子たちが舞いを踊っているように見える、この珍しい自生のラン(学名 Himantoglossum adriaticum、イタリア語ではbarbone adriatico)が咲いていると、夫が教えてくれたときも同じです。

 数年前に噛まれたときは、山を歩いた日の晩になって気づいたのですが、今回は日曜の午後に気づいて、噛まれた可能性のある場所が多いので、特定できずに困りました。テッツィオ山では、何度も草むらに入って、野生のアスパラガスを採ったり、花を撮影したりしているのに、今までマダニに噛まれたことがなかったのですが、この日の帰りに、わたしたちの車の前を野ウサギが走ったように、山には、イノシシや鹿などの野生動物が住んでいます。アッシジについても、ウンブリアでは、最近、イノシシが人里までやって来ることが、少なくありません。また、土曜に歩いた森は、野生の動物たちのすみかですから、どこにマダニがいても、おかしくありません。

 噛まれてから3週間経過しないと、まだ感染症を発症する恐れがあるそうなのですが、10日間経った現在、夫もわたしも元気なので、とりあえずほっとしています。

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Santuario della Verna & maggiociondolo fiorito, Chiusi della Verna (AR) 2/6/2018

 先週土曜日は、リミニの友人宅に行く途中、寄り道をして、ラヴェルナ修道院が建つ岩山の周囲の森を歩きました。修道院がそびえる岩の下に、満開の黄花ふじが咲いているのを見て、草むらを分け入って、木と花を近くから撮影したい思いに駆られましたが、じっと我慢して、トレッキングコースから写真を撮りました。

 春から秋にかけてはマダニの数が多いそうです。マダニ自体の数も増えてきているのではないかと思います。これからは、野山や庭園を歩くときに、もっと気をつけなければいけないと考えています。皆さまも、お住まいの国や地域に関わらず、くれぐれもご用心くださいませ。

関連記事へのリンク
- NHK 解説委員室 - 「野山のダニに注意! 相次ぐ感染症死」 (くらし☆解説) (2017/5/26)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by nonkonogoro at 2018-06-07 08:14
マダニの感染症はこわいですね。
私も5年前 噛まれました。
ちょうどマダニ被害が話題になった頃で
すぐに皮膚科に飛んで行きましたが
感染するまで治療法はないと言われ
不安な数週間を過ごしました。

真夜中に異変を感じたので
ムカデかと思い
膝を見たら~
赤黒い球体状のものがへばりついていたのです。
慌てて 叩いておきましたが
後で調べたら 叩いてはいけない。
身体の一部がくいこんでいる場合もあるので
ダニのはずし方まで図解されていましたが
後の祭り~( ̄▽ ̄)V

私の場合は 半年以上も 噛まれた部分が
赤く腫れていましたが なんともなかったようです。
危険なマダニは 知らぬ間に髪の毛など
わかりにくい部分に静かにくいついて
何時間も何日も気づかない場合も多いようです。

だから すでにマダニのついてない状態なら
そんな怖い種類ではないのかもしれませんよ。
私の場合 赤かったのは
何時間もたっぷり私の血を吸い込んだからのようです。

でもね
子供の頃は
飼い犬のダニをぷちっと取るのが趣味だったくらい
ダニとも共存していましたが
当時は 噛まれたことはなかったです。

私の場合は 当時山に行ったわけでもなく
庭か近場でかまれたのでしょうから
あれ以来 庭に出る際には
長ズボン・長袖服を着用するように気をつけています。

Commented by hillfigure at 2018-06-07 11:46
こんにちは~!

自然を楽しむためには防御対策の必要なことがいろいろあるんですね〜(´・ω・`;)。
外散歩をするうちのニャンコは毎月ごとにストロングホールドという猫用の
ノミ、ダニ、回虫、フィラリア予防のお薬を使用してます。
首の後ろに少量をたらして皮膚から吸収させるお薬です。
人間用にもそういうお薬があったら便利そうなのに。。。
カメラの焦点が合うまでねば自生のランが粘ったかいあってとってもきれい♪
アラビアの王子たちのランもかわい〜(*・▽・*)!
こんな珍しい花々を見かけたら
つい我を忘れて駆け寄りたくなっちゃいますよね〜(✿ฺ-ω-)ゥンゥン。
なんだかコメントを書きながらお部屋の中を掃除したい気分になってきました〜(´-ω-`;)ゞポリポリ
くれぐれもお気をつけて!!
Commented by ayayay0003 at 2018-06-07 16:26
なおこさん、マダニのニュースは、日本では、深刻で感染症で亡くなられたと言うのが有ります!!
ダニの種類は、沢山あって、全部がマダニかどうか?
マダニは、確かに、なおこさん達がよく行かれる野山に多いそうですが、全てがマダニではないのでは?!
でも、マダニの可能性もあるので、気を付けるにこしたことは、ないですね!!
今のところ、感染症の症状がなくて、ホッとですね!!
今日のヤフーニュースで、マダニの天敵があることが分かり、その天敵を散布出来るようであれば、対策として出来れば良いのに!とありましたが、まだ実用化は、先になるかもしれないですね(^。^;)
美しい自然を満喫するためには、防護が必要ですね(^。^;)
Commented by milletti_naoko at 2018-06-07 17:40
nonさんも噛まれたことがあったんですね。
かなり恐ろしい思いをされましたね。
帽子をかぶっていたので、髪にはついていないことを祈ります。

義弟の奥さんが、エクアドルでは医者として病院に勤めていたので、
確認して教えてもらい、取り除いたのですが、エクアドルにも
マダニはかなりいるそうです。
比較的早くに気づいたものは、ピンセットで引き抜けば、
引き抜きやすかったのですが、かなり後で気づいたものは、
かなり皮膚の中に入り込んでいたので、夫に取ってもらったものの中には、
わずかに皮膚の中に残ってしまったものもあるようですが、
彼女から、このくらいなら感染の原因になることはないし、
自然に外に出るはずだとのことだったので、自然に任せることにしました。
中には皮膚の表層ごと薄いのですが剥ぎ取らなければならず、
大変だったものもあります。

以後、気をつけたいと思います。
Commented by milletti_naoko at 2018-06-07 17:45
Cocoaさん、イタリアでも飼い犬や猫に対する害虫対策は、テレビの広告でも
かなり見聞きしますが、なるほど、いろいろな病気の可能性があるんですね。
命の危険を賭して、まあそうとも知らず、撮影に時間をかけたかいがありました。
おほめのお言葉ありがとうございます♪

わたしも以前にもまして、しばしば掃除機をかけるようになりました。
Commented by milletti_naoko at 2018-06-07 17:49
アリスさん、マダニだということは、義弟の奥さんがお医者さんなので、
確認してもらいました。エクアドルではシャーマニズムも盛んだからか、
姉妹全員、たくさんマダニに噛まれたときに、おばあさんに言われて、
燃え上がる火を起こして、その周りを何度もぐるぐる回ったら、不思議とどれも
簡単に取れたという不思議な話まで、教えてもらいました。

夫が持っている虫眼鏡で拡大して、苦労しながらピンセットで、皮膚の中まで
入り込んだマダニを、完全ではない部分もあるのですが取り除きました。

これからはむやみに草むらに入り込まないように気をつけたいと思います。
by milletti_naoko | 2018-06-06 18:32 | Fiori Piante Animali | Trackback | Comments(6)