イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

花咲く山から花満つる野へ、カステッルッチョ

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 色とりどりの花に彩られたカステッルッチョの高原から、急な山の斜面をジグザグに登り、高みにある松の木で、休憩し、眺めを楽しんだあとは(詳しくはこちらの記事)、

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Verso il Pian Grande di Castelluccio, Norcia (PG) 14/7/2018 12:47

急斜面を再び下る代わりに、南北に長く広がる高原、ピアン・グランデとほぼ平行に、南北に縦長に走る山の斜面を、南から北へと向かいながら、少しずつ高原へと下っていくことにしました。

 左手前方に、小高い丘の上に建つカステッルッチョの中心街が見えています。

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12:53

 このあと、しばらく歩いた先で、夫が、戦争中に投下された爆弾の破片が、地面に落ちているのを見つけました。夫は、こういう破片を、テッツィオ山でも、時々見かけると言っていました。

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12:57

 雲が高原に影を落とし、描き出す模様にも、風情があります。

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12:57

 こんなふうに、雲と影の両方を撮影することができたのは、まだ山の高みを歩いていたおかげです。

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12:59

 山を下っている途中にも、さまざまな野の花に出会いました。

 キキョウ科らしき花も、いろいろ咲いていました。

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13:00

 アザミ(cardo)のピンクがきれいです。

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13:04

 釣り鐘のような小さい藤色の花が、たくさん咲いて、風に揺れていました。

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13:06

 ナデシコ(garofanino)も、さまざまな色や形の花が咲いていました。

 撮影時刻を見ると、わたしがいかに花を見つけては足を止めて、撮影していたかがよく分かるのですが、それは夫がこんなふうに、双眼鏡で周囲を観察していたからでもあります。こういうとき、夫は空高くを飛ぶワシやその巣を見つけたり、何か気になる動物や植物を観察したりしていることが多いので、わたしは特に気にせずに、のんびり撮影していました。突然、それまで静かだった高原に救急車のサイレンが響き、夫が、双眼鏡で見ていたのはヘリコプターだと教えてくれましたが、そのヘリコプターが、登山中に転落した人を救出するために飛んでいたことと、遺憾にも、その登山者が亡くなったことは、帰宅してからニュースで知りました。(詳しくはこちら

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13:16

 山の斜面には、こちらの淡いピンクの茎の長いヒナゲシが、高原には、ピンクが鮮やかで丈の低いヒナゲシがたくさん咲いていました。丈の高いヒナゲシは、風が吹くたびに大きく揺れ、丈の低いヒナゲシは、他の草の影になってしまっていて、どちらも撮影に苦労しました。

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13:25

 ラン(orchidea)は、えんじ色の花と淡いピンクの花を見かけました。この淡いピンクの花の茎があまりにも長いので、驚きました。

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13:36

 こちらの珍しい花もいくつか見かけました。見つけたときは、ジギタリス(digitale)ではないかと思ったのですが、自信はありません。

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13:38

 このエリンギウム・アメシスティヌム(学名 Eryngium amethystinum、イタリア語名 calcatreppola ametistina)は、色や形はきれいなのですが、山を歩くとき、足に触れると、とげに触ったような痛みがあるので、困ります。テッツィオ山でも、よく見かける植物です。

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13:40

 ズームで拡大して撮影した写真です。日の光の加減によって、高原を彩る花の色が、時々それは鮮やかに見えることがありました。

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13:46

 ふり返ると、わたしたちが車を脇に置いた、車が一列に並ぶ道路も、はるか遠くに小さく細く見えます。

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13:53

 赤い色が目立つ畑が見えてきたので、ようやく夫が、山の斜面を高原へとまっすぐ下って行きました。ヒナゲシの赤やヤグルマギクの青が、優しく高原を彩っています。

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Verso i tappeti di fiori del Pian Grande di Castelluccio
,
si scende dal versante del monte tra fiori spontanei:
campanule, cardi, orchidee, calcatreppole...
Sulla terra si trova una piccola scheggia di bomba,
dal cielo le nuvole disegnano sull'altopiano con le loro ombre.
Castelluccio di Norcia, Norcia (PG) 14/7/2018
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2018-07-22 15:18
なおこさん、Ⅰ3枚目の13:40分のお写真が素敵ですね~
色とりどりのお花畑、色分けされてるように、種類別に咲いてますね~
こういう眺めは、見たことがないですよー
まさに山の中腹に登ったからこその眺めですネ!(^^)!
自生の山野草をクローズアップしたお写真も素敵です☆
釣り鐘の形の紫の花はリンドウの種類にも見えますが・・・?
自生のナデシコや蘭も綺麗ですね~
背景にお花畑というのは贅沢に感じます(*^_^*)
ジギタリス、フランスのラリューヌ山に登山電車で登った時にたくさん咲いてるのを見たのですが同じ花だと思います。
お花を満喫された日でしたね、見せていただいてありがとうございます(^^♪
Commented by milletti_naoko at 2018-07-23 00:44
アリスさん、うれしいお言葉をありがとうございます♪
レンズマメなどの畑に、野の花の種がまいてあって、ヤグルマギクが多いと青く、
ヒナゲシが中心だと赤く、二つが混ざると紫色に、白いヒナギクが混じると、
ピンクや水色にと、咲いている花の割合によって、色が違って見えるています。
インスタグラムのおかげで、ふつうの人がよく登る反対側の山の道路やトレッキング
コースからの写真も簡単に見つけることができます。反対側、花の近くからだと、
ほぼ真上から見下ろす形になるため、地面も見えて花の色が淡く見えるのに対し、
わたしたちのように反対側から遠くに眺めて、遠くから撮影すると、斜めから撮るので、
幅広い畑も細長く、それだけ色がより濃く鮮やかに見えて、撮影ができたようで、
おもしろいです。

ジギタリス、ふだん見かけるものは、花も植物自体ももっと小さくて、花が細長いように
覚えているのですが、品種が違うだけかもしれません。アリスさんも、なんとフランスで
ご覧になったんですね!
by milletti_naoko | 2018-07-21 23:47 | Umbria | Comments(2)