イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

花粉症イトスギ・ハシバミご用心、イタリア

 数日前から目のかゆみを感じることが時々あったのですが、昨晩あたりから目のかゆみが増し、今朝は鼻にもかゆみがあって、くしゃみと鼻水に困りました。ペルージャには、もう花粉症(allergia ai pollini)の時期が到来したようです。

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Perugia 25/1/2019 17:08

 イタリアではこんなふうに、庭や公園、墓地、地方の大きな館などの周囲に、イトスギ(cipresso)やその並木が植わっている場合が少なくありません。

 イトスギ並木の風景は、こんなふうに絵になって美しいのですが、けれども、

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Calendario pollinico di Perugia (pollnet.it)

イトスギはイタリアで、その花粉が花粉症を引き起こす木の一つでもあります。

 ウンブリアのペルージャ県では、このイトスギ(cipresso)をはじめとするヒノキ科(Cupressaceae)の木の花粉が、例年1月末から4月初めにかけての長期間にわたって大量に飛散し、花粉の大気中の濃度が高い時期が続くことが観測されています。よく写真でご紹介する夕日の丘にイトスギ並木があるばかりでなく、我が家の周囲には、うちも含めて、庭にイトスギのある家が多いため、最近になって、わたしの花粉症の症状が悪化したのは、イトスギの花粉が飛散し始めたためであると確信しています。

 実際、1月の末から2月にかけて、町や野山を散歩していて、花粉をふりまく準備が整った、あるいは花粉が飛散しているイトスギやハシバミ、シデの木を見かけたことが、これまでに何度もあります。

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Migiana di Monte Tezio, Perugia 9/2/2019

 実のヘーゼルナッツ(nocciola)がおいしいセイヨウハシバミの木(nocciolo)も、イタリア中部では、よく庭や川辺に生えています。ラッツィオ州ヴィテルボ県のボルセーナ湖周辺はヘーゼルナッツの産地で、かつて訪ねた古代エトルリア遺跡や宿泊した宿の庭にもハシバミの木があり、2月半ばに目がかゆく、くしゃみが止まらないので、つらい思いをしたことがあります。

 これは、土曜にガイドについてテッツィオ山を歩いたとき、見かけたハシバミの木です。黄色い雄花がもうできていたのですが、幸いまだ花粉は飛んでいなかったようで、近くを通っても何ともありませんでした。町や山を歩いていて、ハシバミ亜科(Corylaceae)であるハシバミやシデ(carpine、carpino)のこんな風体の黄色い雄花を見かけると、花粉が周囲に飛散している場合が多いので、できるだけ距離を置いて歩くようにしています。

 もうかなり長い間、ステロイド系の薬剤を避け、花粉症を、食事療法を薬草療法で乗り切ってきています。薬草学の専門家の先生や薬草専門店の人にも聞き、一番いいのは、クロスグリの芽の液(gemmoderivato di ribes nero)とのことなので、長年服用しています。最近ではその中でも、特に効果が高いというDr. Giorgini Ribes Nero Gemmoderivatoを買うようにしています。イタリアでは残念ながら、薬草療法の薬は税金控除の対象とならないのですが、それでも、クロスグリの芽の液は、副作用がいっさいなく、免疫力を高める効果もあるそうなので、健康のためにと愛用しています。本当は、十分に効果を得るには、花粉が飛散を始める2、3か月前から服用を始めなければいけないのに、花粉飛散時期は、遅いと3月になることもあるからと、つい先延ばしにして、最近になって飲み始めたばかりです。

 クロスグリの芽の液と共に、数年前から、花粉症の時期には、できるだけ次の食事療法も並行して行なっています。(詳しくはこちら

 解毒をし、腸をきれいにするために、毎日カフェインなしの水・飲み物を1.5~2リットル飲み、午前中は正午までは固形分を取らず、小断食をする。さらに、アレルギー症状を緩和するために、以下の食品を避ける。
・牛乳および乳製品
・サルシッチャやサラミ、モルタデッラ、コッパ、ザンポーニ、ウィンナーなど。イタリア語でinsaccatiと呼ばれる、豚のひき肉を腸詰めして作った食品。
・白砂糖
・アルコール
・揚げ物

 わたしは日本では、杉の花粉のために、駐車場に置いていた車のフロントガラスが、数時間で黄色くなってしまうほど、杉林に近い学校で教えていた頃に、花粉症の症状が出始めたのですが、日本では、アレルギー性結膜炎で、目がかゆく赤くなるという目の症状だけで済んでいました。くしゃみや鼻水、微熱など、他の症状も出るようになったのはイタリアに来てからで、ひょっとしたら、イタリアに移住し、特にイタリア人の夫と暮らし始めてからは、朝食に甘いものを食べたり、チーズの摂取量が増えたりと、アレルギー症状を悪化させがちな食品を、以前に比べて多く取るようになったからかもしれません。

 ワインを飲んだり、生クリームなどを食べたりすると、明らかに花粉症の症状の悪化を感じることも少なくないので、特に、花粉の飛散量の多い朝9時から午後5時までの間に、外出しなければいけないようなときは、そういうものを口にしないように気をつけています。

関連記事へのリンク
- 花粉情報、イタリア&ウンブリア (2012/3/13)
- 節制で花粉に負けず減量も (2014/1/13)

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Belli i filari di cipressi sul colle al tramonto.

Ora però i loro pollini hanno iniziato a volare
e sono iniziati anche i miei sintomi dell'allergia ai pollini.
Sabato a Migiana abbiamo visto anche un nocciolo
quasi pronto a diffondere i pollini.
Dunque, cercherò di evitare latte, latticini, insaccati,
zucchero bianco, alcol e fritti per alleviare i sintomi.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by otenbasenior at 2019-02-12 13:48
私も花粉症に悩む一人です。
以前ダラスに住んだ時から重症になり20年来、スプレー型の薬を取り続けて来ました。
黒すぐりが効くのでしたら試してみたいです。
チーズが大好きですがその時期だけなら我慢できそうです。
良い情報有難うございます。
Commented by ayayay0003 at 2019-02-12 17:20
なおこさん、花粉症の時期がやって来ました!
薬草で毎年乗り切っているなおこさん、素晴らしいといつも思います☆
ステロイドは、一時的には、効いても、副作用があるから
出来たら使用しない方が良いですね!!
甘い物、お肉、乳製品を制限するのは、ちょっとつらいけど
花粉の間くらいは、断つのも身体のためには、良さそうですね~(^_-)-☆
私は、目立って花粉症の症状は、ないものの
昨秋、アレルギー性鼻炎の軽いのになり治ったものの
花粉症も気をつけようと思います!
Commented by milletti_naoko at 2019-02-12 19:31
お転婆シニアさんも、花粉症に苦しまれているんですね。
わたしもイタリアに来た頃は、スプレー型の薬を使っていました。
クロスグリの実ではなく、芽を主成分とする液に効果があるのですが、
英語ではbud extractというようです。最近、イタリアでは、この
植物の芽の液の効用の大きさと副作用のなさから、それを健康により
活かすための研究がかなり進んでいるようで、町の薬草専門店(erboristeria)
でも、たいていの店には、様々な植物の芽を使った液が売られています。
どうかお転婆シニアさんの花粉症の症状が、少しでも和らぎますように。
Commented by milletti_naoko at 2019-02-12 19:35
アリスさん、ありがとうございます。
夫や友人たちと外出するときは難しいのですが、自分が
楽に過ごすために、気をつけていきたいと考えています。
甘いものとアルコールを避けると、減量にも役に立ってくれそうですが、
できるかなできるかな。
アリスさんも軽い鼻炎に苦しまれたんですね!
どうかお大事にお過ごしくださいね。
by milletti_naoko | 2019-02-11 21:46 | Salute | Comments(4)