2019年 01月 24日
美しい高原の村カステッルッチョ、イタリア中部地震2年後の現状
シビッリーニ山脈の2千メートル級の高峰に囲まれた村と高原は、冬には一面の雪に覆われることが多く、その美しい風景や雪山の散歩や登山を楽しみに、そして、特産物であるサラミやチーズを味わいに、来る人が多かったのです。写真は今年1月半ばに、雪のシビッリーニ山脈を訪ねたときに撮影したものです。この日も十数人の登山客に出会いました。除雪車が作業にいそしむ奥に見える丘の上の村が、カステッルッチョです。
2016年のイタリア中部地震で、村の多くの建物が崩壊してしまい、中心街には今も立ち入ることができません。先月と今月、雪のカステッルッチョを訪ねようとしたのですが、積雪量が多く、凍結や雪のために、遠くからしか見られなかったので、この写真は昨年8月末に撮影したものです。昨年10月末には、被災した建造物、7割の解体作業が終わり、残るは、かろうじて建っているものの大がかりな再建が必要な建造物ばかりで、今年4月半ばからは、ようやく住民たちが再建計画を提出できるようになるだろうとのことです。
カステッルッチョの特産物は、広大な高原で生産する上質のレンズマメです。そのおいしいレンズマメ畑を、例年6月末から7月初めにかけて、色とりどりの野の花が美しく彩るため、その高原を一目見よう、歩こう、撮影をしようと、イタリア各地ばかりではなく、外国からも、多くの観光客が訪れます。真っ赤なヒナゲシと青いヤグルマギクの他にも、ピンクや黄色のさまざまな野の花が咲き、この写真を撮影した昨年7月半ばは、カステッルッチョの中心街には入れないにも関わらず、多くの人々が花畑を訪ねていました。
中心街はまだ立ち入り禁止ですが、その入り口前の広場を中心に、食事をしたり、特産物を購入したりできる店や屋台が、夏にはたくさん並んでいました。村はずれにあるアグリトゥリズモでは、数か月前から旅行客を受け入れているそうです。
こちらは昨年12月半ばにカステッルッチョを訪ねようとして、断念したときの写真です。
A Castelluccio un mare di neve e ghiaccio - Foto - https://t.co/cxA3Gr3H5R https://t.co/fqMeW9G5oB
— Naoko Ishii (@naoko_perugia) 2019年1月24日
震災後3度目の冬を迎えるカステッルッチョでは、住民が暮らせる仮設住宅の設置がまだできていないために、仕事のために現地に残る人々は、地下のワイン貯蔵室やキャンピングカーに寝泊まりするのですが、雪が深く極寒であるために、冬の生活は特に寒さが厳しいとのことです。
ノルチャから山の斜面を登って、カステッルッチョへと行く峠の近くにある山小屋、Rifugio Perugiaは、かつてはカステッルッチョを訪れる人々が、食事を楽しみ、宿泊できる場所でした。この山小屋も、2016年のイタリア中部地震で崩れ落ちたままです。
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Castelluccio di Norcia due anni dopo il Terremoto Centro Italia
Suggestivi come sempre i suoi Piani e i Sibillini con neve in inverno
e con la fiorita in estate, ma ancora tanto attesa la sua ricostruzione.
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日本なら2年という月日がたてば、少なくとも中心街には入れるくらいにはなってるのではないかな?と思うのですが・・・
観光地であり、そこで生計を立てている住民もいる街ならば尚の事、1日も早い復興を願わずにはいられません!
ココに残られてる住民の方が冬の寒さを乗り切ってまた春の観光シーズンを無事に迎えられますことを願いますm(__)m
冬の寒さの厳しさや雪、被災状況の確認や解体作業など、再建に関わる機関が実際に
行動に移れるまでに必要な行政手続きの煩雑さや認可手続きまでに日数がかかりすぎる
ことなど、様々な要因で復興が遅れています。石造りの家は再建にかなり時間と費用が
かかるので、それはわたしもミジャーナの改築を見て、痛感しています。
ありがとうございます。わたしも早い復興を心から祈っています。いつまでも家屋が
崩れたままで中心街が立入禁止なので心配していたのですが、いろいろな記事を読むと、
それでも着実に再建には向かっているようで、ほっとしました。
まさにそういう場所だと思います。