2018年 10月 03日
中世の粉挽き体験・窯見物、グッビオ中世祭り

会場には、中世の頃の暮らしや仕事を再現する展示が、まだ残っていて、説明も聞くことができました。
わたしたちが前を通りかかったときは、中世の衣装を身につけた奥に見える少女が、石臼を挽いていたのですが、夫が「ぼくも試しに回していいですか。」と尋ねると、「いいですよ。」と快諾してくれました。周囲には、小麦や大麦など、さまざまな穀物が少しずつ入った布袋が置かれています。粉物は食べるのも作るのも大好きで、古代小麦を麦粒から育てたり、その小麦をうちにある電動粉挽き機で挽いたりしたこともある夫は、うれしそうに石臼を回していました。

ちなみに、このとき石臼の中に入っていたのは、大麦だそうです。挽いてできた粉は、石臼の前から出て、前に置いてある木のマスの中に入っていきます。粉はこのあと、右手に置かれているふるいにかけて、殻を取り除いてから、調理に使っていたのだそうです。

会場には、こうしてできた粉を使って、パンやピアディーナなどの粉物を焼く小さな窯もありました。中世の絵に描かれていた窯を、再現したものだそうです。ひどく小さいのは、戦争で遠征する際に、楽に持ち運びができ、わずかな時間でパンを焼くことができたからだそうです。機動性や場所が取らないことを、最重視していたのでしょう。

当時の皿や、火をより燃え立たせるための道具などもあり、中世祭りの開催中には、実際にピアディーナのようなものを焼いてみることも、何度かあったようです。
夫は、窯の素材や、当時どんなものを焼いて食べていたかなどについて、あれこれと質問をしたのですが、中世の衣装を着た担当の人は、どんな質問にもていねいに、かつ的確に答えてくれました。

中世には、塩も砂糖もひどく高価で、今のように日々の暮らしの中で、調味料として用いることは少なかったとのことです。会場にはサトウキビ(canna da zucchero)や、当時サトウキビから砂糖を作るのに使われていた道具も展示されていました。農業にも関心のある夫は、砂糖の作り方よりもむしろ、サトウキビはイタリアでも育つのか、どこで手に入るのかなどという質問をしていました。

中世の食卓に並んでいた皿やコップ、果物やヤシを再現したと思われる展示もありました。

羊皮紙の作り方や写本の書写がどのように行われていたかを示す展示や実演もありました。

こんなふうに展示会場を訪ねて、あれこれ質問したり、説明を聞いたりするうちに、日が傾き始め、会場である修道院の鐘楼や壁が、夕日の色に染まり始めました。回廊では、他にも、顔料を使って絵を描く実演などもあったのですが、皆が展示を片づけ始めたため、別の会場に、まだ見ることが可能な中世の市場や展示があることを期待しながら、修道院を後にしました。

グッビオの中心街も、茜色に染まっています。山の上には、先日の記事で言及した聖ウバルド教会があり、山の頂付近に小さく見えています。中心街へと坂道を上り、昨年まで展示会場や市場があったところを訪ねてみようと、わたしは考えていたのですが、途中で太鼓の音が響き始め、夫が太鼓の音を気にしていたため、音が響く方へと向かっていたら、中世の衣装を着た人々の行列に出会ったのです。
そうこうしているうちに、空が暗くなり始めたために、展示会場を回るのはあきらめて、夕食を食べることにしたのでありました。
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Macinare l'orzo con la macina medievale
& fornetto a legna portatile medievale
al Festival del Medioevo a Gubbio (PG) 28/9/2018
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赤いジャンパースカートの下にスモックを合わせるなんてカワイイ(^^♪着てみたくなっちゃいます。
戦地へ持っていくポータブル窯、そんなのあったんですね~。
ついても、かなり詳しく説明してくれて、興味深かったです。
衣装の色や作りに注目されるところがさすがです。
そう言えば、何となくハイジの服にも似ているような。