2018年 07月 12日
花に満ち岩壁険しきシビッラ山、シビッリーニ山脈
この写真は、山頂から長い間細道を下り、ようやく到着地点でもある山小屋、(Rifugio Sibilla1540m)が近づいてきたときに、撮影したものです。斜面に見える黄色い背の高い花は、すべて、昨日の記事でご紹介したビロードモウズイカです。
岩がちの山頂付近にこそ、花が見当たらないものの、山小屋を出発してから山頂付近を歩き始めるまでの間には、色とりどりの花を、たくさん見かけました。
このピンクのかわいらしい花は、セイヨウノコギリソウ(イタリア語名 achillea、学名 Achillea millefolium L.)の花です。セイヨウノコギリソウ、イヌバラ、ビロードモウズイカは、いずれもイタリアの野山ではよく見かける植物で、古来、薬草として用いられてきました。
ナデシコ(garofanino)の花も、たくさん咲いています。
テッツィオ山では、6月半ば頃が花盛りだった聖ヨハネの草、セイヨウオトギリ(イタリア語名 iperico、学名 Hypericum perforatum L.)も、シビッラ山では、今が花盛りです。この花をオリーブオイルに浸して、日光にさらし、赤くなったオイルは、古来やけどなどの特効薬として使われてきました。
ケンタウレア・モンタナ(centaurea montana)の青い花も、あちこちで見かけました。
山を彩る花や風景を、立ち止まっては撮影しながら、山を登っていきます。
この黄色い花は、根が薬用として用いられるゲンチアナ(イタリア語 genziana maggiore、学名 Gentiana lutea L.)の花です。夏のアルプスや、アブルッツォの高原、カンポ・インペラトーレでは、よく見かける花で、こうした土地で売られているゲンチアナのリキュールが夫は好きなのですが、土曜の登山では、この一輪しか見かけませんでした。斜面が急なので、道の両側に咲いている花しか、目に入らないためでもあるかと思います。
頂上付近は標高も高く、岩がちであるためか、花は少なかったのですが、眺めがすばらしかったです。
天高くそびえるシビッラ山(Monte Sibilla)の高みからは、はるか遠くの海まで見渡すことができます。
山頂付近の道が険しく、登頂が大変なので、この山に巫女、シュビッラ(Sibilla)が住み、ヨーロッパ中から面会を求めに来る騎士たちに神託を与えていたという伝説を思い、長旅の末に険しい岩も乗り越えて、ようやく巫女から神託を聞いたときの騎士たちの喜びや達成感を、想像してみます。
1枚上の写真は、シビッラ山の山頂(2173m)からの眺めを撮影した風景です。その5分後、山頂から下り始めてすぐのところに、まだつぼみのマルタゴンリリー(イタリア語名 giglio martagone、学名 Lilium martagon)を見つけました。(咲いた花の写真はこちらの記事にあります。)
ラン(orchidea)の花も、きれいに咲いていました。
巫女の洞窟跡近くに、このかわいらしいピンクの花がたくさん咲いていました。ニンニクの親戚ではないかと思うのですが、まだ裏づけとなる資料がみつかっていません。
頂上から下り始めて約30分後、夫に言われてふり返ると、確かに夫が言うように、シビッラ山の山頂付近の盛り上がった高みの右下に、まだ白い雪が残っていて、その雪が、ハートの形をしています。
尾根道を後にして、斜面を山小屋に向かって下っていくと、ここにもまた、いろいろな花が咲いていました。このオレンジ色の花は、イタリア語名がgiglio di San Giovanni、直訳すると「聖ヨハネのユリ」で、学名はLilium bulbiferumです。このユリも、セイヨウオトギリ同様に、イタリア語名に「聖ヨハネの」(di San Giovanni)とあるのは、聖ヨハネの祝祭日である6月24日前後に、花が咲くためでしょう。最近は、あちこちの野山に出かけるたびに、よくこのユリの花に出会いました。
この辺りには、この鮮やかな色のかわいらしい花がたくさん咲いていました。
土曜日は、こんなふうに、野の花や眺望を愛でながら、歩くことができました。こういう登山がしたかったんだと、友人たちも喜んでくれたので、うれしかったです。
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Sul Monte Sibilla tante piante medicinali e i loro bei fiori
On Mt Sibilla so many medicinal plants and their beautiful flowers
シビッラ山を登れば、古来の薬用植物とそのきれいな花がたくさん。
Rosa canina L. - rosa canina / dog rose / イヌバラ
Achillea millefolium L. - achillea / yarrow / セイヨウノコギリソウ
Hypericum perforatum L. - iperico, erba di San Giovanni / St John's wort / セイヨウオトギリ
Gentiana lutea L. - genziana maggiore / great yellow gentian / ゲンチアナ
e non solo...
Monte Sibilla, Montemonaco (AP) Monti Sibillini 7/7/2018
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可愛いお花がいっぱいで楽しい登山でしたね!
日本で園芸種として販売されている原種のような花がたくさんあって北海道の同じくらいの標高の山にある種類とはだいぶ違うと言うのが分かりました。
ヨーロッパやアメリカ原産の花が本当に多いんだなぁとあらためて知ることができます。
日本は結構な高さまで緑モリモリの山が多いのに比べてイタリアは岩山が多くそういう地層の違いも当然ながらあるのでしょうね。
それにほとんどが薬草としての効用もあるというのも興味深いです。
シビッラ山のお花見登山、本当に楽しそうでいいなぁ~
でも先記事の鎖場のある登山をみると、あれはちょっとこわいです^^;
久々で長くなりました。
また楽しみにしていますね~!
北イタリアを旅した時に少しですが、こうしたお花のごく一部に出会えたと思うのですが、名前などが分からないため、記憶にはあまりないのですが、可愛らしいお花があった記憶はあります(*^_^*)
イタリアの山は、こういう風な石がゴロゴロの山がほんと多いですね!ドロミテで少し歩いた山も同じ感じでしたことが懐かしく思い出されます♪
可愛らしいお花の数々と名前をありがとうございます♪
ハーブとしてお薬や、お酒になるというのも興味深いです(^^♪
トップのイヌバラの咲き乱れる様子がとても楽しげで
全員で見事に歩ききった登山からの到着を讃えてくれているかのようですね(๑˃̵ᴗ˂̵)
素晴らしい眺望に加えて
次々と様々な珍しくも美しいお花を楽しませんてもらいました♪
登山者にエールを送るかのように雄々しく美しく自生する花々、
そうした花々に目を向けることで目も気持ちも潤って
登山で消耗した足取りも少しは軽くなったのではないでしょうか?
どのお花もとても綺麗で興味深いのですが
ニンニクの親戚?のピンクのお花がなんとも可愛らしいです〜(๑>ᴗ<๑)♥*
見ているだけで、夢心地です!
セイヨウノコギリソウの花、少しピンクで可愛いんですね。うちのハーブコーナーでも元気に育ってくれています。
他のハーブと一緒に植えると、他のハーブが元気に育つと聞いて植えました。
また、このハーブを煮出したものを引締め用の化粧水にしていたら、謎のニキビが沢山出来てしまいました。一週間、何も付けづにいたら元に戻りました。植物のパワーって凄いものだとおもいましたよ(^^;)
以前も花がきれいだったのですが、今回は前にも増して
いろいろな花がたくさん咲いていて、うれしかったです。
ミュンヘンと札幌の緯度が同じなのだそうで、イタリアは北海道
とは、やはり標高が同じでも、植物が違ってくるのではないかと思います。
地中海の野山に生えている身近な草から、効用があるものを見つけて、
古来療養に使っていたのではないかと思います。
鎖のあるところは、やはり夫や友人に、いろいろ「あそこに足をかけて」
など、教えてもらって、確実に降りられたのですが、土砂崩れの後、
道が崩れた地点が、足を滑らせたら危険だと、こわかったです。
山歩きの行程編と出会った草花編に、分けることにしました。
北イタリアも、野山の花がきれいですよね。
ドロミテで、こういう山をアリスさんも歩かれたんですね!
今回は散歩中に出会った花ということでさっとご紹介しましたが、
いつかそれぞれの草花の効能を詳しく説明できたらとも考えています。
「いつか書こう」という記事がとても多いので、いつになるかという
話ではあるのですけれども。
今もまだイヌバラが見られるのがうれしかったです。
ピンクがことに鮮やかで、まだまだこれから花が咲きそうでした。
昔から運動は苦手ですが、風景と出会える野の花が楽しみで、
夫たちと山を歩くのが好きになりました。
セイヨウノコギリソウ、野山で見かける自生の花には、
白が多いのですが、時々ピンクの花も咲いていて、きれいです。
黄色い花もまれに見たことがあるような、ないような。
お宅のハーブコーナーにも植えられているんですね!
染色講習会で、染色に使う植物を野山で皆で探していたとき、
先生がおなかの調子が悪いからと、セイヨウノコギリソウ
を探していました。消化を助けるのだそうです。
植物の力、すごいですよね。少しずつあうものが見つかりますように♪