2019年 07月 08日
驕れる主人の最悪の宿 でも美しいアブルッツォ

広大な高原を見下ろしながら、山を歩いていると、どういうわけかひどく懐かしい気分になります。前世で深いゆかりのあった場所なのではないかという気がするほどです。5月が寒かったために、例年に比べて残る雪が多く、この白い花には、今年初めて出会ったように思います。

例年であれば、このピンクの建物、第二次世界大戦に、ムッソリーニが幽閉され、脱出したという逸話もあるホテルに宿泊するのですが、現在は閉業中で、宿泊することができません。
今年の6月は雨が降らない猛暑であったために、長い旅行をする代わりに、5泊6日のカプライア旅行のあと、いったんペルージャのうちに戻って、水やりや洗濯を済ませました。あれこれ問題となることが山積みで、夫がストレスを抱えていて、「明日からまたすぐどこかに行こうか」と言ったとき、「じゃあ、グラン・サッソに行きましょう。宿はわたしが予約したのでいいわね」と確認して、カンポ・インペラトーレとラクイラの間にある小さな村に宿泊することにしました。Booking.comがお手頃価格で評価もいい宿を勧めていたのですが、大変そうな夫を見て、できるだけよい宿をと、評価がとてもいい宿の、さらにグラン・サッソの山も見える眺めのよいテラスがある部屋を予約しました。差額は5ユーロでしたが、それでも、いい宿のすてきな宿で、夫が喜んでくれたらと思ったのです。

翌日は、グラン・サッソの山を歩き、夕方になってから宿でチェックインをする予定だったのですが、朝出発する前に宿の主人から電話があり、昼のうちに鍵を渡して部屋に案内したいから、グラン・サッソに行く前に寄ってほしい、部屋はそれまでに準備しておくとのことです。
ところが約束の時間に宿に着くと、道がひどく細いので、わたしの小さいアイゴを、夫が運転していても、到着や駐車が難しかった上に、あるはずの眺めのよいテラスがなく、トイレもひどく小さいのです。窓はあるものの、1階で道路に面しているため、開けることもできません。部屋の入り口のドアがガラス窓で、布で覆われてはいるものの、後ろに立つと、室内に照明があれば、廊下から見えてしまいそうです。
「暑いですから、一番涼しい部屋を用意したんですよ。」
「わたしが予約した部屋とは違うんですけれど。」
すると主人は、隣にあったロフトの上に大きなマットレスが置かれ、その階まではハシゴで登るようになっている、ひどく質素な部屋のドアを開けて、「この部屋はまだ準備できていないですしね。屋根の下は暑いですよ」と言います。「どちらも値段は同じですよ」とも。
「テラスがあるはずなんですけれど」と、わたしが言うと、「そんなこと気に留めなかったな」との返事です。仕方ないなとそのときは、部屋に荷物を置いて着替えをし、グラン・サッソの山に向かいました。ただ、夕方山から部屋に戻り、改めて予約した部屋とは違うことに気づき、夫とも話し合い、宿の主人に直接言って、せめて2泊目は本来の部屋に変えてもらおうと考えました。本来予約した部屋に比べて設備も広さも劣る、かつ予約サイトでは5ユーロ安い部屋に泊まることを余儀なくされ、それはわたしが外国人だからだろうかと、考えれば考えるほど、そういう気がしてきたからです。ただ、夕食のために宿を出たとき、宿の主人に会わなかったため、その旨をメールで連絡したのですが、その連絡は、どうもBooking.comを通して主人に行ったようで、わたしたちがラクイラでの食事から帰ると、もう夜の10時を過ぎていたのですが、ひどい剣幕で庭で怒鳴りだし、どうして直接言わなかったのだ、わたしは過去の客すべてからの評価が高いから、そんなことを書かれてもどうということもないけれどと、まくし立てるのです。これまで出会った最悪の客だ、泊まってもらいたくない客だとまで言います。完璧だった評判に傷が入るからと、ここまで激怒するのでしょうが、そんなに自信があるなら、あんなにひどい激昂ぶりで、罵声を浴びせる必要などなかったと思います。
本来は二晩泊まる予定でしたが、「一晩で迷惑をかけずに去るから」と夫が言うと、「予約サイトには2泊分払わなければいけないから、料金は2泊取りますからね」と言います。そうして、すでに宿の主人がすべての荷物を移動してあった、2階にある本来のわたしたちの部屋に案内したあと、なおも30分近く、口汚く罵り続けます。本人が何度も繰り返していたように、本当に暑い部屋は避けてという理由から、最初の部屋を紹介したのであって、何もやましいことがないのであれば、そんなに腹を立てる必要はなかったはずです。どうして直接言わなかったのだというのが立腹の主な原因ですが、最初にわたしが二度言ったときには、まずは違う部屋を見せて準備ができていないと言い、次には、「テラスつきの部屋かどうかなど、気に留めていませんでした」としらばくれていましたから、予約サイトを通さなければ、しらを切り通していたのではないかと思います。わたしたちは精神的にもすっかり疲れ果て、その晩はシャワーを浴びる気力もなく、ほとんど眠ることもできませんでした。
翌日は、宿の主人に腹を立てた夫が、1泊余分に払ってでもこの宿を後にしようと言うのを、何とかなだめてもう一晩泊まることにしたのですが、主人が荷物を移動したときに、見当たらなくなったものがあり、その点について言うと、再び昨晩のことを蒸し返すので、夫も堪忍袋の緒が切れて、すぐに宿を後にすることにし、結局宿代は一泊分でいいということになりました。
大好きなグラン・サッソに来るたびに、あの最悪の宿も思い浮かぶんだろうなと夫が言い、わたしも悲しい思いをしましたが、このあとは、何とか夫に喜んでもらおうと、そのことばかり考えていました。嫌なことはできるだけ忘れてしまった方がいいと思いつつも、Booking.comから宿泊の感想を聞かれて、素直に起こったことを書くと、宿の主人がわたしたちを、「嘘」を言う「最悪の客」と呼び、コメントを返していて、それにはわたしたちの方からは、返事ができないようです。宿の口コミへのリンクはこちらです。
この主人のコメントを夫と共に読んだのが今晩で、わたしは嘘は一言も書いておらず、夫も言うように、この宿の主人の態度は、料金を受け取って宿泊する客に対して、取ることが許されるものとは、到底思えません。違う部屋をあてがったのも、ああいう態度を取ったのも、わたしが外国人であるから、また、他の客の評価がいいからと、わたしたちがどんな思いをしようと、自分が憂さ晴らしさえできればいいということでしょう。この件があってから、以前はB&Bを好んでいた夫も、ホテルの方が、こういう問題もなく、また、チェックインも融通が効くからと、ホテルを好むようになってきたようです。
わたしはどちらかと言うと、何かあっても少々は目をつぶって、できるだけよい点を見ようとする方だと思うのですが、この宿の主人ばかりは、いろんな面でひどいと感じています。それだけ評価がよいという自覚があるのであれば、わたしが予約サイトを通じて苦情を言ったからと目くじらを立てる必要はなかろうに、他の人からの評価がよいから、この二人はどんな扱いをしてもいいと考えたとしか思えません。
書こうか書くまいかと思いつつ、書かなかったことなのですが、評価が高すぎる宿は、特に個人が経営している場合、こういう問題が起こる可能性もあるという警告のために、書いてみることにしました。


などを思い出していました。
Booking.com は私もイギリスを旅行した時によく使いました。
経験からいえば、建物全体の雰囲気がよくわかる写真を紹介で
載せているB&Bは失敗がなかったように思いました。
部屋も予想通りでしたが、オーナーに関しては全く分からず
うん?と思うようなB&Bもありました。
たぶんnaokoさんが思ってられる「東洋人だから」という理由が
当たっているかもしれないとも思いました。
随分昔子供を連れロンドンのホテルに泊まったことがありますが、
やはり予約していた部屋とは違い、主人は憤慨して大クレームを。
その剣幕が怖かったのかすぐに予定通りの部屋に変更してくれましたが
嫌な感じが残ったのは正直な気持ちです。またホテルではないですが、
東洋人だからと思いもかけない扱いをされたことがあります。
ジュネーブ空港のちょっとした喫茶店でアップルパイと紅茶で休憩した
時のことです。ウェイターがわざとナイフを落とし、そのまま最後まで
持ってこなかったのです。時々気にしながら横目で見ていましたが、
最後まで持ってきませんでした。日本ではナイフは使わないですから平気
でしたが、支払いの時に思いっきりクレームをつけました。ジュネーブの
ような国際的な街でもこういう差別的なことや嫌がらせをするのかと。
恥ずかしいと思わないのかと。恥を知りなさいと。まさか喋れないだろうとと
思っていた東洋人人からのクレームはウェイターには少々きつかったようです。
顔を赤らめてうつむいていました。翌日フランクフルトへの出発の朝もその店
の前を通りましたが、顔を合わせた途端下向いていましたよ。
naokoさんは我慢強いなぁと思いました。
私ならすぐに腹を立ててしまっていただろうなぁ。
人種が違うからといって偏見や差別はダメですね。
と、思いきや、どうも雲行き怪しい展開に。
このような宿のトラブルは、本当に悲しくなりますね;
なおこさんがだんなさまに喜んでもらえたらと思って予約した結果がこれでは;;
宿の主人は、本当にお客さんの事を思って涼しいを部屋を用意したのでしょうか?
何となく、何か面倒だったとか都合が良かったのか悪かったのか・・・
そんな宿主人の都合があったように思います。
今は本当に不快な気持でいっぱいだと思いますが・・・
いつの日か、あんな事もあったねぇ~と、ご夫婦で大笑いするような・・・
そんなほろ苦い笑い話になる日がやってくるといいですね^^;
そして、こうしたなおこさんの記事をきっかけに、他の人が同じような悲しい気持ちにならないようになるといいのですが・・・
個人が営むところは、その経営者次第というところがあり、これまでは特に予約サイトの評価が高いところで、あてがわれた部屋が違うとか、こんなひどい対応をするということはなかったので、ホテルの方が、対応に問題があれば経営者や上司などに苦情を言うこともできる点、また、全体的に一定のサービスが保証されている点でいいのかなという印象を、今回はわたしも夫も持ちました。夫が最初に強く言わなかったのは、予約したのがわたしだったので、部屋の詳細情報までは、着いた時点では把握していなかったからです。
宿では一度予約してしまうと、どんなに嫌な思いをしても、特に夜中では他に宿を探すのも、キャンセルも難しいということにつけ込んで、また、他の人の評価が高いから、わたしたちにはどう対応してもよいと考えたのでしょう。自分の機嫌と評価を、料金を払って滞在する客の居心地と気持ちより重視するなんて、本当にひどいと、今でも思います。幸い、次の宿の人がそれは親切で、宿もすてきで救われました。
主人が最初に用意した部屋は、主人たちの居住する部屋のすぐ近くなので、準備や片づけがしやすいということがあったのだと思います。また、もし変えるなら変えるで、5ユーロ返還の話もするべきだったと思うにに、明らかに部屋の質や広さや設備が異なる部屋が、同じ値段だと主張し続けていました。
今のところ、こういう輩に出会うことの方がまれで、基本的にはうれしい出会いや温かいもてなしの方が多いことが、ありがたいと思うことにしています。
せっかくの楽しい旅行が、このようなことになってしまい、とても残念でしたね。
宿のご主人の態度は、とても許されるものではないと思います。
東洋人に対する差別なのか・・・と思うと悲しくなりますね。
しかも、naokoさんがご主人さまに喜んでもらおうと思ってのことであれば、尚更だと思うと
心が痛みます。
私もよく海外に行って、B&Bなどに泊まることが
多いですが、幸い、いやな目にあったことはありませんが、
こうしたこともあるのだと、心に留めておくことにします。
が・・・もし、こうしたことに出会った時、きちんと
言い返せるだけの語学力も必要だなと思いました。
どう見ても違う部屋なのに、うまく言いくるめられ、まさかそんなことがあろうとは思わず、言いくるめられてしまったのですが、わたしも今後は、いい評価だけをうのみにせず、細かい評価や利用客をもっと見ていこうと思いました。

なおこさんの旦那さんへの優しい気持ちから選んだ宿だったのに・・・と思うと、なんだか切なくなってしまいます、、リンク先の宿の主人のコメントも見ましたが、ちょっとおかしい人という感じがしますね。
宿の主人がそこまで怒る問題でもないですし、色んな方が見るご自分の宿のサイトであんな書き方をするなんて、普通じゃないですよね。。
すっきり忘れるとはいかないかもしれませんが、今回の事件を帳消しにしてくれるようないい事がこの夏待っていることを願います!!!
すっきり忘れるのは難しいですが、この次の次に泊まった宿の方が本当に親切で、うれしくありがたく、実際イタリアではそういう宿や店の方の方が多いのですよね。今後、こういうくじを引かないよう気をつけて、後は考えないようにしようと思います。夫と二人で、TripAdvisorの方にも時間を見つけてコメントを書こうとは考えているのですが。

口コミって役に立たないし、被害者が増えることなど考えないんだなと思いました。
①あまりにも口コミ評価が高い民宿ではこういうことがある、というのはまさにその通りで、この記事に救われました、ありがとうございます。
どういたしまして。確かにそれほどまだ評価が確立していない店や宿で、とても親切でもてなしがいいという経験もあります。これからの旅はよいものであることを、お祈りしています。