イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

美しい椿の小道 庭園の景、ルッカ マルリア邸

 色も形もさまざまな椿(camelia)の木々が水辺に立ち、花はもちろん、水に映る様子も地面や水面を覆う椿の花びらも美しい、椿の小道(Viale delle Camelie)

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Villa Reale di Marlia, Capannori (LU) 16/3/2019

 トスカーナ州ルッカ県カパンノリには、美しい庭園や館が多く、数年前に、椿の花が咲く頃、椿まつりの開催中に、すでにいくつかの屋敷と庭園を訪ねたことがありました。

 先週土曜日に、一度訪ねたことのあるマルリア邸を再び訪ねることにしたのは、以前訪ねたときには、木が生い茂っていた庭園が、新しい所有者が手入れをして、美しいみごとな庭園に生まれ変わったという記事を、夫が見つけたからです。園芸雑誌には、椿と庭の美しい写真がいくつも掲載されていて、今年は例年より花が早く咲き始めているからと、椿まつりの初日である3月16日に行くことにしたのです。

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 椿の小道を歩くと、色とりどりの椿が咲き乱れて、とてもきれいです。

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 和風の椿も咲いています。

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 木に咲く花も、地面に散った花びらも、ところどころに枯れて色が変わってしまっているものがあったので、今年の見頃は、3月の初め頃だっのではないかと思います。

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 花や風景がきれいなところでは、立ち止まって撮影する人が多く、ちょうど日が高くなった頃に着いたので、明暗差もあり、撮影は難しかったのですが、たくさんの美しい花が見られて、うれしかったです。

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 小道からは離れたところに、みごとな椿の大木が1本だけ植えてある、そういうところもいくつかありました。

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 上の写真で、右手にマルリア邸の広大な庭園の入り口があり、正面に見える建物で、入園券を購入します。ルッカの椿まつり(Mostra Antiche Camelie della Lucchesia)開催中は、13ユーロで、マルリア邸と椿まつりのお得な共通入場券(biglietto cumulativo)が販売されています。わたしたちは、この共通入場券を購入して、昼過ぎまでマルリア邸の庭園を訪ね、そのあとで、車で椿まつりの会場となっている山あいの小村に向かいました。

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 イタリア語のvillaは「(郊外の)邸宅、屋敷;別荘」という語義が『伊和中辞典』にあり、realeは「王の」という意味の形容詞です。インターネットで検索すると、この邸宅を「王家別荘」としているサイトがいくつかあったのですが、Villa Reale di Marliaのサイトやパンフレットの説明を読むと、この館と庭園は、昔から様々な貴族や王族の手から手に渡っていて、reale「王の」と称されるようになったのは、ナポレオンの妹が実際にこの邸宅を住居とし、大がかりな改修を行ってからであるようです。ナポレオンの妹、エリーザに女王の称号があったことから「王の」という形容詞が冠されたのでしょうが、この王国も、ナポレオン支配下に一時的にエリーザのものとなっただけであり、王家の別荘や王宮という名で呼ぶと、かえって誤解を招きそうな気がするので、この記事ではとりあえず、マルリア邸と訳しておきました。

 後日また、椿以外の庭の様子もご紹介するつもりでいます。5月になればバラなど他の多くの花も咲き、いっそう美しいことかと思います。土曜の午後には、ガイドつきのツアーもあるとのことで、ツアー中には、一部館の内部も訪ねることができるそうです。いつかまたバラの美しいときに、ガイドつきのツアーにも参加してみたいと考えています。

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Belli i fiori di camelie di diversi colori e dimensioni.

Sopra la testa i grandi alberi in piena fioritura,
sulla terra i tappeti di petali rosa lungo il canale dell'acqua,
anch'essa ornata dai petali e foglie di camelie.
Villa Reale di Marlia, Capannori (LU) 16/3/2019
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Villa Reale di Marlia
Via Fraga Alta. 2 - 55014 Marlia, Capannori (LU)
Tel. : +39 0583 30108
Email : info@villarealedimarlia.it
Sito : Villa Reale di Marlia - HOME
FB : Facebook - Villa Reale di Marlia

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2019-03-22 16:34
なおこさん、椿の美しい時期のマルリア邸の御紹介ありがとうございます(^^♪
椿のシーズンは長いけれど、やはり、一番の見頃はあるはずで、今年は、こちらの梅と同じで少し早く咲いたようですね~
和風の椿、美しいです~
こういう庭園にあると、また違う感じで、美しさが増すように感じます~♡
日本庭園で見る椿とはまた違う雰囲気も良いですね~♡
椿の土は、そちらでは難しとのことで、この辺りの土質が合ってるのでしょうか?それとも土質改良されてるのかな?
いずれにしても素晴らしい椿です☆
ナポレオンの妹が、一時期とはいえ暮らしていたというのは興味深いです(^^♪
Commented by milletti_naoko at 2019-03-23 04:44
アリスさん、こちらこそいつも温かいコメントをありがとうございます♪
ルッカ県の椿も日本各地の桜と同じで、年によって一番見頃の時期にずれがあります。
椿まつりは例年3週間週末に開催されるのですが、これまでは最初の週、3月に行くと
まだ咲いている花が少ないという印象がありました。今年はかなり早くから咲き始めた
ようです。和風の椿も洋風の椿も、大木や水辺でとてもきれいに咲いていました。
この辺りは椿が土に合っているようで、そのために、椿の大木がある大きな館や庭園が
多いんですよ。

イタリアでは見かけることの少ない椿の花に包まれて、うっとりしました。
ナポレオンの妹がと驚きました。実はナポレオン自身がトスカーナのエルバ島にいたことが
あって、エルバ島でその館を訪ねたこともあります。イタリアから多くの芸術作品を持ち去った
と言われるナポレオン、イタリア各地に足跡も残しているんです。
by milletti_naoko | 2019-03-21 23:57 | Toscana | Comments(2)