2019年 01月 02日
霧と猫 大聖堂にぼたん雪、ウルビーノ


今朝、リミニからウルビーノを目指して高速道路を南下すると、霧がどんどん深くなり、ペーザロで高速道路を下りて、ウルビーノに向かうと、途中から雨まで降り始めました。ウルビーノに着いた頃には、幸い雨はほとんどやんでいたのですが、町は霧に包まれ、ラファエロの像も、霧に霞んでいました。

ラファエロ生家の前を通る長い坂は、すでに通ったことがあるからと、夫が坂をそのまま下る代わりに、脇の小路を歩き始めました。

ウルビーノは、15世紀にフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ公の庇護のもと、ルネサンス文化が栄え、芸術の中心地の一つとなった町です。レンガ造りの町並みや宮殿が美しいウルビーノ歴史地区は、1998年に、ユネスコ世界遺産として登録されました。
曇天に雨と、写真でレンガ造りの町の魅力を伝えるのが難しい日ではありましたが、時々こんなふうに、絵になる猫に会うことができました。ウルビーノもまた、坂道や階段の多い町で、猫の向こうには、はるか下方まで下り坂が続いています。

つぼみでいっぱいの大きな椿の鉢の下で、くつろいでいる猫もいます。2匹とも、わたしが近づいても逃げもせず、近寄りもせず、自分の世界をじっと楽しんでいました。

初めての通り探しとばかりに、こんなふうに小路を歩くうちに、正午を過ぎ、気づくといつの間にか、雪が降り始めていました。

雪が降る寒い空の下に、ピンクのバラが一輪咲いています。

雪が降りやまず、歴史あるレンガの町の上に降り注ぐ様子がきれいで、

二人ではしゃぎながら、散歩を続けました。

時が経つにつれて、雪片が少しずつ大きくなっていきます。

大聖堂の前に着いた頃には、ぼたん雪になり、

大聖堂が降りしきる雪の向こうに霞んで見えるほどでした。

こんなみごとな初雪に、今日ウルビーノの町で出会えるとは思っていなかったので、うれしいと同時に、何だか夢の世界に入り込んだような不思議な気持ちがしました。
大聖堂は残念ながら、2016年にマルケやウンブリアを襲った大地震の頃から修復中とのことで、入ることができませんでした。このあと大聖堂のすぐ近くにあった観光案内所を訪ね、外に出たときには、雪が雨に変わっていました。今写真と撮影時刻を見てみると、雪が降っていたのは、約30分ほどの短い間だったようです。

小雨がぱらつく中、雨をしのぐためにも、見かけたレストラン二つに入って尋ねたのですが、どちらも満席でした。モンテフェルトロ家の宮殿だった美しいドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)の前を通り、ラファエロの生家がある長い坂を上り始めたところに、昼食も食べられるバールがあったので、そこで昼食を食べました。

食事を終えて店の外に出ると、雨がやみ、青空が見えていたので驚きました。下方にはまだ霧が見えますが、

長い坂を上ると、今度はラファエロの像の上に、青空が広がっています。「ラファエロも空が晴れて嬉しそうだね。」と夫が言いました。
このラファエロ像の近くに、宮殿や町並みが見渡せる眺めのいい場所があるのですが、「もう行ったことがあるし、今日は寒いから。」と、夫が言いましたし、まだ霧が完全には晴れていなかったので、駐車していた車の方へと急ぎました。
歴史あるレンガ造りの町で、思いがけず驚くほど大きな雪片の降る初雪に出会えて、うれしかったです。
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Fiocchi di neve grandi cadono sul Duomo,
bella la città di Urbino con neve e nebbia.
Simpatici i gatti incontrati nei suoi vicoli.
Urbino (PU) 2/1/2019
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新年あけましておめでとうございます。
イタリアの美しい自然、観光地の紹介や伝統文化、いまの実情にグルメなどガイド本よりも濃厚で^^、いつも楽しく読ませていただいています。(ため読みすることもしばしばですが^^;)
またいつかイタリアへ行けることを夢見て、今年もなおこさんのブログを楽しみにしています。
今年もどうぞよろしくお願いします。
ウルビーノはラファエロの生まれたところなのですね、知りませんでした。
イタリアの小さな街はひとつひとつに何かしら歴史があって小さな宝石のような街が数知れずありますね。
お勉強になります^^
雪の、、反応が面白かったでした。。そんなに?^^?
こういう雪なら大歓迎ですよね~(^_-)-☆
ウルビーノは、ラファエロの生まれた街なんですね~
何時の日か訪ねてみたいと今日のなおこさんのブログを拝見して思いました☆
寒い中咲いてる一輪の薔薇は美しいし、レンガ造りの街と猫ちゃんも可愛いなぁ~と癒されるお写真です♡
イタリア写真草子の記事、いつも興味深く、楽しく拝見して
います。昨年は、もう、日課になってしまいました。
日本ではあまり知られていないイタリアの風景や旧跡、本当
にワクワクです。今年も、すてきな記事を楽しみにして
います。 toshi
今年も素敵なイタリアの風景
ご家族の話題などで 楽しませて頂きますね。
ウルビーノの町
どこを切り取っても 絵になる美しい風景ですね。
ネコちゃんも ふかふかの毛並みで 可愛いですね。
新年明けましておめでとうございます。
温かいうれしいコメントをありがとうございます。
わたしものりーなさんのお庭や北海道の美しい自然など、
記事を楽しみに拝読しています。こちらこそ今年も
どうかよろしくお願い申し上げます。
ウルビーノは、2002年にわたしが初めてイタリアで留学し、
暮らした村、ウルバーニアに近いので、語学学校でも、
歴史や美術の授業でよく町や歴史について学びましたし、
当時、学校の旅行でも、村や学校の友人たちとのお出かけでも、
よく訪ねたのですが、それがブログを始める前で、当時はまだ
カメラがデジタルカメラではなかったこともあり、かえって
ご紹介が遅れていたかもしれません。
北海道では雪はよく降るので、こういう降り方も少なくないと
思うのですが、最近イタリアの、特にペルージャのようにアッペン
ニーニの西側にある町では、極寒の日が続いても、積雪の機会や量が
少ないのです。数週間前には、アッペンニーニの東にかなり雪が積もっ
たことを我が目でも見ましたし、聞いてもいたのですが、12月下旬に
暖かい日が続いて、高い山さえ雪がとけてしまい、新年初めは、たとえば
今日も明日もペルージャでは最低気温が氷点下4度、5度と低い予報が
出ているのですが、リミニはそれほど寒くなかったので、それほど遠くない
ウルビーノで、まさか雪が降るとは思いもしなかったのです。
のりーなさんに反応を楽しんでいただいてうれしいですし、コメントから
北海道との雪の量と積雪の機会の差を改めて感じました。
今年もどうかよろしくお願いします♪
ありがとうございます。温暖化のためもあって、
ちょうど雪が降っているとき、町に居合わせる機会が
めったにないので、降る様子が美しく、うれしかったです。
見えて、とても綺麗でした♪
昨日は天気が悪くて、町の魅力が写真でお伝えできて
いないのですが、宮殿も町もとても美しいんですよ。
ありがとうございます。わたしも寒い中、猫やバラに
励まされながら歩きました。
温かい、うれしいコメントをありがとうございます。
わたしもtoshiさんの日本の美しい山や湖、朝焼けや
夕焼けの風景を楽しみに拝見しています。遠く離れて
いるのに、白雪を抱く連峰に、紅葉の山など、日本と
イタリアの風景に、不思議に相通じるものがあるなと
いう不思議な感慨と共に。
絵筆を手に取って描かれるのんさんのお言葉なので、なおさら
うれしいです。
猫たちがのんびりと幸せそうで風景に溶け込んでいるのもいいな
と思いました。今年もどうかよろしくお願い申し上げます。