イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

雪山にあそびカステッルッチョへ

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 昨日の午後は、シビッリーニ山脈の南、アブルッツォ州・マルケ州方面から峠を越えて、カステッルッチョ・ディ・ノルチャに向かおうとしたのですが、峠、フォルカ・ディ・プレスタ(Forca di Presta、標高1540m)までは車で進めたものの、

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Forca di Presta, Arquata del Tronto (AP) 12/1/2019

峠を下り始めてすぐの道路に、雪が高く積もっている箇所があります。そこで、わたしたちは、他の登山客同様に、峠の駐車場に車を置いて、雪山を歩くことにしました。

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Monte Vettore, Arquata del Tronto (AP)

 峠の傍らに高くそびえる山は、シビッリーニ山脈(Monti Sibillini)で最も高い山、ヴェットーレ山(Monte Vettore、 2476m)です。

 登山靴に履き替え、登山用ゲートルをつけていると、このヴェットーレ山の斜面を登って、高みからカステッルッチョを見ようと、夫が言います。ご覧のように、ヴェットーレ山の斜面は急で、雪が深く積もり、歩きづらそうです。

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 峠からでも、奥の方にカステッルッチョの広大な高原が見えていて、グーグルマップには、カステッルッチョ・ディ・ノルチャまであと6kmという表示がありました。ゆるやかに山を下る車道を通ってカステッルッチョまで歩いて行きたいと、わたしは思ったのですが、夫にここまでかなりの長距離運転をしてもらっていたので、このときは反論しませんでした。
 
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 さて、わたしたちが雪山を歩く準備をしている間に、道路の雪が高く積もったところを進もうとして、雪の上に乗り上げてしまい、動けなくなってしまった車がありました。

 手助けを申し出た夫が、かなり長い間、車を動かそうと協力していたため、わたしは最初は、夫を待つ間にもう少し先まで歩けば、カステッルッチョが見えるところまで行けるのではないかと考えて、車道を下り始めたのですが、歩くうちに、車が動くようになれば、わたしがいるところまで夫が車に乗せてもらってやって来るだろうと思いついて、そのままカステッルッチョへと歩き続けることにしました。

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 そうして歩いていたら、後ろから歩いてやって来た夫に追いつかれました。動けなくなった車の人たちは、先には進まず、引き返すことにしたそうです。

 除雪車が通ったばかりで、車道にはわずかに柔らかな雪が残るばかりで、凍って足が滑るような場所は、ほとんどありません。わたしたちが歩いた1時間半余りの間、歩く人には数人出会いましたが、通った車は1台だけで、おかげで安心して歩くことができました。

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 まだだれも歩いたことのない真っ白な雪がきれいです。雪の上にストックで、漢字の「雪」という字を書いてみました。

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 ここまで来ると、夏には野の花が一面に咲いて美しい広大な高原を見晴らすことができます。このとき夫が、前方で作業にいそしむ除雪車2台に気づいて、教えてくれました。

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Castelluccio di Norcia, Norcia (PG)

 しばらく除雪作業を眺めていると、その間に、除雪車の脇を通って、わたしたちの傍らを通り過ぎ、峠へと進んで行った車が1台ありました。

 「除雪もしているし、あの車が向こうからここまで来られたなら、ぼくらも車でカステッルッチョやノルチャまで行けるはずだよ。」との夫の言葉で、峠まで来た道を引き返すことにしました。

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 夫が、空高くを飛ぶ大きな鳥を見つけて、「ほら、あそこだよ。」と教えてくれたのですが、近視のわたしには鳥を見つけることができませんでした。夫が頭を近づけていたのは、わたしが視線を向ける方向を確認するためです。

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 積もった雪の高さが、わたしよりも高いところさえあります。

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 沈みゆく太陽が山の端に近づくと、高原や雪山が、淡い金色を帯び始めました。

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 足の影も長くなったので、うれしくなって撮影しました。

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 そうこうしている間にも、夫が坂道を登っていくので、わたしも早足で後を追います。

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 日かげを歩くと、周囲が急に暗くなったので、思いついて調光レンズを入れた眼鏡をはずしてみました。レンズは黒に近い色をしていて、レンズを通して見るのと見ないのとでは、色がかなり違って見えます。

 こんなふうに、写真を撮ったり休んだり、遊んだりしながら、「下りはよいよい登りはつらい」山道を登って、峠まで戻りました。

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La mia ombra con le gambe lunghe
,
scrivere sulla neve 雪, la parola 'neve'
in lingua giapponese.
Bello giocare e camminare sui Sibillini innevati. 12/1/2019
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ムームー at 2019-01-14 10:27 x
なおこさん
おはようございます
雪山、こちらで見るのとちがって優しく
温かく包んでくれるような眺めですね
除雪車も通行してるのですね
雪山は学生時代に白馬にスキーに行ったきり
まじかで見たことがありません
影絵もいい感じですねぇ
Commented by ayayay0003 at 2019-01-14 10:52
なおこさん、夏季には、あのお花畑が広がっていた場所とは思えない一面の雪に感動しました~☆
こんな雪道を歩くのも想定しての山歩きだったのですね!
私は、お初で見させていただいたので驚きを隠せません!
ストックも持ってらっしゃるし、靴も登山用のすべり止めの付いたものだと推察していますが・・・
スイスの山の展望台で怖い思いをした私・・・、靴がイケなかったのですが・・・(普通のスニ―カ―だったから滑りました!怪我がなくてホッでした!)
除雪車が通ったばかりだと凍った道も大丈夫なのですね~
何よりも、周りの景色の素晴らしさに目を奪われます☆
見せていただいてありがとうございました(^_-)-☆
Commented by paradiso-norina at 2019-01-14 23:26
こんにちは!
まるで北海道にいるみたいですね^^
ずいぶんと深い雪になっているのでびっくりしました。
気温は何度くらいだったのでしょう~?
なおこさんはしっかりスキーウエアのような感じだからさぞ寒かったのでは?

結構上の方の道まで除雪してくれるのですね。
北海道の田舎は観光地か幹線道路か、住宅があるところ以外は除雪がはいらないです。

それにしても晴れた日のブルーと白のコントラストは素晴らしく別世界のようです。
夕景もロマンチックな色に染まって素敵でした。

Commented by milletti_naoko at 2019-01-15 04:09
ムームーさん、イタリアでは山の高みが、放牧のために草原となり
木々がほとんどない場合が少なくありません。今回歩いたのは
車道でもあり、坂もゆるやかで眺めがよく歩きやすかったです♪
雪にできる影、楽しかったです。ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2019-01-15 04:11
アリスさん、雪のカステッルッチョの高原を歩いたことは何度かあるのですが、
今回は除雪されたばかりの車道で、雪はあっても風が吹いて運んだもので、
とけて凍ったりしていなかったので、歩きやすかったです。

スイスの展望台でこわい思いをされたんですね! ご無事で何よりです。
凍った箇所がほとんどなかったので、大丈夫だったんですよ。
こちらこそ、うれしいコメントをありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2019-01-15 06:12
のりーなさん、こんばんは。わたしも札幌に住んでいた子供の頃を思い出しました。
雪も深いし、降ったばかりのように真っ白で、驚きました。気温は覚えていない
のですが、晴れていたからか最高気温は不思議と5度近くあったように思います。
雪の中を歩けるように防風防水の登山用ジャケットを着ていたのですが、幼い頃に
覚えがあるスキーウェアほどの防寒着ではなく、その代わり、下にいくつも重ね着を
していました。日も照っていたので、幸い思っていたほど寒さに苦しまずにすみました。

カステッルッチョは花盛りの夏も一面の雪に覆われる冬も観光地なので、イタリア中部
地震で多くの家屋が崩壊し、再建のめどが立つように見えない今も、除雪はされるのだと
思います。イタリア中部の州を結ぶ主要な通行路としての役割も、特に地震前にはありました。
ありがとうございます。日中も夕暮れどきも、眺めがすばらしくて、うれしかったです♪
Commented by snowdrop-nara at 2019-01-17 06:50
ストックで雪といふ字を書いてみる雛罌粟ねむる白き大地に

くれなゐのフードをかむる君こそが茎ほそながき雛罌粟の花

snowdrop拝
Commented by milletti_naoko at 2019-01-17 18:42
snowdrop-naraさん、美しい歌をありがとうございます。
ひなげしだなんて、ありがたくて恥ずかしくて、ストックで
雪に穴を掘って入らなければ。読みながらどきどきしました。
by milletti_naoko | 2019-01-13 23:45 | Umbria | Comments(8)