イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

グッビオに沈む夕日とびっくり危険防止対策

 今日は夕方、中心広場から沈む夕日を見送れるようにと、急ぎ足でグッビオ(Gubbio)の中心街を、コンソリ宮殿(Palazzo dei Consoli)前の広場、Piazza Grandeに向かいました。

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Palazzo dei Consoli al tramonto, Gubbio (PG) 23/2/2019

 高い建物が並んでいるので、夕日がいつ沈んでしまうか分からず、はらはらしながら広場を目指しました。広場に近づくと、西向きの壁が赤く染まっています。

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 若干余裕を持って、広場に到着することができたので、広場を歩き回って、一番きれいに風景を撮影できそうな場所に陣取りました。山の向こうに沈みはしても、まだ太陽の位置がそれほど低くないため、空も夕日も明るい色をしています。

  夕日がグッビオの美しい町並みに光を投げかけながら、沈んでいく様子を、夫と二人見送ることができて、うれしかったです。

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 今日は夕日を見送る場所を選んで歩いていたときに、広場脇の塀の上が、鉄釘をびっしりと埋め込んだような鉄の板で覆われているのを見て、驚きました。

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 日が沈んだあたりの山ぎわが、オレンジ色の光を浴びてきました。

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 今日のウンブリアでは、北西からの激しい風が1日中吹いていました。夕日を見送って、さらに西に向かおうとすると、冷たい北風が正面から吹いてきて、寒かったので、駐車場へと引き返すことにしました。低い建物の屋根の上に、たそがれた空と紫がかったピンク色の雲が見えています。

 今日は午後、用事があって、グッビオ近郊に行かなければいけませんでした。用事を済ませたあと、夫がグッビオに寄って、コンソリ宮殿の前から夕日を見ようと言ったのですが、天気予報では、グッビオはウンブリアの中でもことさら暴風の勢いが激しい上に、最高気温でさえわずかながら氷点下と、ひどく寒いということだったので、わたしは難色を示しました。結局その後、夫が道案内を見て、行きたいと思った教会を訪ねようとしたら、その道が遠回りをしてグッビオに行く道で、グッビオから夕日を見送ることになったのですが、いつもとは違う方向からグッビオに着いたおかげで、ちょうど山と建物が北風を防いでくれる道を歩くことができて、散歩も夕日も予想以上に楽しむことができました。

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1/10/2017

 まだ鉄釘の板がなかったときの塀の写真をと探していたら、この2017年10月の写真が見つかりました。

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 コンソリ宮殿内は、市立博物館になっているのですが、この日はちょうど館内で、拷問・処刑道具の展示が行われていて、入り口にこちらの鉄釘があちこちから突き出ている拷問椅子が置かれていました。それで、今日この鉄釘びっしりの板を見たとき、わたしはつい拷問道具を連想してしまいました。

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 閑話休題。以前は、塀の上が平らな石の面だったので、塀の上にひじをついて、こんな風に塀の向こうの風景を撮影することができました。今は鉄釘のおかげで、こんなふうに身を乗り出すことができないので、背の低いわたしが塀の向こうの風景を楽しむには、広場の隅まで行かなければいけません。

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 問題は、鉄釘の板がなかった頃は、危険だと禁止されているのに、塀の上に座ったり、立ったり、あるいはそれ以上に危ない行為をする旅行客や地元の人がいたことです。

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28/9/2018

 と言うのも、この塀の下は、はるか下方に車も通る道路があり、万一落ちれば、本人にも下を通る人や車にとっても命の危険があるからです。

 5月15日の町を挙げてのロウソク祭りのときには、隙間もないほどにこの広場が人でいっぱいになります。そういう人が多く、皆が夢中になっているときに限らず、この塀の上に人が座ったり立ったりするために、事故が起こる可能性が、禁止はされていても、どうしてもありました。グッビオ市が、塀の上にこうして鉄釘びっしりの板を置くことにしたのは、こういう理由からだと、次の映像やオンライン記事を見て、分かりました。興味のある方はご覧ください。


 夫はこの鉄釘を見たときから、危険防止のためだよと言っていました。ひょっとしたら鳩の糞よけのためである可能性もあると考えて、調べてみたら、夫の言うとおりだったことが、分かりました。

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Salutiamo il sole che cala a Gubbio
,
sono sorpresa dagli offendicula installati
sul muretto di Piazza Grande
che ricordano strumenti di tortura.
Purtroppo, ci volevano perché prima
alcuni si sedevano o stavano in piedi sul muretto.
Belli Piazza Grande e il Palazzo dei Consoli al tramonto.
Gubbio (PG) 23/2/2019
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関連記事へのリンク
- 神父探偵ドン・マッテーオの町、グッビオ (2012/2/6)
- 中世の粉挽き体験・窯見物、グッビオ中世祭り (2018/10/3)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2019-02-24 11:17
なおこさん、グッビオからの夕陽をありがとうございます(^^♪
コンソリ宮殿の広場というところも素敵な場所ですね~
広場の壁が赤く染まっている様子も、この時期ですから温かみを感じて素敵な写真ですね☆
ちょっと高台なのですね、ここからの街並、以前撮影されたのを見てうっとりします☆
確かにこの鉄の板に釘は、びっくりですが、ここに座ったり立ったりしての撮影は危ないですから、仕方ないことかと思います!最近は、インスタに投稿するために危険を顧みず、自撮りで危険を承知で撮影する方が増えているとニュースでよく耳にします~中には命を落としたというニュースも!
そういう人が増えてる以上、対策はとらないといけないのだろうと思います^^;
Commented by milletti_naoko at 2019-02-25 02:06

アリスさん、グッビオの町は山の斜面に平行に大きな通りが並んでいて、この通り沿いに
数階建ての家が並んでいるのですが、宮殿前の中心広場には建物なしに低い塀が長く伸びている
ので、ここからの見晴らしがきれいなんです。ドン・マッテーオの舞台が、数年前にスポレートに
移ってしまいましたが、グッビオで撮影されていた頃は、広場を挟んで宮殿に向かいにある建物が
警察署という設定になっていたので、この広場はよくテレビドラマの舞台にも登場しました。

インスタグラムに投稿するために危険を冒して、しかもそれで命を落とす方がいるとは!
何が一番大切なのかということを改めて考え直し、危険のない行動を皆にお願いしたいものです。
うちの夫もインスタグラムに関係なく、ちょっと離れた崖の向こうの岩や、険しい岩に、
飛び移りたがったり登りたがったりすることがあり、たいていは止めるのですが、幸い何事も
なかったものの、背に背負ったリュックの重さで落ちてしまったこともあります。困ったものです。
by milletti_naoko | 2019-02-23 23:57 | Umbria | Comments(2)