なおこのイタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

イタリア中部地震から2年、今も残る大きな爪痕

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 2016年10月末に、シビッリーニ山脈周辺のウンブリア、マルケの山村が、さらなる大地震に襲われて、大きな被害が出てから、2年が経過したため、最近は、テレビ番組や新聞などで、被災地の様子がしばしば取り上げられていました。被害があまりにも大きく、また、行政手続きがなかなか進まないために、残念ながら、今もなお居住不可能のままで、再建のめどさえ立たない住居や建物が大半のようです。

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Castelluccio di Norcia & Pian Grande, Norcia (PG) 31/8/2018

 わたしたちが今年8月31日に、カステッルッチョ・ディ・ノルチャを訪ねたときにも、シビッリーニ山脈の威容や、羊が放牧され、レンズマメの収穫が行われる様子こそ、以前のままであるものの、

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冒頭の写真に写ったカステッルッチョの村の部分だけ切り取ったこの写真を見ても、2年前の度重なる大地震がいかに大きな被害をもたらしたか、そして、まだ再建の動きが見られないことが、分かるかと思います。

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 村の中心街は今も危険区域とされ、立ち入り禁止となっています。住民や観光客のために食料などを売る露店が、大勢の人々が訪れた6月・7月に比べるとかなり少ないものの、広場にいくつか並んでいました。

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 ノルチャからカステッルッチョへの道路には、8月31日にも道路の復旧工事が終わっていない箇所がありました。そういう箇所には信号が設置されているのですが、7月に比べると、信号がある工事中の場所が、かなり少なくなっていました。

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 この日は2016年10月末の地震以来久しぶりに、マルケのヴィッソやカステルサンタンジェロ・スル・ネーラを通って、マルケ側からカステッルッチョに向かおうと考えていました。2年前の10月末の地震では、ネーラ川が流れる、この山中の美しい2村が、震源となって大打撃を受け、土砂崩れなどもあって、長い間、ヴィッソからカステッルッチョへの道路が通行禁止となっていたのですが、今年7月にマルケの知人から、その道路が週末は通行可能になったと聞いていました。

 8月31日は金曜日だったのですが、グーグルマップを見ると、ヴィッソからカステッルッチョへの道が通行可能となっていたので、ようやく平日も通れるようになったのだと思ったのです。ヴィッソに向かう途中にも、地震の被害の大きい村をいくつか通り抜けました。この写真の村もその一つです。

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 清らかにほとばしり流れるネーラ川とウッシタ川が合流する、緑と水の村、ヴィッソ(Visso)は、わたしと夫が大好きな村で、今も中世の町並みが残り、イタリアで最も美しい村の一つでもあります。

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 8月31日に訪ねると、残念ながらヴィッソも中心街は立ち入ることができず、崩れ落ちた壁があちこちにありました。

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 カステルサンタンジェロ(Castelsantangelo sul Nera)も、遠くからでも、あちこちに崩れ落ちた住居があるのが見えました。道路の復旧工事中だったのでしょうか、この日はこの先は通行禁止となっていたため、ヴィッソまで引き返し、ヴィッソからウンブリア州のノルチャへと向かい、ノルチャからカステッルッチョへと、山の斜面を登っていくことになりました。

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 ノルチャ(Norcia)も、2年前の10月の地震の際に、聖ベネデット教会が正面だけを残して崩れ落ちたほか、町の城壁や門、住居や店などに大きな被害があったのですが、地震1年後の昨年夏に訪ねたときに、中心街には入ることができた上、営業している店もいくつもあり、観光客もかなり見かけました。(詳しくはこちら

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 とは言え、居住不可能と見なされ、再建できずに営業ができない店がノルチャの中心街にもあるからでしょう、今年8月末に訪ねたときには、こんなふうに、城壁の外に、木造りの小さな仮の店舗がいくつも並んでいました。

 新聞記事によると(リンクはこちら)、2年前のイタリア中部地震の被災地で、居住不可能と判断された家屋のうち、修復が終わったのはわずかに0.5%で、約三千人もの人が住み慣れた山を去ったとのことです。

 わたしがかつて日本語を教えた生徒の中には、モデナ県出身で、授業があった2014年も、そして現在も、2012年のエミリア地震で家が崩れたために、高齢の親御さんが仮設住宅で暮らしているので心配だと、案じている人がいます。1997年の地震で大きな被害を受けたウンブリアの市町村の中には、ノチェーラ・ウンブラなど、地震から約15年経った数年前になって、ようやく再建工事が終わろうとしていたというところも、少なくありません。シビッリーニ山脈の周辺は、昔からずっと大きな地震が多い地域ですから、今度こそ地震に耐える安全な町づくり、家づくりが大切だとは十分に知りながらも、被災地の住居の修復や市町村の再建が早急に行われ、人々が住み慣れた村に戻って、かつてのように暮らしていくことができる日が一刻も早く来ることを願っています。

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Due anni dopo il Terremoto Centro Italia

Norcia, Visto, Castelsantangelo sul Nera il 31 agosto 2018.
Ancora zona rossa il centro di Castelluccio di Norcia,
case ed edifici rimasti crollati.
Nei Piani di Castelluccio si raccoglievano le lenticchie,
a Visso scorrono il fiume Nera e il torrente Ussita come prima.
Che anche i bei paesi terremotati tornino come prima del terremoto,
anzi molto più sicuri di prima al più presto possibile.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2018-11-01 19:27
なおこさん、地震で被害を受けた村や町の復興がまだまだ進んで無い様子にこころが傷みますね!
小さな村であればあるほど、後回しになってると言う感じでしょうか?
イタリアでもっとも綺麗な村が、残念なことですね!
1日も早い復興に向けての工事が進むことをお祈りいたしますm(__)m
愛媛の水害の街は、徐々に復興しているようです。
道路や電車が不通だったところはほぼ回復したようです!
地震の被害とは様子が違いますけれども・・・
Commented by milletti_naoko at 2018-11-01 23:07
アリスさん、ありがとうございます。1997年の地震の際は、
アッシジは国際的な支援もあり復旧が早かったのですが、山中の
小村は再建がひどく遅れてしまい、つい最近までかかっていました。
愛媛の水害の被害は、その後やボランティアの方の活動などの様子を、
かつての教え子たちの行動を通して追っていました。日本も最近は
各地で台風や地震など被害が相次いでいるので、どうか
被災地の方が早く通常の暮らしに戻れるよう、これ以上被害が拡大
しないように祈っています。

イタリアでのこの数日の水害も、これ以上被害が拡大しないよう、そして、
今後は平常時から、万一の大雨や暴風の際に備えた対策を想定しての対策が
取られることを願っています。
by milletti_naoko | 2018-10-31 23:11 | Notizie & Curiosita | Trackback | Comments(2)