2018年 10月 11日
近づく日本語能力試験 小2で学ぶN1・上級レベルの漢字
小学2年生で学ぶ160字の漢字を、日本語能力試験のレベル別に振り分け終えたのは、今日なのですが、表を作っていて驚きました。
小学2年で学ぶ漢字でありながら、外国人の日本語学習では、N1レベル、つまり上級で学ぶべきと考えられている漢字が、五つもあったからです。
この5字の中に、弓・矢・刀という古来の武器を表す3字が含まれているのもおもしろく、けれども、考えてみて、なるほどと思いました。日常生活や職場で必要とされたり頻出したりする言葉ではなく、確かに、歴史について読んだり、弓道や剣道の趣味を持っていたりする場合に、読める必要が生ずる言葉です。「汽」や「里」も、使われる漢字が限られていますし、たとえば、「汽車・汽船」の場合には、わざわざそう書かずに、電車・船で済んでしまう場合が多いように思います。
初級の授業で、「春が来た」の歌を教えることが多いわたしは、「里」という漢字がN1レベルとされていることに、驚きました。
写真は、9月末にグッビオで開催された中世祭りで、「十字軍の世界」として展示されていた、当時用いられていた武器などを撮影したものです。
N2レベル、つまり中級コースを終えるまでに身につけておくべきとされる漢字が約1000字で、日本の小学校6年間で習得するべき漢字が1006字なので、中級までに学ぶべき漢字と小学校の学習漢字はほぼ同じと考えてよかろうと、漠然と考えていたのに、小学2年ですでに、日本語学習では上級とされる漢字も学ぶべきとされていることに、驚きました。
日本語能力試験は、すべて選択肢から正解を選んで答えるようになっています。今日の授業では、日本語能力試験の公式サイトにある、N2の新しい問題例(リンクはこちら)から、漢字や語彙の問題を、いっしょに見てみました。
一つ目の漢字の問題自体は、下線が施された「貧しい」の読みを、「まずしい・きびしい・けわしい・はげしい」の中から一つ選べというものだったのですが、選択肢として出てきている他の形容詞の意味や漢字、使い方もしっかり学べるように、上のようなプリントを作成しました。「びんぼう」という言葉は知っていても、「まずしい」が正解だと分かるまでに、時間がかかったので驚きました。このあと、「貧」などの漢字については、『JLPT 日本語能力試験ターゲット1000 N2漢字 改訂版』を使って、読みやその漢字を使った言葉を押さえたのですが、「貧血」の「貧」を、「びん」と読んでしまっていました。
下にある例文は、上の四つの形容詞が入る文を、わたしが考えて作ったものです。3の「指導」や4の「暖房」の読みに苦労していましたので、形容詞の使い方や言葉の意味を学ぶと共に、こうした漢字・語彙も、文の中で身につけることができればと考えています。
皆、日本語だけを勉強すればいいわけではなく、仕事や大学での勉強が忙しい中、試験対策に頑張っているわけですから、大変です。そういうわけで、日々少しでも、学習意欲が持続して、かつ、力がついていくような授業をと心がけて、準備しています。
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Foto: Festival del Medioevo, Gubbio (PG) 28/9/2018
I seguenti tre kanji (caratteri cinesi utilizzati in giapponese) indicano le armi tradizionali;
弓 [yumi] = arco cfr. 弓道 [kyuudoo] =arte del tiro con l'arco
矢 [ya] = freccia
刀 [katana] = katana, spada.
Questi tre kanji si imparano alla seconda elementare in Giappone, ma sono considerati i caratteri cinesi per il livello avanzato per gli apprendenti stranieri del giapponese. L'ho scoperto, preparando i materiali didattici per i miei allievi e ne sono sopresa, ma è vero che non siano kanji frequentemente usati nella vita quotidiana.
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関連記事へのリンク
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日本語って 漢字って
難しいですねえ~(´-`).。oO
こうして じっくり取り組んでみると
英語の方が 簡単に思えますね。
昔はちゃんと覚えていたはずなのに
今では なかなか思い出せなくて
すぐ ひらかなで書いてしまいがちです。
でも 漢字って
それぞれに意味があって 楽しいですよね。
日本人は
自分の名前を英語に訳して 社名や マンション名に
することが多いですけれど
ブリジストン や サントリー など
近所でもパインリッチ (松富さん?) などのマンションがあります。
反対に 英語圏の方は 自分の名前を漢字で表現してもらうと喜ばれるそうですね。
今は成人して働いていますが、小5になるときにアメリカから帰国しました。
それまでは日本人家族が2組しかいなかったフェニックスでの生活だったので、
小学校は当然現地校でアメリカ人の子供達と一緒に通いました。
英語はアメリカ人並みに話し、書きますが、日本語はおぼつかない。
特に漢字に関しては帰国後ずーっと苦労していました。
未だに読めない、書けない漢字が多いのではないかと思います。
小学校から順次少しづつ時間をかけて習っていく漢字を一気に取り戻すのは無理が
あるようでした。しかも漢字には音読み訓読みがあり、熟語はさらに難しく
湯桶読み、重箱読みなど、音訓を取り混ぜしかも規則なく読まなければならない。
難しいことだと思いました。
主人の職業柄(元教師)ALTとして職場で働く外国人をたくさん見てきましたが、
やはり漢字でつまづく人がほとんどでした。平仮名片仮名までは行けても
漢字は難しいのでしょうね。
日本語を教えるのは大変なことだと思います。
頑張ってください。
6年間で少しずつ覚えていく漢字を、外国で日本語を学ぶ人たちは、
見慣れない漢字を早いペースで習得しなければいけないので、
大変です。
ブリジストンの話は、イタリアの人が皆、楽しそうに聞いてくれますよ♪
学んだ漢字を、突然日本語環境の中に放り込まれて、いろいろな
教科を勉強しなければならない中で、勉強しなければいけなかったとは、
大変だと思います。
今は帰国子女も外国から移民として来る人の子供たちも増えてきていますが、
それでも、そういう子供たちの日本語学習は、公立の学校ではまだまだ
のようだと、関係のサイトや記事を読んで感じています。当時はどんなにか
苦労されたことでしょう。
わたしも日本の高校に勤めていた頃、いろいろな国から来たJETの人と
日本語や英語でよく話をしましたが、漢字の勉強をしている人はまれで、
中に一人だけとても熱心で、漢字をコマにしたスクラブルを、厚紙などを
利用して作って、休み時間にいっしょに遊ぼうと、誘ってくれた人がいました。
励ましのお言葉、ありがとうございます♪