イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

日本語能力試験 実力試しと弱点克服、JLPT公式サイトを模擬試験に活用

 わたしが個人授業で教える生徒の多くは、日本語学習の目標の一つとして、あるいは、自分の語学力を認めてもらうための手段として、イタリアでは年に一度、12月の第1日曜日に開催される日本語能力試験(Japanese-Language Proficiency Test、JLPT)を活用しています。

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https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html

 選択肢問題だけでは、語学力、特に話す力や書く力ははかることが難しい上に、この試験の対策のためにだけ日本語を学習していては、偏った学習になると考えるわたしは、普段は対策問題集を使いながらも、総合的な日本語の力がつくように、学習プリントや授業の進め方を工夫しています。それでも、当然のことながら、試験前など、どうしても生徒たちが、授業中に、模擬試験のような形で問題を解いてみたいと希望することがあります。

 幸い、日本語能力試験(JLPT)の公式サイト自体に、実際の試験の問題形式に対応したレベルごとの問題例が三つずつ掲載されているので、公式サイトだけを使っても、模擬試験を3度受けることが可能です。さらに、サイトの問題例には、聴解問題の音声ファイルや解答用紙、正答表までついていて、至れり尽くせりです。ただ、各レベルごとの三つの試験問題例があるページは、サイト上のどこにあるかが分かりにくく、あると知っているわたしでさえ、毎回見つけるのに苦労するほどです。せっかく公式サイトにある有益な資料を、受験者も日本語教師も、もっと楽に見つけて活用できるようにと、わたし自身が次回から探すのに時間を費やさずに済むためにも、ここにその3ページへの現在のリンクを記しておきます。

- 日本語能力試験 JLPT - 『新しい「日本語能力試験」問題例集』(2009年発行)

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https://www.jlpt.jp/samples/sample09.html

- 日本語能力試験 JLPT - 『日本語能力試験公式問題集』
↑この二つ目のリンク先のページには、
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https://www.jlpt.jp/samples/sampleindex.html

『日本語能力試験公式問題集』(2012年発行)『日本語能力試験公式問題集 第二集』(2018年発行)には、2010年の改定後実際に出題した試験問題の中から、それぞれ各レベルとも試験1回分に相当する数の問題が掲載されています」という説明があります。ページ中にある、第二集の名が書かれたオレンジ色の帯、第一集の名が記された青色の帯をクリックすると、

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https://www.jlpt.jp/samples/sampleindex.html

それぞれの問題集の各レベルごとの問題や解答用紙・音声ファイル・正答表・聴解スクリプトなどを、一覧表からダウンロードできるようになっています。 

 こういう便利な問題例がJLPTの公式サイトにあることは、ご存じの先生方が多いかもしれないのですが、サイトではこういう問題例があることやそのページの場所が分かりにくくなっています。特に外国で独学で日本語を学ぶ学習者には、わたし同様、日本から模擬試験用の問題集を取り寄せていたら、送料を合わせるとかなりな金額になることもあって、利用価値が高いと思うのですが、せっかくのお宝がサイト上で隠れてしまっています。そういう学習者も、この問題例を活用することができるように、いずれイタリア語ではもちろん、できれば英語でも、利用方法を記したページを作成するか、あるいは、この記事にイタリア語でも説明を添えるか、どちらかにしようと検討しています。

 ちなみに、各試験の配当時間も、日本語能力試験の公式サイトに、次のように明記されています。

日本語能力試験 実力試しと弱点克服、JLPT公式サイトを模擬試験に活用_f0234936_633312.png
https://www.jlpt.jp/reference/pdf/guidebook1d.pdf

 同じPDF内に、それぞれのレベルの認定の目安が記載され、試験問題の構成の詳細については、こちらに記載があります。

 この記事を書いていたら、「とてもいい情報がたくさん載っているサイトなのに、前のページに戻りたい、この情報が知りたいと思っても、その方法が分からない、そういうサイトが意外と多いんですが、それではいけません」と、ペルージャ外国人大学の応用情報学の先生がおっしゃっていたことを、思い出しました。。イタリアでは、ホテルなどで、デザインを優先したばかりに、開け方が分からないドアやお湯の出し方が分からないシャワーに出会うことが時々あるのですが、サイトでもドアやシャワーでも、使う人の立場に立って、使いやすさ、使い方の明瞭さを大切にする必要があるとのことで、なるほどと思いながら本を読み、授業を聞いたのを、今もよく覚えています。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2019-03-22 22:48 | Insegnare Giapponese | Comments(0)