2019年 01月 16日
イタリア中部地震の爪痕の大きさ、ヴィッソの場合
シビッリーニ山脈の名は、もともと巫女、シュビッラ(Sibilla)が住む山があることに由来するのですが、ヴィッソの中心街には、ジェラートもお菓子もおいしいバール、シビッラがあり、2016年のイタリア中部大地震で、ヴィッソが大きな被害を受けるまでは、時々村を訪ねては、このバールで、甘い幸せなひとときを楽しんでいました。
昨年12月15日には、ノルチャ側からシビッリーニ山脈を登って、カステッルッチョを目指したものの、道路の凍結のために断念して山を下りました。高原のただ中にあるカステッルッチョは、現在も多くの建物が崩壊したままで、中心街は立ち入り禁止なのですが、山のふもとにあるノルチャは、教会や城壁を始め、崩れ落ちた建造物が少なくないものの、地震1年後の夏には、もう中心街には営業している店も多く、観光客も戻り始めていました。そこで、地震から2年以上経った今では、ヴィッソの中心街も訪ねることができるのではないか、あのバールにまた行けるのではないかと、ヴィッソに寄ってから、ペルージャに戻ることにしました。ところが、車道からの入り口には鉄柵が並び、徒歩でも通行止めになっています。
ヴィッソでは、ネーラ川とウッシタ川、清らかに勢いよく流れる二つの川が合流し、その合流付近に公園があります。
2年前の地震までは、この公園から、橋で川を渡って中心街に行くことができたのですが、この道も、まだ閉ざされていました。前方の家の窓や壁がところどころ崩れ落ちています。
教会が美しく、教会前には、イタリアで愛される詩人の一人、レオパルディの博物館もあり、おいしいレストランも多く、以前は中心街は、村の人や観光客、登山客でにぎわっていました。その頃を知るだけに、すっかり様変わりした村を見て、悲しくなりました。
雪山と沈んだばかりの夕日に赤らむ雲の眺めに慰められながら、駐車場へと戻りました。
駐車場近くに、こちらの池があって、池をのぞくとマスが泳いでいます。澄んだ水面が、対岸の木々を鏡のように映し出していて、とてもきれいでした。
地震からの再建が早く進み、被災地の人々が、愛する村や家に、穏やかな暮らしに、一刻も早く戻ることができますように。
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Visso, bel paese ai piedi dei Monti Sibillini,
paese con molte fontane dove si incontrano
il Nera e l'Ussita, entrambi limpidi e vivaci.
I fiumi sono ancora vivaci, i Sibillini maestosi,
ma dopo due anni dal Terremoto Centro Italia
il suo centro è ancora chiuso con le ferite aperte.
Visso (MC) 15/12/2018
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イタリア中部地震は、2016年8月と10月にありましたね。
私、10月の時には、ローマにいて、地下鉄もバスも止まってしまい、大変な目に遭いました。
2年以上経った今も、壊れた建物は、そのままだったり、立ち入りが出来ないところも残されているのですね。
1日も早く、人々の暮らしが元の通りに戻るとことを祈りたいですね。
日本では、今日は、阪神淡路大震災があった日で、24年目になります。
今年も、大きな地震があったし、そのうちもっと大きな地震が来ると言われているので、心配です。
いらっしゃったんですね。ご無事で何よりです。
イタリアでも各地で地震が発生していて、つい最近もイタリア時間1月15日
真夜中過ぎに、アドリア海岸の町、ラヴェンナでマグニチュード4.3の地震が
あり、その後規模が小さい揺れが再びあったそうです。小さな地震が続いた
あとに大きな地震が来ることがイタリアでは少なくありません。日本でも
イタリアでも、大地震が起こって甚大な被害をもたらすことのないよう祈っています。