2019年 08月 24日
嵐近づくオルヴィエート、チヴィテッラ・デル・ラーゴ
昨年の冬から、もう何度も、凝灰石の岩壁の上に築かれたオルヴィエートの町を訪ねたり、その崖下周遊コースを歩いたりしています。おかげで、「この辺りを歩いて後ろをふり返れば門が見える」など、目にする風景を予測できるようになり、また、「近くから見ても、それはみごとな門だった」など、岩壁の上を訪ねたときの記憶と重ねながら、眺めを楽しめるようになりました。
5月に比べて、咲く花はぐっと少なくなりましたが、こんな風に道端に葦(canna)が生い茂り、緑が深くなって、夏らしい風景を楽しむことができました。予報では最高気温が30度で、湿度も高く、特に太陽が照りつける場所では、汗を流しながら歩きました。
イタリア中部はどこも、1日中ではないものの雷雨があるとの予報が出ていました。天気が比較的よさそうに見えるマルケの海辺の天気予報を調べていたら、夫がこの崖下周遊コースを歩こうと言うので、オルヴィエートの天気予報を、三つの予報サイトで確認しました。ilmeteo.itでは、正午から小雨、午後1時から雨が降り、午後3時から雷雨になるという予報が出ていたのですが、他の二つのサイトでは、雷雨が午後4時からとなっています。
そこで、急ぎ足で歩いて、午後3時までに一周してしまえば、雷雨の前に車に戻れると考えて、オルヴィエートに行くことにしました。雷雨は早くとも午後3時からと考えていたのに、雷の音は、遠方ではあっても、歩き始めた午後1時頃から、すでに時々聞こえていました。途中で寄り道をして中心街を散歩しようと言う夫に、「どしゃ降りの雨になって雷が鳴り出したら困るので、わたしは車に戻る」と返事をし、結局夫も寄り道せずに、わたしといっしょに歩いていたのですが、あと約10分で車に戻れるというときになって、雨が降り始めました。
ちょうど岩壁内に築かれたこの教会、Chiesa del Crocifisso del Tufo(訳すと「凝灰石の十字架上のキリスト教会」)の前を通りかかったときのことです。雷もゴロゴロ鳴っていたので、登山ストック代わりに手に持っていた傘は使わず、レインコートを着て歩きました。
初夏に訪ねたときには、わずかな花しか咲いていなかったバラが、道の両側に、きれいにたくさん咲いていたのですが、雨が強くなっていたので、すぐ傍らに咲いていた、こちらのバラだけ撮影しました。
崖下周遊を終え、凝灰石の階段を下りて、駐車場まで戻りました。石の上に雨が降ると、足もとが滑りやすくなって危ないのですが、幸いまだ降り始めたばかりだったので、無事に車まで戻ることができました。
ペルージャへの帰途につき、コルバーラ湖に向かうと、雨が小雨になり、やがてやみました。チヴィテッラ・デル・ラーゴでに寄って、昼食のパニーノを食べ、コルバーラ湖の眺めも楽しみました。
天気がよければ、オルヴィエートほか、隣のトスカーナ州やラッツィオ州の山や丘の上の村もよく見えるとのことなのですが、
雨が降っていたためでしょう。オルヴィエートも、わたしたちが来た道も、空が暗雲に覆われ、断崖の上のオルヴィエートの町は雨の煙に霞んで見えません。
遠くの町や山に、雨が激しく降り、風が吹きつける様子が、遠くからでもよく分かりました。遠くの灰色の空に、白い稲妻が走るのが時々見えて、嵐に取り囲まれた風景に、不思議な美しさがありました。そんなのんびりしたことを思えたのは、自分がまだ雨の降らない場所にいたからなのですが、そのうち風が強くなり、雷が鳴り出したので、雨が降り出す前に車に戻りました。
親戚の見舞いにと向かったトーディ(Todi)に近づいた頃から豪雨になり、稲妻や雷のただ中を進みました。手土産にジェラートを買おうと考えていたのですが、ジェラート屋のすぐ近くには駐車できる場所がなく、あまりのどしゃ降りに、結局手ぶらで親戚宅を訪ねることになってしまいました。豪雨はもちろんですが、雷もかなり近くで鳴っていたので、これは賢明な判断だったと思います。
雨や雷にはらはらしながらではありましたが、久しぶりにオルヴィエート崖下周遊コースを歩けてよかったです。真夏には、夏の盛りの魅力もあることも分かりましたし、急ぎ足で回れば、駐車場から周遊コースへの往復も含めて、2時間弱で回れることも分かりました。
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Le nuvole nere impedivano la vista dei paesi e dei monti,
ma altrettanto suggestivo il panorama da Civitella del Lago
sul Lago di Corbara, anche qui il temporale stava per arrivare.
Per fortuna, siamo riusciti a finire il trekking lungo l'Anello della Rupe di Orvieto
prima che iniziasse a piovere a dirotto.
Civitella del Lago, Baschi (TR) 23/8/2019
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関連記事へのリンク
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5月の記事は、覚えてますよ~
今回は薔薇綺麗ですし、緑が生い茂る様子も素敵です☆
イタリアは、丘の街が多くて、眺めが良いですよね~
お天気が良いと見晴らしが素晴らしいのは何度か経験してるので想像出来ます~♡
お天気予報で雨と出ていたから、用意されてたレインコートは役に立ちまhしたね!
いつから雨になるとか?いう予報は最近では精度が上がりつつあるので、少し役に立つようになってきたように感じます♪
土砂降りと雷では、ジェラートは諦めて良かったですね!
石の道は、雨で滑るというのは経験でわかりますよ~
日本でですが、滑って転んだことが有り、幸い殆ど擦り傷くらいの怪我でしたが、良い経験になり、以後は注意して歩くようになりました!怪我の功名とはよく言ったことです♡
そのとき、崖下周遊トレッキングコースは歩きませんでしたが、なるほど、崖上と崖下両方から眺めれば、また季節を変えれば、さらに楽しめますね♪崖下に咲くバラの花が美しい!
japanitalytravel.comの記事は、小さな街のいい場所を紹介しているので、イタリア旅行のときに時々参考にしています。この記事を見て、多くの方がイタリア旅行を楽しむことでしょう!
嵐の雲の望遠画像はなかなか迫力満点ですね!!
岩壁の町からの風景が味わい深くて素敵ですね。
眼下に見下ろす海や遠雷、
遠く雨に煙る不思議な風景など、
地球の営みの豊かさを感じます。
フロントガラスからの雨のお写真でしょうか、
油彩画のようなワンシーンになっていますね。
豪雨の中大変だったと思いますが、
ひとつの思い出となりそうですね。
なんと濡れた石の上で転んだことがおありなんですね! わたしも登山中時々あるのですが、特に大雨のとき、石や岩の上を歩くと危ないので、危険になる前に通ることができて、ほっとしました。
JITRAの記事、旅行の際に参考にされているんですね。書きがいがあります。そう言えば、そろそろ9月号の締め切りが迫っています。嵐の雲や雷雨、美しいなと感動しながら眺めました。
そうです。最後の写真はフロントガラスを通して撮影したものです。そう言えば、確かに油彩画か印象派の絵のようにも見えますね! はらはらしましたが、無事にうちに帰れてほっとしました。
なだらかな山(丘)が点在して、眺めが良いスポットが無数にありそうです。
散歩中に小雨程度に打たれるだけならそれも風流ですが、雷雨は危険ですから車に戻って正解でしたね。
僕は停車した車の中で雨音を聴くのが好きで、大粒の雨が屋根を叩く音がたまりません。
ちょうど最後のカットのようにフロントガラスを流れる雨水越しの風景を眺めるのも好きです。
大粒の雨には確かに独特の、空の勢いや自然の力も感じられる風情もありますよね。雨水越しの風情を楽しむ、そういう心の余裕や持ち方、すてきですね。