2018年 09月 29日
大天使ミカエルの洞窟へ聖ミケーレの日に、イタリア ラッツィオ
行き方を記した詳しい地図がインターネット上には見つからず、道路を走っても、案内表示に乏しいので、出発地点を見つけるまで、かなり苦労しましたが、洞窟を訪ねることができた上、思いがけない出会いもあって、行って本当によかったと思いました。
車道ではいっさい道案内を見かけなかったのですが、教えてもらった道をひたすら車で進むと、聞いていたように細い橋を渡ったところに、ここからが聖ミケーレの洞窟への入り口という案内看板や道案内の表示がありました。
朝ペルージャを出発したときには、とても寒かったのに、ラッツィオ州に向かうにつれて、日が高くなったこともあって、暑いほどになりました。そのため、洞窟への道は、緑に優しく包まれているところが多いので、助かりました。最後の最後に、高く幅の広い、白い岩壁が目前に現れ、その右手にある長い石の階段を上って、
聖ミケーレの洞窟の入り口に到着しました。残念ながら、入り口には鉄の扉があり、錠がかかっていて、中に入ることができない状態でした。冒頭の写真は、鉄の扉のすき間から、ズームを使って、撮影したものです。
洞窟や石の階段の周囲に、自生の秋咲きのシクラメンが咲いていて、きれいでした。
この写真は、石の階段を上りつめたところ、聖ミケーレの洞窟の前の踊り場から、先述の高く幅広い石壁を撮影したものです。洞窟に近いこの岩壁の奥の方には、かつて隠者たちが住み、祈りを捧げていたのだそうです。
このあと、さらに岩壁の下にある洞窟らしきものや隠者の住居らしきものを訪ねてから、岩壁前に木のテーブルとベンチがあったので、ベンチに座って、しばらく休みました。午後3時半頃、駐車場へと来た道を引き返していると、途中で、こちらへやって来る4人組に出会ったのですが、なんとそのうちの一人が、「もし洞窟に入りたいようであれば、わたしたちが鍵を持っているので、ご案内しますよ。」と声をかけてくれたではありませんか。
おかげで、思いがけず聖ミケーレの洞窟の中に入ることができて、とてもうれしかったです。長い石の階段を再び上りながら、話を聞くと、わたしたちが途中で見かけた案内には「4世紀の洞窟」と書かれていたのですが、それはあくまでも、古文書の記述から考えてそうではないかとされるだけの話で、もともとは、キリスト教以前、つまり4世紀よりもさらに昔に、古代サビーナの石と森の女神、ヴァクーナを祀っていた洞窟ではないかと、伝承では伝えられているそうです。女神のヴァクーナは、今年5月に訪ねたロッカンティーカのバラ園、Vacunae Rosaeの名前にも用いられていて、バラ園を訪ねたときにも、女神について聞いていたので、興味深かったです。
今でこそ、こんなふうに竜を退治する大天使ミカエルの壁画があり、聖ミケーレの洞窟として、キリスト教の信仰の場となっているのですが、かつてはこの洞窟の中に、女性像があったことからも、伝承が伝えるように、古代サビーナの時代から、洞窟がすでに存在したと考えられているようです。
以前は、鉄の扉も錠もなくて、人々が自由に洞窟を訪ねることができたそうなのですが、上述の女性像が持ち去られてしまったことをきっかけに、鉄扉が設置されたのだそうです。
洞窟の祭壇の奥の方は、こんなふうになっています。
ローマから来た旅行者が、村役場に電話をかけて、鍵を開けて洞窟内に入れるようにしてほしいと頼んだおかげで、帰り道にちょうどその一行に出会ったわたしたちも、聖ミケーレの洞窟に入ることができて、ありがたかったです。
案内をしてくれた二人は、聖ミケーレの洞窟を所有する村、モンテ・サン・ジョヴァンニ・イン・サビーナ(Monte San Giovanni in Sabina)の協会、Tancia Hostel Houseの会員の二人です。
このあと、二人の誘いに応じて、洞窟の入り口から車でリエーティ方面にしばらく向かった高台にある、緑に囲まれ、眺望のすばらしいホステル、Tancia Hostel Houseも、案内してもらいました。
機能し始めたばかりの新しいホステルは、13世紀の中世の建物を改築したもので、あらかじめ予約をすれば、今でもB&Bとしての利用は可能だそうです。外にバーベキューができる場所があり、いずれはバールや宿泊客への夕食の提供や馬の養育もしていきたいと考えているそうです。ホステルなので、ベッドはすべて2段ベッドで、トイレ・シャワーは共有です。大部屋もありますが、二段ベッドが一つだけ入った二人部屋もあり、今はまだいろいろ整備中でもあるため、シーツ・朝食付きの宿泊が一人あたり20ユーロと、お得な値段に設定されています。年15ユーロの会員料金を払えば、20ユーロのところを、何度でも15ユーロで泊まれるのだそうです。
近くに登ってみたい山や訪ねてみたい村、他の洞窟もあるので、いつかきっと利用してみたいと思っています。協会会員の人たちの、村の文化や自然をもっと多くの人に知ってもらえるように整備していこうという情熱が、話をしていて、ひしひしと感じられて、すばらしいなと思いました。
さて、わたしたちが無事に、聖ミケーレの洞窟へ歩いていくための出発地点を見つけることができたのは、ロッカンティーカのトラットリーア、Trattoria del Compareの店の方が、ていねいに地図まで書いて説明し、教えてくれたおかげです。今朝夫が見つけたオンライン情報では、出発地点はロッカンティーカの広場となっていて、「村人のだれに聞いても、行き方を教えてもらえるはずだ。」とのことだったのですが、山歩きをするような人に、天気のいい土曜の昼食の時間帯に、村で会える可能性は少なかろうと思い、今年5月にロッカンティーカのバラ園を訪ねたときに食べたトラットリーアの人が親切で、客にも登山者が多かったので、ここで昼食を食べて、洞窟への行き方を尋ねようと考えたのです。
今日はプリモとデザートだけ食べたのですが、このデザートが見た目も美しく、おいしかったです。
こうしていろんな人に助けられて、目的の大天使ミカエル、聖ミケーレの洞窟を訪ね、中にまで入ることができて、出会いもあり、充実した1日になりました。記事末の聖ミケーレの洞窟の参照リンクとしては、今朝夫が見つけたのとは違う、行き方や歴史的考察などがより詳しいオンライン記事へのリンクを付しています。
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Gotta di San Michele, Monte San Giovanni in Sabina (RI) 29/9/2018
Luogo suggestivo, pensano che fosse 'un luogo dedito alla dea Vacuna,
divinità Sabina delle acque e dei boschi' (cit. dal sito Sabina On Line).
Grazie all'associazione Tancia Hostel House, abbiamo potuto visitare
anche l'interno della grotta e il loro nuovo ostello in un posto panoramico.
Grazie al gentile proprietario della Trattoria del Compare di Roccantica,
abbiamo potuto trovare il sentiero per la Grotta di San Michele.
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Grotta di San Michele, Monte San Giovanni in Sabina (RI)
- Sabina On Line - La Grotta di San Michele
- Salutepiu.info - Il Santuario di San Michele Arcangelo al Monte Tancia
Tancia Hostel House
Località Casali Tancia - Monte San Giovanni in Sabina
Tel.: 328 287 4327
FB : Facebook - Tancia Hostel House
Trattoria del Compare
Via Piagge, 1 - Roccantica (RI)
Tel. : 0765 63583
Email: tratt.ilcompare@tiscali.it
Sito : Trattoria del Compare - HOME
FB : Facebook - Trattoria del Compare
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- 古の女神の森のバラの庭園、Vacunae Rosae / Roseto Vacunae Rosae, Roccantica (RI) (19/5/2018)
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洞窟までの道も、あまり詳しい表示がないというのは、大勢の方が押し寄せて自然が破壊されたりしてもいけないという配慮かもしれないな?となおこさんの記事を拝見しながら思いました!
ロッカンティーカの薔薇園の記事は、素晴らしかったので覚えています~(^^♪
トラットリーアの方に教えていただいたのは、以前もここを訪ねてどんな客層かも覚えていられたからなのですね!
美味しそうなデザートで食事も美味しいのだと想像出来ます♡
また眺めも良いレストランで素敵ですネ~☆
聖ミケーレの導きとしか思えないような出会いで、洞窟には入れて良かったですね(*^_^*)
記事にしてくださったので私も拝見出来て有りがたかったです(^^♪
今後、洞窟への道路や森の中での道案内や、訪ねるべきところを記した
地図の作成など、地域おこしのために、そして、自然や文化遺産を大切に
守り伝えていくために、いろいろと計画しているようで、今後はずっと整備
されていくことと思います。
わたしも女神ヴァクーナや聖ミケーレが導いてくれた出会いのように感じました♪
うれしいコメントを、こちらこそありがとうございます。
道しるべの乏しい山を2時間以上登らなければならなかったようなので、
道を教えてもらって助かりましたし、思いがけず、中にまで入ることが
できて、本当によかったです♪
キリスト教以前の古代文明の遺跡が、イタリアには各地にいろいろな形で
残っているんですよ。ペルージャの中心街を今も取り囲むエトルリア門も
その一つです。
深い歴史を持つ文化には、こんなにも素晴らしい遺産が残っているのですね!
直子さんの丁寧な解説と一緒に見学させて頂いて、
とても豊かな気持ちになりました。
途中で鍵を持った人達に出会われたのも、
単なる偶然とは思えません。
なおこさんのようにきちんと伝えてくれる人を
洞窟は待ちわびていたのではないでしょうか?
ホステルも歴史があって清潔で、とても素敵ですね✨
今はキリスト教の教会や聖地となっているところが、イタリア各地
にあって興味深いです。うれしいコメントをありがとうございます。
以前から、インスタグラムで他の人が載せている写真を見ていたので、
まさか中に入るのに鍵が必要とは思いも寄らず、土曜の午後だったので、
あきらめて帰る途中に、鍵を手にした一行に出会いました。
出会いって不思議ですね。わたしは、地域の歴史や文化・自然の遺産を
大切にしようという熱い夢を持つ若者に出会えて、心を打たれ、
若者たちは、わたしの記事を通して、その夢をより確かなものと感じて
くれたようで、お互いにいい出会いができたとうれしいです。
ホステル、いつかぜひ宿泊したいなと考えています。訪ねたい洞窟や村が
近くに他にもあり、登ってみたい山もあるんです。今は狩猟解禁中
なので、春まで待つことになりそうですが、楽しみです。