2018年 09月 08日
和の風情あふれる日本料理店、イタリア リミニ
表の看板には山水という漢字の店名に添えて、英語で、「San Sui Japanese Garden Restaurant」と書かれています。庭にも店構えにも和の風情があふれ、
一歩足を踏み込むと、日本にいるような気さえする空間が広がっていました。この日の晩、わたしたちは、庭と店内のこういう眺めが楽しめる屋外の席で、食事をしました。枯山水もいい味を出していますが、手入れや整備が大変だからでしょう。石や砂、あるいはセメントも使われているのか、固定されて動かないように、手入れが不要なようになっていました。
友人の一人はWashoku Experienceというセットメニューを選び、夫とわたし、他の友人二人は、それぞれ食べてみたい料理を、単品であれこれ注文しました。
突き出しとして、ワカメとネギが入ったみそ汁と、カレー風味のジャガイモの煮物がでてきました。お皿やお椀を口に運ぶのが、イタリア料理ではマナー違反だからか、みそ汁には中華料理で使うようなスプーンが添えられていて、友人たちはそれを使って飲んでいました。
日本の方が握る生魚のお寿司は、ペルージャでは食べられないので、わたしは、鮭とマグロの握り寿司を注文しました。刺身や握り寿司のセットもよさそうなのですが、タコやイカ、エビなど苦手なものが多いわたしは、食べられないものがあっても困るので、この二つを頼んだのです。友人の一人が選んだ握り寿司には、サバがあって、マグロよりもサバがおいしいと喜んでいました。セットの握り寿司の内容は、日によって変わるそうです。メニューにはローマ字でNigiriと書かれていて、イタリア語ではgiというつづりの発音が日本語のジ(ヂ)に近いため、友人は、「ニジリ」と注文していました。大学で日本文学を教えていたときに、『源氏物語』(Genji Monogatari)を「ジェンジモノガタリ」と発音するイタリア人学生が時々いたことを、懐かしく思い出しました。
これは、友人の一人が頼んだ豚骨ラーメンの半人前です。わたしは味見しなかったのですが、注文した友人がラーメンが大好きだそうで、このラーメンはとてもおいしいと、うれしそうでした。
5人相席で、時に味見をし合いながら食べるのですが、席が遠かったり、料理の写真を撮るのが憚られたりしたため、撮影したのは、わたしが注文した料理すべてと、夫や近くに座っていた友人が食べた料理の一部です。
てんぷらは、わたしと友人の一人は野菜だけのてんぷらを、夫は、海老と野菜のてんぷらを注文しました。わたしや日本の友人が揚げたてんぷらや、他の日本料理店で食べたてんぷらをおいしいと言っていた夫が、ここのてんぷらについては、海老も野菜も衣が重くていまひとつだと言っていましたし、友人たちも同感のようでした。二口、三口大に大きく野菜を切って揚げてあるために、ただでさえ、箸を使い慣れていないイタリアの人には、食べにくくもあったかと思います。
わたしも、野菜の切り方や衣がどうかなと思いながら食べました。揚げ餃子も注文した人がいて、味見すると、こちらは、おいしかったです。
皆に一番人気があった料理の一つは、夫が頼んだこの鳥香味焼きです。いいあんばいに肉が焼けていて、ぴりっと辛いその味がおいしいと、皆が口々に言っていました。メニューにはTori Komiyakiと書かれ、意味を聞かれて、「焼き」の意味を説明すると、「とりこみ」は何かと、また尋ねられました。「鳥の香味焼き」を食べたことがなかったわたしは、Komiが「香味」のこととは思いつかず、「鳥込み」か「取り込み」かと悩み、そのまま、そういう意味の可能性もあると話しました。同席していた友人の中に、合気道の先生がいたので、「そう言えば、取りは、合気道でこういう場面で使われる。」と、合気道での「取り」の使われ方を、「受け」と共に教えてくれました。結局、Toriは「鳥」で、Komiは「香味」だと、泊めてもらった友人宅に帰ってから、インターネットで調べて分かったのですが、そういう勘違いから広がった会話も、それはそれで楽しかったです。
閑話休題。夫がひどくこの鳥の香味焼きを気に入っていたので、今後いろいろレシピを調べて、材料がペルージャでも手に入るようであれば、うちで再現するべく挑戦してみたいと考えています。
トンカツは、イタリアで食べると、肉が薄くてがっかりすることが多いのですが、この店のトンカツは、肉が厚く、脂身も適度にあって、おいしかったです。
この日本料理店の現在のメニューと値段は、こちらのリンクからご覧になれます。
こんなふうに座布団の上に正座するというふうの部屋もありましたが、多くの部屋では、和風の障子やテーブルがありながら、椅子に座るように、楽に座って、食べられるようになっていました。
すてきな庭や日本の雰囲気を楽しみながら、友人たちとおいしい食事とおしゃべりを楽しむことができて、うれしかったです。
SAN SUI Japanese Garden Restaurant
Via Coletti 93/A - 47921 Rimini, Italia
Tel. : +39 0541081749
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Bellissimo giardino giapponese, nel laghetto carpe koi.
Ambiente ben curato & piatti giapponesi buoni.
Il ristorante si trova non in Giappone, ma a Rimini!
SAN SUI Japanese Garden Restaurant, Rimini (RN)
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ここは素敵でオシャレなお店と感じました。
>お皿やお椀を口に運ぶのが、イタリア料理ではマナー違反…。
そうなのですか!("▽"*)
これは勉強になりました。
辛口コメの天ぷらが気になりました。(^^)/
素敵な日本食レストランですね♪
生まれ育った国の食習慣の違いから
他国の料理にしても受け入れやすい物と理解できない物があったりして
そういう感じ方の違いを知るのは楽しいですよね!
お味噌汁はどうでしたか?
野菜の天ぷらってあげたては美味しいはずなのに、美味しさが伝わらず残念です。。
自国の料理をおいしいって言ってもらえるとやっぱり嬉しいですものね(o^▽^o)
ここがイタリアと思うと凄いです~
お値段も見させていただきましたが、良心的だと思いました(^-^)
海外旅行をしていると和食のお店の値段が気になり見つけるとメニュー値段をみますが、けっこう高価なことが多いです!
お庭も素晴らしいです、鯉が居るのも良いですね♡
皆様で楽しまれた様子が伝わるお写真ありがとうございます。
マナ―のお話、なるほど、そう言えばマナ―教室で習ったと思いました!
焼きとりの香味焼きも面白く読ませていただきました(*^_^*)
庭や雰囲気がすてきで、一歩足を踏み入れると、そこに和の空間が
広がっていました♪
今でもたまに、深皿を口元に運んで、夫に「それはいけないよ」
と目で怒られることがあります。
イタリアの人も揚げ物は好きで、野菜に衣をつけて揚げた品や
てんぷらは人気があるのですが、この日のてんぷらは、あまりにも
大きく野菜が切られていて食べにくかったためもあるのでしょうが、
驚くほど不評でした。
建物の様子を再現し、保っていること、すばらしいと思います。
鯉もたくさんいて、びっくりしました!
「取り」や「受け」について、皆からいろいろ質問されて答えたのですが、
帰って調べたら、香味焼きだったので、なるほどと驚きました。
母音の長さも、イタリアの人は母音の長短を聞き分けられないので、
イタリア人の日本語学習者は、作家とサッカーなどの違いが聞き分けられず、
それで間違って言葉を覚えたりもしがちなのですが、メニューに長音
表記がなかったので、「こうみ」とは思いつけませんdした。
イタリアの人が飲みやすいようにという工夫から、スプーンを添えてあったの
だと思います。みそ汁は、具は寂しかったですが、おいしかったです。
無料でサービスしてもらえたので、それでも、ありがたかったです。
てんぷらは、ふつうはイタリアの人も揚げ物は好きですし、人気があるのですが。
皆、おいしいと喜んでいてくれたので、わたしもうれしかったです♪