2018年 11月 30日
ミジャーナのうちの秘めたる宝物
ペルージャでは数十年前に、山や農村から人々が町に移住して、小さな村が過疎化するようになり、40年前に、義父母や夫たちがミジャーナからペルージャに引っ越したときには、かつては人が大勢いた村に、二家族しか残っていなかったそうです。義母の兄、故・ドン・アンキーセが、それまで長い間ミジャーナの教会の教区司祭を務めていて、ドン・アンキーセや教会活動を支えるために、義父母はずっと教会に隣接する住宅で暮らし、他の多くの人々がミジャーナを去ったあとも、ミジャーナに住んでいたのです。
ドン・アンキーセがペルージャ郊外の教区を担当することになり、義父母一家もミジャーナを後にして、ペルージャに転居したのですが、家族と共に長年暮らしたミジャーナに特別な思いがあってのことでしょう、義父はミジャーナのこの家とオリーブ園を購入し、当時オリーブの木々を取り囲んでい雑木やいばらを取り除き、手入れをして、再びオリーブが収穫できるまでにしたのです。
こちらは8年前の5月、まだ改築を始める前のミジャーナの家の様子です。友人たちの当時はまだ小さかった子供たちが、今では成長したので、母である友人たちだけでミジャーナに来て宿泊ができるようになったのだと、今この写真を見て、改めて思いました。
閑話休題。ミジャーナのこの家こそ、わたしたちの結婚式を執り行ってくれたドン・ネッロ(1935-2008)が、少年時代を両親と共に過ごした家でした。わたしたちが結婚したのは2007年、ドン・ネッロが亡くなる1年前で、結婚式前に、式についてあれこれ話をするために、しばしばドン・ネッロを訪ねたのですが、あるとき、こんな話をしてくれました。
「ミジャーナの家の2階の壁に、少年だった頃絵を描いたんだ。今も残っているはずだよ。」
2011年に改築を始めるまでは、2階に上がるための階段や入り口がまったくないため、2階には行くことができませんでした。そのため、その絵はみるすべもなかったのですが、改築作業中に、ドン・ネッロから話に聞いていた絵が、今もきれいに残っているのが見つかりました。
高い山や白い雲の上、大空を翼を広げて飛ぶ鳥の絵です。
何十年も前に、将来画家となる少年が描いた、夢へと大きく羽ばたこうとしているかのようなこの絵が、夫もわたしもとても好きです。今になってこの話をするのは、
つい最近、専門家によるこの絵の修復作業が終わったところだからです。ドン・ネッロの絵は、壁の右手のくぼみにあります。今から約70年近くも前に描かれた絵である上に、左官屋による改築作業で傷んだ部分もあり、今こうして手を入れておかなければ、そう遠くないうちに、絵が崩れ落ちてしまったかもしれないとのことでした。
長く続いた改築作業中には、こんなふうに窓辺や机の上に、必要な道具がたくさん置かれていました。
温かく柔和な人柄で、多くの人々を助けていたドン・ネッロ、「遠く離れて生まれても、君たちは出会うべくして出会ったのだ」と結婚式で言ってくれたドン・ネッロ、その少年の頃の夢や、大自然、広がりが感じられる絵、数十年の間人目に触れることもなかった絵が、こうしてミジャーナのうちの2階の壁にあることをありがたく思い、この絵を、大切な宝物のように感じています。
こうした壁画は、保存するのには、生活の場である壁だから大変ですよね!
でも、それを修復して残すというのには、凄い意義があると思います(^^♪
おじさまの思いが伝わる絵、いついつまでも大切にされてくださいませ♡
私もいつの日か機会があればミジャ―ナを訪ねて、絵を見せていただきたいなあ~なんて思います♪
大空に羽ばたきたい、羽を広げてゆっくりと飛んでみたい。世界を見渡したい。
そんな気持ちがこもった絵のような気がします。
本当に宝物ですね。
naokoさんの周りには素敵な人がたくさんいらっしゃる。
幸せですね。
お世話になった神父さんが描かれたものなので、なおさらのこと。
いろいろな意味で時を超えてきたこの絵が、これからも時を超え続けて
くれますように♪ いつかアリスさんに見ていただける日が来ますように。
思わず見入ってしまいました♪
わたしたちも大好きな絵です♪