イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

イタリアでの留学・旅行をお考えの方へ2

f0234936_561711.jpg
 この記事は、2009年に書いた「イタリアでの留学・旅行をお考えの方へ1」中二つ目の記事、「2. 留学・旅行に役立つ本」の続きです。前回の記事へのリンクはこちらです。記事の写真は、2014年5月に夫や友人たちと共に、ボローニャからフィレンツェまでのトレッキングコース、Via degli Deiを歩いて、フィレンツェに到着した日に撮影したものです。

f0234936_4232573.jpg
Firenze 2014/5/24

 Lonely Planetのガイドは、日本のガイドブックには書かれていないような小さな町もかなり詳しく解説されており、宿やレストラン、交通手段などの情報も豊富で、実際に旅行先を選んだり、宿や交通手段を決めたりするのに非常に役立ちます。もちろん『地球の歩き方 イタリア』に書かれているところだけで自分は十分だ、と考える人はそれでもいいと思います。英語が苦手だけれど、より多くの旅の情報を集めたいという方には上で見て分かるように日本語版もあります。ただし、英語版が2008年出版であり、2010年2月にも新版が出る予定であるのに比べると、日本語版は2007年出版である上に、その翻訳の元になっている版は2006年の1月に発行されたものです。また、宿の情報だけ確認したいという場合は、ホームページでも、訪れたいと思う国や町のホテルの一覧やその評価を見ることができますが、旅程を組みたい場合や訪れたいところを選びたい場合は、やはり本が1冊あった方が便利です。

f0234936_551925.jpg

 そんなにLonely Planetがよければ、なぜDKの旅行ガイドも購入するのかというと、Lonely Planetには写真や絵が少ないという短所があるからです。逆にDKのガイドブックの方は、挙げてある宿やレストランに高いところが多かったり、公共の交通手段などの説明がそこまで詳しくないという問題があるものの、各地の風景や訪れるべき史跡などをたくさん写真を用いて示してあり、またいくつか訪れるべき町については町の詳しいカラー地図に史跡などの写真が添えたものがあり、また大きい城や美術館については、その見取り図まであって、どんな順路で歩いて何を見ることができるかまでが写真や解説入りで図示してあるからです。ですから、写真を見ながら訪れたい町を絞り込むことができ、また、旅行先でたどり着いた町の観光案内所が閉まっているときでも、本の地図を片手に有意義な散歩を楽しむことができます。各地の料理についても写真入で、名前と材料、どんなふうに調理されているかなどが書かれており、レストランで注文したり、あるいはレストランを選んだりするのにも役に立ちます。イタリアでは、レストランが、店の前に料理と料金の一覧表が掲げてある場合がほとんどです。客の方も、自分が食べたいものを手頃だと思う値段で食べられるところを選んで店に入ることができます。

                
『Lonely Planet Phrasebook & Dictionary』  『イラスト日本まるごと事典』

 英語がある程度おできになる方には、留学や旅行に際して、英語で書かれたLonely Planetの「旅行に役立つ表現」をまとめた一冊、『Lonely Planet Phrasebook & Dictionary』を携帯することをお勧めします。手のひらと同じくらいに非常に小さな本で、簡単な発音や文法の説明から、ホテルやレストランでの会話の例、料理や飲み物を表す単語の一覧などが、見やすいように色や図を使って分かりやすく表示してあります。巻末にちょっとした辞書がある上に、何より便利なのは、「イタリア語では難しそうだから、英語で言ってみよう」と思ったときに、旅行に役立つ表現が英語とイタリア語の両方を並べて書いてあるので、自分の英語やその表現に自信のない場合にも重宝するからです。日本で取り寄せて少しずつ勉強しておいてもいいし、実際にイタリアに行かれてからでも、空港や観光地の大きい書店などで購入することもできます。その際はベルリッツなど他社からも同趣旨のものが出ていますので、何冊か見比べて、自分が使いやすそうなものを選んでください。

 また、講談社バイリンガルブックスの『イラスト日本まるごと事典』は題名にもあるとおり、日本の文化や歴史、風俗をたくさんの図を用いて、簡潔な英文(対訳つき)で説明してあります。イタリアに限りませんが、外国を訪れると、よく外国の人から日本についていろいろ聞かれることがあります。留学していていろんな国の人と一緒に学んだり暮らしたりするとなるとそういう機会も増えると思います。そういうときには、日本の様々な側面(食文化から行事、日本の家屋の構造から歴史・政治まで)を分かりやすい絵を使って図示したこの本が重宝するはずです。イタリアに留学していても、英語圏などの学生と英語で話す方がまだ楽だったり、あるいはイタリア語ではうまく説明できなかったりするときに役立つのはもちろん、イタリア語が十分話せるようになってからも、絵を示しながら説明をすると説明が分かりやすくなります。昨晩もイタリア人の義理の両親に、押入れとふとんについて最初は言葉だけで説明していたのですが、「やはり目で見たほうが一目で分かる」と思って、会話の途中でこの本を取りに行きました。同じページにふすまや畳の絵もあったので、他にもいろいろな質問が飛び出したのですが、やはり言葉だけではうまく伝えられず「絵や図、写真」が必要なこともあります。

f0234936_561711.jpg

 留学や旅行のあと、もっと自国の文化について知らなければと反省する人は多いのですが、この1冊だけでも、自分の知識だけではあやふやなこと、あるいは言葉だけではうまく説明できないことを、きちんと外国の人に説明することが可能になります。私自身もペルージャ外国人大学の日本語・日本文学の授業の中で、日本の風習などを説明するのに、この本をよく利用しています。自分自身の国のことは知っているつもりで何かと知らないことも多く、何となくページをめくってみて興味のあるところを読んでもおもしろいし、英語の勉強にもなります。外国の方で日本文化に興味を持つ人も多いので、そういう方に贈り物として送ってあげても喜んでもらえる本ではないかと思います。

 それから、「イタリア語をイタリアに行ってから1から習うの」はお金と時間の無駄になります。日本語とイタリア語とでは文法の仕組みも語彙も非常に異なる点が多いため、日本人がイタリア語でイタリア語の授業を受けると授業内容が分からず、他国の生徒と比較して落ち込んでしまったりすることにもなります。フランス語・スペイン語・ポルトガル語はイタリア語と同じく俗ラテン語から発展していますので、語彙にも文法にもイタリア語との共通点が多いので、ゼロからでもイタリア語を聞いていくらか理解することができますが、そういう恩恵を受けていない上に、「耳から聞いて話す」授業に慣れていない日本人には、入門のクラスでも授業内容が非常に難しく感じられると思います。独学で、1冊でも2冊でも学習書を一通り勉強し、付属のCDやNHKの講座を可能な限り聞くようにして耳を慣らして、留学に備えてください。

                    
『ニューエクスプレス イタリア語』  『イタリア語のABC』      『伊和中辞典』     『和伊中辞典』

  その際に使える参考書と辞書を上に載せてあります。参考書や辞書の使用法やなぜこの参考書がいいのかについては、イタリア語学習におすすめの教材(入門者編)1(リンクはこちら)と2(リンクはこちら)を参考にしてください。小辞典は旅行のお供としては便利ですが、イタリア語をしっかり勉強するつもりの人は、高いけれども一生使えるものなので、ぜひ『伊和中辞典』を購入してください。英語と違って、たくさん大辞典が出ているわけではないので、実際この伊和・和伊辞典だけあれば、日本で出版されている辞書は他に必要ないはずです。イタリアに留学してから、中級以上の人は、伊伊辞典(私もよく使っている『Lo Zingarelli』がお勧めです)を購入するといいと思います。用例が多く、日本で出版された辞書にはない言葉もかなりあります。

f0234936_572260.jpg


*2019年4月追記: この記事の移行元サイトは、もともと現在119号まで発行しているイタリア語学習メールマガジンのバックナンバーを載せるために作ったものです。現在は第13号まで移動が済んでいます。イタリア語学習メルマガのバックナンバーに興味がおありの方は、こちらのリンクをご覧ください。

 記事がいいなと思ったら、二つのブログランキングへの応援クリックをいただけると幸いです。より多くの方の目に留まり、読んでいただけるきっかけになるからです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 応援クリックを二ついただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

トラックバックURL : https://cuoreverde.exblog.jp/tb/30530537
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by maa at 2019-04-19 11:21 x
なおこ様

はじめまして
ずっと憧れていたアッシジでの長期滞在を実現させるために情報を集めていて辿り着きました。
定年後の初イタリア訪問、初イタリア語・・・初めてだらけでどうなる事やら???
これからできるだけ拝見して、今秋には旅立てるように準備致します。
まずは、ステキな記事を書いてくださっていることへのお礼とご挨拶!
これからも、どうぞよろしくお願い致します。
Commented by milletti_naoko at 2019-04-19 16:30
maa様、はじめまして。コメントをありがとうございます。
ずっと憧れていらしたアッシジでの長期滞在、それは楽しみですね。
どうかすばらしい、思い出に残るものとなりますように。
こちらこそ、どうかよろしくお願い申し上げます♪
Commented by soso513 at 2019-04-20 15:33
なおこ様 コメントをありがとうございました。
ブログの登録をしてもイイネが反映されないため、再度書き込みました。
申し訳ありませんでした。
ペルージャ外国人大学に通うことも考えましたが、
住みたい街がアッシジなので、アッシジの語学学校に通いながら暮らしてみようと計画しております。
心強いページに出会えて感謝です。ありがとうございます。  maa
Commented by milletti_naoko at 2019-04-21 02:49
maa様、どういたしまして。イイネはどうかお気になさらずに。
エキサイトでブログを書いていないと、反映させられないのではないかと
思います。コメントをいただいただけで、ありがたいです。

住まれたい町がアッシジとのことですし、アッシジの方がきっとゆったりと
落ち着いて暮らしやすいのではないかと思います。語学学校の方が、外国人大学に
比べて、それにきっと何かと生徒さんたちの立場に立って、宿や小旅行の案内も
してくれるでしょうし、一人ひとりを大切にしてくれるのではないかなという
印象もあります。これからいろいろと準備していくのも楽しみですね。
Commented by maa at 2019-04-21 16:14 x
なおこ様  ありがとうございます!
留学以外でも、恥ずかしいほど知らない事ばかり…
お付き合いいただき申し訳ありません。

心強いご助言をありがとうございました。
半世紀近く憧れてきたフランシスコのアッシジ、なんとか今秋には〜  maa
                      
Commented by milletti_naoko at 2019-04-21 23:58
maa様、どういたしまして。初めてのイタリア旅行の際、わたしはシンガポールの旅行
会社主催の英語でのイタリア縦断多国籍バスツアーに参加したのですが、その旅行で
アッシジを訪ねた際に、たまたま聖フランチェスコの人生を描いたそれはすてきな
ミュージカルの上映について聞いて、見てとても感動しました。

わたしはカトリック教徒ではないのですが、聖フランチェスコは敬愛しています。
どうかお元気で、少しずつ楽しみながら、準備をお勧めくださいね。
Commented by maa at 2019-04-22 15:50 x
なおこ様
ミュージカルのページも拝見しました。
動画で歌も聞くことができました。知らなかったことに出会え嬉しい限りです。
ありがとうございます。
50年近く前の映画「ブラザー・サン シスター・ムーン」で
私は聖フランシスコを知りました。
その後、素敵なシスターと司祭に導かれ受洗しましたが、
21日、復活祭になおこさんが書かれたことには頷けます!!
イタリア縦断多国籍バスツアー、そういう形の旅行も企画されているんですね。
興味深いです。(英語もできないから参加するにはハードルが高いですが)
気持ちが焦っていましたが、少しずつ楽しみながらにします。
ありがとうございました。           maa
Commented by milletti_naoko at 2019-04-23 23:18
maa様、ご覧くださったんですね。ありがとうございます。
このミュージカルは、歌も音楽も踊りも背景もすばらしかったので、
とても感動しました。監督の急な死で、上演がされなくなったのだと、
アッシジの店の方が残念そうにおっしゃっていたのを覚えています。
カトリック教の神父さんや信者さんにもいろんな人がいるので、きっと
そういうふうに信者だけが選ばれた人と考える人はごく一部だとわたしも
考えてはいるんですよ。

アッシジは外国からの観光客や巡礼者も多く、町の人ももてなしの心を
持つ人が多いのではないかと思います。教会の多い中心街やその近郊では
きっと落ち着いた穏やかな暮らしができるのではないかなと推察します。
どういたしまして。
by milletti_naoko | 2009-07-01 13:00 | Via degli Dei(BO-FI) | Trackback | Comments(8)