2018年 11月 13日
夕焼けに月愛でし浜に深い霧、トラジメーノ湖


湖畔のいつもの店は、午後7時が開店なのですが、この日の日の入りは午後6時半頃でした。

日が沈む少し前に駐車場に到着し、駐車場から岸辺へと歩くと、傾く日の光に、空と湖がきれいな色をしています。

北の空と湖は赤く、桟橋の向こう、北の岸辺の手前に、マッジョーレ島が見えています。そして、その右手に、少し木の枝に隠れてはいますが、ミノーレ島も見えています。

青い空と白い雲が映る湖面と空を、茜色に染めながら、夕日が沈みました。開店までまだ時間があり、わたしたちが到着したときに、ちょうど店の人たちが食事中だったこともあって、夕焼けの岸辺を午後7時まで散歩していたら、三日月を見ることができたのでした。
その夕焼けと月がきれいだった夕べから1か月後の今日は、日の入りが、午後4時48分でした。職場から戻った夫が、今日は他に用事があって、オリーブ収穫に行かなかった上、わたしも夕方にあるはずだった授業が延期になったので、今日は、久しぶりにトラジメーノ湖に沈む夕日を見に行くことにしました。この数日、毎朝昼近くまで深い霧に覆われているペルージャも、昼には霧が晴れ、夕方には空が青かったのですが、トラジメーノ湖に近づくにつれて、霧が深くなり、夕日を見送るつもりだった北東の湖畔にあるトッリチェッラが、すっかり霧に覆われていたため、時計回りに湖の周囲を回ってみて、モンテ・デル・ラーゴや上述の店の周辺に、もし霧がないようであれば、そこで夕日が沈むのを見ることにしました。

ところが、モンテ・デル・ラーゴも、さらに少し南にある店の周辺も、深い霧に包まれていました。サン・フェリチャーノやサンタルカンジェロまで行けば、霧が晴れているかもしれないと夫は言ったのですが、そろそろ夕日が沈む時刻だからと、なじみのピザ屋の浜辺で、霧の湖を訪ねることにしました。このときたまたま、来春まで休業のピザ屋の経営者や給仕の人などが店の前にいたので、ひさしぶりにあいさつをして、おしゃべりをしました。そうして、店の人から、サン・フェリチャーノの中心街どころかサンタルカンジェロも含むトラジメーノ湖周辺地域一帯が、今日でもう3日間、朝から晩まで1日中霧に覆われているのだと聞きました。今日は昨日よりも、さらに霧が深いそうです。
店の人にあいさつをして岸辺に行くと、深い霧のために、ふだんなら見えているトラジメーノ湖の対岸、西の岸辺や、木の向こうに見えるはずの北の岸やマッジョーレ島、ミノーレ島が、まったく見えません。それどころか、湖の水さえ、桟橋の先端の方は、霧に霞んでしまっています。

霧さえ晴れていれば、きれいな夕焼けが見られるはずの岸辺は、深い霧に包まれていたのですが、桟橋の先端から岸辺を見やると、霧に覆われた木々が湖面に映る様子に、風情があります。

この数日は、ペルージャの我が家の周囲も、朝は深い霧の中で、先週土曜日にモンテファルコに行ったときも、アッシジやフォリンニョ周辺が霧に覆われ、日曜にトスカーナの山に向かったときも、あちこちで深い霧に出会いました。そうではあるのですが、まさかトラジメーノ湖の周囲が、ここまで深い霧に、しかも3日間覆われているとは思わなかったので、驚きました。
とは言え、枯葉が敷きつめられた向こうに、霧に霞んで桟橋や木々が見える様子にも、秋らしい情趣が感じられました。

岸辺の向こうに、いつもならよく見えている、すぐ近くにあるポルヴェーセ島が、今日はまったく見えませんでした。トラジメーノ湖の西の岸辺にある多くの村が属するマジョーネの町では、今晩から北西の風が吹き始め、明日から週末にかけてその風がどんどん強くなり、気温が下がっていくという予報が出ています。強い北西の風が吹くと、雲が吹き払われて空が晴れることが多いので、そのうちきっと、この深い霧も、北西の風が吹き飛ばしてくれるものと思います。きっとその北西の風で気温が下がるのでしょう、天気予報によると、来週火曜には最低気温が3度、最高気温が8度になるということなので、万一夕焼けを湖畔に見に行くことができても、寒さと北風で長居ができないかもしれません。
例年、秋と冬は、ただでさえ日の入りが早いので、湖まで夕日を見送りに行くのが難しい上に、天気が悪かったり、寒かったりするために、湖畔で夕焼けを愛でられる機会が少ないのですが、冬は空気が澄んでいるからか、雲が多くても、とびきり美しい夕焼けを見られたことが何度もあります。今年も残りあとわずかとなりましたが、年が終わるまでに、あと2、3度でいいから、またトラジメーノ湖で夕焼けを見ることができたらと願っています。
**************************************************************
Oggi la nebbia fitta,
un mese fa un bel tramonto
al Lago Trasimeno.
San Feliciano, Magione (PG)
**************************************************************


もやがかかってると残念というきがしないでもないけど、それはそれで、神秘的な感じがします~
推理小説に出てきそうな世界をありがとうございます(^^♪
夏時間から冬時間へ変わったので余計に、日が短く感じるヨ―ロッパの夕暮れ時ですね♪
霧の湖にも、おっしゃるように神秘的な雰囲気がありますよね。
数日間霧の中という湖畔に住む皆は大変だと思いますが、わたしたちは
めずらしい秋らしい風景が見られたと思っています。
こちらこそコメントをありがとうございます♪