イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

パスタおいしいカメリーノ、La Pasta di Camerino

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 「カメリーノのパスタがとてもおいしいんだけど、知っているかい。素材にこだわって、良質の原材料だけを使ってるんだ。値段は他のパスタに比べて少々高いけれど」と、夫のいとこから聞きました。

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Camerino (MC) 11/8/2019

 先週の週末、マルケ州カメリーノ(Camerino)に住む夫のいとこ夫妻を訪ねたときのことです。

 夫もわたしも倹約に努めてはいるものの、野菜や果物、小麦粉やパスタなどの食料品については、健康のため、農業のため、そして環境のためにも、値が張っても、地元の農家が作っているものや、有機栽培のもの、小麦粉であれば、古代小麦を水車小屋で石で挽いた粉、そうして、そういう小麦粉で作ったパンやパスタを購入することがよくあります。そこで、いとこに「カメリーノの何ていう名前の業者なの」と聞いてみると、驚いたことに「La Pasta di Camerino」という答えが返ってきました。

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 La Pasta di Camerinoは、その訳である「カメリーノのパスタ」という日本語同様、イタリア語でも、「カメリーノ産のパスタ、カメリーノで作られるパスタ、カメリーノで食べるパスタ、カメリーノ特産のパスタ」など、様々な意味を持ちうるのですが、なんとそれが、このカメリーノのパスタ製造業者の名前だったのです。

 シンボルマークを見ると、業者名の上に、冒頭の写真にも写っている山に囲まれたカメリーノの町並みを描いた絵があります。

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 いとこ夫妻宅に宿泊した翌朝、二人がカメリーノの中心街を案内してくれた帰りに、スーパーに買い物に立ち寄ったので、パスタ売り場を見ると、ラ・パスタ・ディ・カメリーノのパスタは、パスタの生産工場がある町ですから、豊富な種類のパスタが、たくさん置いてありました。そこで、いとこのおすすめはタッリャテッレ(tagliatelle)で、義弟夫婦からは、ペルージャのスーパーでも売られていると聞いたのですが、その中から、こちらの二つのパスタを購入しました。

 右のパスタは、夫が好きなペンネ・リガーテ(penne rigate)で、しかも良質の古代小麦(grano antico)を石で挽いた小麦粉を使っているということから選びました。500gで2.99ユーロという値段は、スーパーでよく見かける、またわたしたちがよく購入する50セントから1ユーロのパスタに比べるとずっと高いのですが、地方の水車小屋やウンブリアの地元農産品販売店では、上質で安全な食品作りに努める生産業者に頑張ってもらいたいという思いからも、500gが5ユーロでも購入することがあります。このパスタについては、また、実際に食べたあとで、詳しくご紹介することにして、

 今日の記事では、わたしが好きで購入した左のパスタ、キタッラ(chitarra)についてお話しします。こちらは500g入りが1.19ユーロでした。袋の表には、「原材料100%イタリア産」(ingredienti 100% italiani)と書かれ、

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裏にはさらに、「最良の原材料」(migliori materie prime)から生まれ、伝統的な製法でゆっくりと時間をかけて作っていることが、記されています。卵入りパスタなので、袋には、小麦粉と共に卵の絵も描かれています。

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 キタッラは、切り口が四角く、麺にコシがあり、わたしは、ラーメンを思わせるような食感が好きで、レストランなどでメニューにあると、頼むようにしています。調べるとアブルッツォ特産と書かれているのですが、ウンブリア南のナルニやアルローネなど、テルニ県の村でも、店のメニューにあって、食べることができます。

 夫がミジャーナで育てたトマトを使って、このキタッラで、スパゲッティ・アッラマトリチャーナ(spaghetti all'amatriciana)を作ったら、おいしくできて、長い麺は好まない夫も、喜んで食べていました。

 イタリア語で、楽器の「ギター」が第一義のchitarraという名のパスタであるのは、ギターの弦のように、細い針金を張った木の道具、キタッラ(chitarra)を使って、麺を細く切ってあるからで、ですからこのパスタは、スパゲッティ・アッラ・キタッラ(spaghetti alla chitarra)と呼ばれることもよくあります。どんな道具でどんなふうに切ったかを説明するいい映像を見つけましたので、興味があれば、ぜひご覧ください。


 道具が使われるのは、映像の1分10秒目からです。映像だけで使い方がよく分かるものを選んだため、イタリア語音声の説明はありません。

 これからは、うちでも時々おいしいキタッラを食べることができて、しかも夫も喜んでくれると分かったので、食事の楽しみが増えました。ちなみに、先日、ペルージャ鉄道駅前コープで探すと、そのときには、ラ・パスタ・ディ・カメリーノは、いとこが勧めていたタッリャテッレだけが置いてありました。

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Buoni gli spaghetti alla chitarra all'amatriciana

fatti con i pomodori di Migiana coltivati da mio marito
e con la chitarra dell'azienda, La Pasta di Camerino
consigliata dal suo cugino che vive a Camerino.
Mi piace la chitarra, perché mi ricorda ramen, pasta cinese
ma mangiata spesso anche in Giappone.
Poi ottimi la qualità, il sapore e la consistenza della chitarra
dell'azienda marchigiana.
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参照リンク / Riferimento web
- La Pasta di Camerino - HOME

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 今夜は山のいとこのうちに、カメリーノ / Stasera a Camerino (10/8/2019)
- 美しく地震の傷深いカメリーノ / Bella Camerino, ferite profonde dei terremoti (11/8/2019)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by nonkonogoro at 2019-08-19 11:23
ラ・パスタ・ディ・カメリーノ

検索したら
アマゾンでフエットチーネと タッリアテッレが
以前はあったようで 画像だけ見られましたが
在庫なしとのことでした。

うちで購入するパスタは ほとんどイタリア製です。
トマトソースも 缶入りやパック入りのトマトも~
国産より安いくらいなので よく利用しています。
Commented by 3841arischan at 2019-08-19 13:50
なおこさん、キタッラ、美味しそうなパスタですね~
もしかしたら、イタリア旅行の時、四角い切り口のパスタ、食べた事があるかもしれません!
日本人は、やはりロングパスタが好きです♡
パスタの原材料に拘るのは理解出来ます~
パスタと言えば、イタリアでは主食ですから、よく食べるものだからこそ、身体に良いものを食べたいですね♡
アッラマトリチャ―ナが美味しそうです(^-^)
Commented by hanashigai at 2019-08-19 17:05
イタリアの方が絶賛するのであれば間違いなさそう♪
イタリア小麦を使った国産品だとイタリア製のスパゲッティよりむしろ高くなるので、パスタブランドは全く知らなくてもイタリア産輸入品を買っています。
安すぎるかも!!と思いつつ、500g/100円~200円程度のものばかりです(汗)
四角い断面のスパゲッティは見たこと無いですが、なおこさんの料理された料理がすごく美味しそう♪ご主人も喜ばれたとのこと嬉しいですね♪♪ご主人がスパゲッティを好まれないのは意外でした!
僕は逆にスパゲッティパスタ以外は料理法を知らないのもありますが、マカロニパスタはほぼ食べないです。
キタッラの動画もわかりやすくて楽しかったです。
Commented by otenbasenior at 2019-08-20 12:13
こちらでもバイオでないパスタはイタリア産を使います。
ヨーロッパの方が素材が良さそうなので、アメリカの農薬まみれな材料で作ったパスタは買う気持ちになれません。

パスタマシーンを持っていますが、画像のキタッラの道具シンプルで使いやすそうですね。その道具があればもっとパスタが食卓の登ることでしょう!
Commented by milletti_naoko at 2019-08-20 16:44
のんさん、なんとアマゾンでも売られていたことがあるんですね。国産よりもイタリア産の方がトマトソースやパスタが安いとは驚きました。日本ではトマトや小麦粉など農産物自体の値段が高いので、結果的にイタリア産の方が、イタリア国内での競争で価格もある程度抑えられて、関税や輸送費がかかっても安くなるのでしょうか。
Commented by milletti_naoko at 2019-08-20 16:49
アリスさん、そう言えば日本の麺類は、そばもそうめんもうどんも、どれも長いですよね。うちも義父母は、スパゲッティなど長いパスタが好きで、よく食べています。キタッラはラーメン、ピーチはうどんを思わせて、おいしく懐かしいので、出かけた先でメニューにあると、よく注文しています。

ありがとうございます。スパゲッティやタッリャテッレを見るとげんなりした顔をする夫が、とてもおいしいと喜んでくれて、うれしかったです。夫の育てたトマトがよく熟して甘いおかげでもあります。
Commented by milletti_naoko at 2019-08-20 17:02
放し飼いさん、イタリア産のパスタが日本の皆さんの食卓に届くようになっていることに驚きました。イタリアで買う日本のうどんやそばはかなり高いので、逆にそれだけ日本にイタリア料理が浸透しているということもあるのでしょうね。

いとこの地元びいきということもあるかもしれませんが、農業や農産物の質・環境や食の健康の意識が、マルケ州は高い州だという印象もあり、さっそく購入しました。

キタッラは、イタリア中部南、ウンブリア州なら南のテルニ県、そしてアブルッツォ州などでレストランで見かけるパスタで、そうした地域で伝統的に食べる郷土パスタなのだと思います。うどんに似たパスタ、ピーチもトスカーナのシエナに近い地域になるとメニューにあり、パスタも郷土食があっておもしろいです。

うちの夫や夫の幼なじみの親友はトマトソースだけの長いパスタを、スパゲッティにせよタッリャテッレにせよ嫌がるのですが、それは、二人個人の好みに加えて、食卓に上ることが幼い頃から頻繁にあったためではないかと思います。トマトソースに肉片が入るのを、ラグーでもアマトリチャーナでも義弟の一人が嫌がって、姪っ子たちが他のソースだと食べない可能性があるため、日曜の大家族の昼食もたいていトマトソースのタッリャテッレですし。キタッラ、動画も楽しんでくださったんですね!
Commented by milletti_naoko at 2019-08-20 17:15
お転婆シニアさん、アメリカでもイタリア産のパスタは気軽に手に入るんですね。有機栽培や小麦を育てるお百姓さんの顔写真入りのパスタ、マフィアから取り上げられた土地で栽培した小麦で作ったパスタなど、値段が高いのでいつもというわけにはいきませんが、健康や環境や社会、農業のことも考えて、パスタを購入するようにしています。パスタマシーンを持たれていて、ご自分で造られるんですね。すばらしい! わたしもごくまれに作るのですが、夫が長い麺が好きでない上に、平たく伸ばして細く切ったつもりでも、太い麺になってしまいます。確かにキタッラを使えば、さっと細い麺が作りやすくなりますよね。
by milletti_naoko | 2019-08-18 23:12 | Gastronomia | Comments(8)