2019年 01月 28日
あつあつリンゴは祖母の味
夫を観察していると、オーブン用の深皿に、リンゴを丸ごと二つ置き、ヘタがあるくぼみに黒砂糖を入れて、シナモンをふりかけ、深皿に少し水を入れてから、180度に温めておいたオーブンに入れ、約20分加熱し、取り出したほかほかのリンゴを、こんなふうに一つずつ茶碗に入れていました。
栄養をきちんと摂取するには、生で食べるのがいいし、加熱の温度もそれほど高すぎないようにと、事あるごとに言う夫が、生でもおいしく食べられるリンゴを、オーブンで加熱しようとしたことに、わたしは最初、抵抗があったのですが、昨日は天気も悪くひどく寒い日で、体も温まるからいいかと思い直しました。
びっくりするほど熱いリンゴを、息を吹いて冷ましながら食べました。焼いたパイやケーキの中のリンゴは、ほんのり酸味があって甘い独特の味がするのですが、その風味をシナモンが引き立てていました。夫が見ていないすきをねらって、黒砂糖をさらに少しふりかけたら、おいしく食べられました。リンゴが大きく、また、昼食にたくさん食べていたため、リンゴを食べ終えると、満腹になりました。
夫がまだ幼くて、義父母が夫の祖母と共に暮らしていた頃、祖母が、燃え盛る薪ストーブの火力を利用して、よくこうしてあつあつリンゴを作って、食べていたのだそうです。幼い頃は、おばあさんに作ってもらい、物心ついてからは、皆が薪ストーブを囲んでいるときに、両親が作ってくれたんだという夫の話を聞きながら、そうすると、このほかほかリンゴは、夫にとっては思い出もいっぱいの懐かしい味なのだなと思いました。オーブンで焼いてはいるけれども、オーブン皿に入った水で蒸してもいるので、焼きリンゴと呼んでいいものか、蒸しリンゴと言えばいいものか、困るところです。イタリア語では、mela cotta、「火を通した、調理したリンゴ」と言います。cottaは「コッタ」と発音します。発音が似ているからか、夫は、「はっけよい のこった のこった」の、「のこった のこった」の音の響きが気に入っているようで、わたしが料理について話していて、cottaと口にすると、「のこった のこった」とうれしそうに言い出す時が、時々あります。
********************************************************************************************************************************
Mele cotte, calde e buone nella notte d'inverno
Le ha fatte mio marito al forno e mi ha raccontato i ricordi di sua nonna che le faceva spesso nella stufa a legna.
'Mela cotta' - quando mi capita di dire la parola, 'cotta', mio marito spesso dice le parole giapponesi, 'nokotta nokotta' con l'aria divertita. Sono le parole pronunciate dall'arbitro di sumo all'inizio della gara di sumo e sì, la pronuncia di 'cotta' è simile a quella di 'nokotta'.
********************************************************************************************************************************
蒸し焼きのりんごですね。しかもかつては残り火を利用したお祖母様の料理だったとは・・・おいしそう~~(^o^)
りんごを調理することは少ないのですが、シナモン・黒砂糖を使ったら味が引き立ちそうですね。
ご主人のお祖母様からの伝統。ステキですね。
焼きりんご?蒸しりんご?美味しそうです。
私は、りんごは生で食べるのが基本好きです。
でも、アップルパイやケーキに入れるのは、大丈夫なのですが、
どうも、焼きりんごは昔から苦手でした。
ご主人さまにとっては、これはおばあさまやご両親の思い出の味なのですね。
イタリアのりんごのお菓子といえば、夫がイタリアンを
習いに行っていた時に「ファゴッティーノ」というのを作ってくれたことがあります。
パイ側にアーモンドクリームとカスタードを乗せ、
そこにりんごと干し葡萄をバターで炒めたものを乗せて、
包み、オーブンで焼いたものです。
このお菓子、ご存知ですか?
2種類のクリームのハーモニーと甘酸っぱいりんごとが
合ってとても美味しいお菓子なんですよ。
ご主人さまの「のこった、のこった」お面白いですね。
国が違っていなくても、皆さんそれぞれの家庭の味とか習慣があると思います!
それを一緒に美味しいと感じて食べてくれる人がいるって幸せなことだと感じました❤
いいんですよね。リンゴをまるごと調理するのは不思議な気がしますが、
夫によると、義父母も時々手早く仕上げるために、幾片かに切って、
鍋で作って食べることがあるそうです。
思い出を聞きながら食べると、その思い出も共有しながら食べるようで、
おいしかったです♪
わたしもリンゴは生で食べるのが好きなので、そういう食べ方が
イタリアにあるとは知っていたのですが、試したことがありませんでした。
昨晩は寒かったので、夫は昔、家族で薪ストーブを囲んでいたときに、
こんなふうにリンゴを蒸し焼きにして食べたことを、懐かしく思い出したのでは
ないかと思います。だんなさま、イタリア料理を学ばれたんですね!
リンゴは加熱すると酸味があるので、甘いカスタードや葡萄といっしょだと
よく合って、おいしいことでしょうね。初めて知りました。
「のこった のこった」、聞くたびについ笑ってしまいます。
フライパンをかざして栗を焼いたり、薪ストーブでリンゴを蒸し焼きに
したりしていたようで、夫が大きな重い専用のフライパンで栗を焼いたり、
こうしてリンゴを料理したりするときには、その思い出も懐かしんでいるの
ではないかと思います。その思い出と味を分かち合えて、うれしかったです♪