2019年 01月 27日
思い出のパスタ求めて雪山へ、ワインの赤とポルチーニの香り
キタッラ(chitarra)は、イタリア語で楽器の「ギター」を意味するのですが、ギターのように木の枠に鋼鉄の弦を張った道具で切られたアブルッツォ特産のパスタも、やはりキタッラと言います。切り口が正方形に近い形をしていることが多く、ラーメンに似た歯ごたえと麺のこしがあるように思えて、好きなパスタです。アブルッツォのパスタですが、ウンブリア州やマルケ州でも、アブルッツォ州境に近い町では、メニューにあることがあり、キタッラの好きなわたしは、メニューに見つかれば、たいていキタッラを注文しています。ポルチーニとサルシッチャがふんだんに使われ、ズッキーニが彩りを添え、わずかながら唐辛子が辛みを添えていて、とてもおいしかったです。
夫が頼んだのは、4年前に初めて食べたときから、わたしたちのお気に入りのパスタです。サルナーノがあるマチェラータ県特産の赤ワイン、ヴェルナッチャを生地に練りこんで作ったタッリャテッレは、サンゴを思わせるような鮮やかな紅の色がきれいで、初めて見たときは、二人で感嘆しました。ポルチーニにサルシッチャ、トリュフも入っていて、味もとてもおいしかったのですが、パスタのメニューは日替わりなので、これまで行ったうち、6割ほどの確率でこのパスタがあったように覚えています。
写真のパスタの量がひどく多いのは、この写真は2週間前、1月12日に、二人ともこのパスタを注文したときに撮影したものだからです。数回この店でこのパスタを食べたうち、最初の2、3回はとてもおいしかったのですが、1月12日はどういうわけか塩が足りず、昨日は、夫はおいしいと言っていたのですが、わたしが味見した分は、逆に塩辛いように思いました。
パスタの量がとても多く、また、雪山を歩こうと考えていたので、わたしはプリモだけにしたのですが、夫はデザートも頼み、わたしも一口味見しました。生地とクリームがとてもおいしいので、びっくりしました。
昼食前に、正午過ぎまで、サルナーノ(Sarnano)の中心街を久しぶりに散歩しました。サルナーノは、イタリアで最も美しい村の一つで、村の高みからは、白雪を頂くシビッリーニ山脈(Monti Sibillini)の高峰が、きれいに見えました。
サルナーノもまた、2016年のイタリア中部地震の被災地です。カステッルッチョやヴィッソほどではないものの、中心街を歩いていると、改築や再建を待つ建造物がありました。わたしたちが食べた店、Le Clarisseも、サルナーノの中心街にあった店が、地震後は被害のために、村はずれのキャンプ場内に移転しています。
そろそろ中心街に店が戻っただろうかと、以前店があったところに行ってみると、
店の入り口に、現在の場所を知らせる英語の案内が張ってありました。
現在店があるキャンプ場は、さらにシビッリーニ山脈に近いので、駐車場からは、雪山が迫って見えます。今は、店が中心街にないので不便ですが、以前と違って、予約をしないと週末は満席で入れないということがなく、思いついてふらっと行っても、早い時間帯であれば食べられるので助かります。
暖炉の上にビール瓶を並べ、ラベルのアルファベットで店名を表しているのが、おもしろいなと思いました。
こちらは、昨夕シビッリーニ山脈からペルージャへと車で帰る途中、車内から撮影した写真で、左にシビリーニ山脈、右にサルナーノの村が写っています。
サルナーノは、わたしたちのうちから車で115km、約1時間半と遠方にあり、サルナーノを通ってシビッリーニ山脈に行こうとすると、かなりの遠回りになるという印象があったのですが、この店のパスタがおいしく、そして、一面の銀世界の中を車で進むと心が躍り、間近にシビッリーニ山脈が迫るからか、2週間前も昨日も、夫がサルナーノで食べてからシビッリーニ山脈を歩くことを提案しました。2週間前は、ヴィッソからカステッルッチョへの道が閉ざされていることを、ドライブ中に知ったためやむなくだったのですが、昨日は、朝ヴィッソの村役場に電話して、通行止めであることが分かっていたのに、直前まで、ウンブリアのノルチャからカステッルッチョを目指そうかと迷い、土壇場でサルナーノ経由と決めたのです。かなり遠回りをしたのではないかと考えていたのですが、今調べてみると、ノルチャへもうちからは、車で103km、1時間20分と遠いので、確かにそれならば、カステッルッチョへは行けませんでしたが、サルナーノを通った方が、山の眺めや雪景色を存分に楽しめたように、今は思います。
中心街に店があった頃は、いつ行って何を食べてもおいしかったのに、キャンプ場に移転してからは、客が減ったためか、おいしいときとそうでない場合があるのが残念なのですが、今でもやはりお気に入りの店です。
*追記(1月28日): 気になって、記事を書いた翌日、初めて訪ねたときの記事を探してみました。2015年2月なので、4年前だったと分かり、記事に「数年前」と書いていたのを、「4年前」と訂正しました。当時は「約2時間かかった」とあり、あの頃は、高速道路のトンネルがまだ貫通していなかったために、渓谷のカーブの多い道を進まなければいけなかったので、今より30分時間がかかり、そのために今も「とても遠い」という印象があるのだと思います。過去記事を読み直して、一度前もって予約して、あの豪華ポルチーニスープをもう一度食べたいなと思いました。記事末にリンクを追加しましたので、興味がおありの方は、ぜひお読みください。
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Buona la chitarra con porcini, salsicce e zucchine,
in rosso corallo le tagliatelle alla vernaccia,
bella la vista dei Monti Sibillini con neve.
Ristorante Le Clarisse, Sarnano (MC) 26/1/2019
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Le Clarisse Ristorante
Via G. Mazzini, 240 - 62028 Sarnano (MC)
Tel. : 345 4959389
Sito: Le Clarisse Ristorante Pizzeria Bar - HOME
FB : Facebook - Le Clarisse Ristorante
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- 山の幸、ワインもおいしいレストラン / Bella e buona Pasta impastata con Vernaccia (21/2/2015)
とても素敵ですね~
暖炉の火も 暖かそう。。。
ギターという意味のパスタは
初めて聞きました。
ギター弾きの人に教えてあげましょう~(^^)
日本でも売られているかも。
こちらも2016年の地震で中心街のお店は、今も郊外?で営業中なのですね!
赤い色のパスタは、赤ワインの色ですか?色鮮やかで食欲を誘いますね☆
ポルチーニ入りのパスタは、イタリア旅では、1度は食べたいので、フリ―食の時は食べてると思います~♡
サルシッチャも食べ慣れたので何となく想像出来る味かな(・・?
イタリア旅でパスタの味は、とびきり美味しい時と、ひどく塩辛い時が有り、どうしてなのかな?と思いますが、やはりパスタを茹でる時のお湯に対するお塩の量がきちんと計量されているかどうか?じゃないのかな?と想像してます!
キタッラというパスタ、何となくどこかでいただいた記憶が有ります~私も好きな種類のパスタです♡
雪山が迫る下から3枚目のお写真凄く素敵で癒されます(*^_^*)
サルナーノという街もイタリア中部地震の被害に遭っているんですね。
でも、場所は変わっても、こうしてお店を頑張ってやっているのを
みると応援したくなりますね。
キタッラというパスタは、私たち夫婦が時々行く
大阪のイタリアンレストランのメニューにあって
何回か食べたことがあります。
道具をお客さまのところまで持ってきて、そこで
麺をカットしてくれるんですよ。
なおこさんのパスタ、とっても美味しそうです。
ご主人さまの食べたタッリャテッレ、色鮮やかですね。
これは初めて見ました。
赤ワインというと、もっと葡萄色を想像してしまいます。
これは、日本ではというか、私たちが行くレストランでも
見たことがないです。
麺は、ワインの香りとかするのでしょうか?
それにしても量がたっぷりですね。
青空に雪山が綺麗ですね!!
食べて、キャンプ場に宿泊したときは、夕食のときに、ちょうど
大人数の警察の人たちの食事会もあって、かなり混み合っていました。
地元などのなじみの客が多いので、郊外でも営業が成り立つのでしょう。
ポルチーニを十分に味わうには、ポルチーニとオリーブオイルと
パセリだけのパスタがいいのですが、この店のパスタは、サルシッチャが
入っていても、肉とキノコがうまくお互いの味を引き立てていて、
おいしいので好きなんです。
塩辛かったのは、この店では今回が初めてですが、他の店でもたまに
あります。風邪を引いていて味が分からなかったのかしらと言いながら、
ペルージャ中心街でお客さんといっしょに豆スープを食べたことも、
そう言えばありました。
ありがとうございます。そんなふうに感じてくださったと知って、
うれしいです♪
知ってから、もう何度か訪ねているんですよ。地震の被害もあって、
例年に比べて、冬は特に旅行客が少ないものの、それでも先々週も
土曜も、正午過ぎに行ったにも関わらず、他にも客がいました。
あら、なんと大阪のレストランのメニューにもあって、道具を使って
目の前で切ってくれるんですね! いいですね。わたしもぜひ見て
みたいです。パスタ、とてもおいしかったです♪
この色の鮮やかさに、初めて店を訪ねたとき感嘆しました。ポルチーニ
たっぷりのスープにもですが、あの感動とおいしさが忘れられずに、
きっとこのあたりを訪ねるときは、つい食べてみたくなるのだと思います。
麺は、個性と香りの強い具といっしょに料理してあるためもあって、
ワインの香りは感じなかったように思います。雪山の眺めに感動しました♪