イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ラヴェルナの緑の森にも秋の足音

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 切り立った崖の上に建つラヴェルナ修道院(Santuario della Verna)を覆う木々は、夏には緑に満ち、秋には黄に紅にと色づき、冬にはきっぱりと葉を落として裸になります。

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Santuario della Verna, Chiusi della Verna (AR) 13/9/2019

 9月に入ったばかりの今、ラヴェルナ修道院と岩山は、まだ一面が緑の森に包まれています。登山地図を見ると、修道院は標高1128m、修道院が建つ岩山の下は標高約1040mです。

 夫の車の中から、参詣路の出発地点であるラ・ベッチャ(La Beccia)にもう少しで到着するというときに、撮影したのが、冒頭の写真です。この位置からなら、右手に建つ教会やその前に立つ大きな十字架がよく見えるのですが、

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参詣路を歩いて、岩山の下に広がる野原まで来ると、教会も十字架も、緑の木々に隠れて、見えなくなってしまいます。

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 ラ・ベッチャの駐車場から、まずは石畳の参詣路を登っていくと、道端にまだ咲いているアジサイ(ortensia)の花があったので、驚きました。

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 坂道の途中で、写真の門の左脇から石垣の中に入り、岩山の下への近道を歩くと、

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門の向こう側の地面に、猛毒のイヌサフラン(colchico d'autunno)が、たくさん咲いています。食用で珍重されるサフランに花が似ていますが、サフランと違って、特徴ある赤いめしべがありません。

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 また、春に咲くクロッカスと違って秋に咲き、白い茎が長く、クロッカスと異なって、茎の横に緑の細長い葉がありません。

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 春には野の花がたくさん咲いていた岩壁の前の野原は、夏の盛りに草刈りが行われたためもあって、今は花が少ないのですが、それでも、ジャコウアオイ(malva muschiata)

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マツムシソウ属(genere Scabiosa)の花など、夏によく見かける花が、咲いていました。

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 岩壁の下を通るトレッキングコースに近づくと、赤紫色の小さくかわいらしい花も、岩の近くに咲いていました。

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 トレッキングコースは、修道院が建つ断崖の下を通り、ブナの森を進んでいきます。

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 森に入ってしばらくの間は、秋咲きのシクラメン(ciclamino)が、あちこちに咲いていました。この辺りでこんなにたくさん自生のシクラメンが咲いているのを見たのは、今回が初めてです。

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 この黄色い花も、森の入り口付近と出口付近で、いくつか見かけました。

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 ブナ(faggio)の森の奥に入ると、今は緑の葉が生い茂り、あまり日が差さないためでしょう、岩に緑の苔が生えるばかりで、地面には野の花がほとんどありません。けれども、この苔むす岩や緑の木々が何とも言えず美しいと感じる場所が、ところどころにあり、この写真はそういうお気に入りの場所の一つです。

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 野バラの実も、もう色づいてきています。

 ラヴェルナの緑の森や野原にも、少しずつ秋が近づいていることが、イヌサフランやシクラメンなどの秋の花、色づくバラの実から感じられました。

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Tanti fiori di ciclamino autunnale
,
belli ma velenosi i fiori di colchico d'autunno,
bacche rosse di rosa canina.
Il bosco è ancora verde, ma i primi passi d'autunno
anche nelle Foreste Sacre e nella Verna.
Chiusi della Verna (AR) 13/9/2019
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by suzu-clair at 2019-09-15 15:24
素敵な森ですね。
色々な花と出会えて、
散策するのもとても楽しそうですね。
シクラメン、もう咲いているのですね。
日本だと違う季節に見られそうな草花なども咲いているようで、興味深く拝見しました。
そちらのこれからの秋のようすも、拝見するのを楽しみにしていますね。
Commented by hanashigai at 2019-09-15 17:30
大きな岸壁の上に森に囲まれた建物が「天空の城」のようだと思いました。
少し調べたらネットでは「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」を舞台にした説もあるらしいですが、宮崎駿氏は「イギリスが舞台のつもり」とおっしゃっているそうで、実際にロケハンはイギリスウェールズ地方だったようで、ちょっとガッカリしてしまいました(笑)
ブナの森の爽やかな緑と、苔がびっし育った岩が凄く素敵な風景ですね。
小雨でしっとりした時なんか最高だと思います。
そしてこれからの秋が楽しみな風景ですね。
Commented by 3841arischan at 2019-09-15 19:14
なおこさん、ラヴェンナの森、緑が綺麗ですねー(^_-)-☆
秋のお花が、季節を感じさせてくれて良いですね❤
猛毒のイヌサフランも、お花を見るだけなら○です(笑)
ブナの森、愛媛では、珍しいと思います!先日、秋田県で沢山のブナの森を見たので
ちょっと親近感を、覚えます(*^^*)
Commented by snowdrop-uta at 2019-09-16 06:47
数年前のこの季節、貴船でも紫陽花がきれいに咲き残っていました。
川のそばや山寺など、湿気の多いところでは長持ちするようです。
イヌサフランが猛毒とは!猛犬に注意ですね。^^
秋咲きの花弁のすっきりしたラインが美しいですね。

自生のシクラメンにもあこがれます。
聖なる森の 花野(秋の季語)はしみじみ美しいですね。

FMでヴィヴァルディ「秋」を聴きながら♪
Commented by turubei33 at 2019-09-16 09:34
まだまだ緑が濃い背景に
秋の訪れを告げるコルチカムやコスモス
そして自生シクラメンの花々など、
見て歩いている楽しさが伝わります。
ブナの森がそちらにもある事にも驚きました!
Commented by milletti_naoko at 2019-09-16 15:56
すずさん、初夏には花でいっぱいだった野原や森で、今は花の数は少ないのですが、それでも咲いている花を時々見ることができて、うれしかったです。

約1000mと標高が高いこともあり、ラヴェルナの森では地上に先駆けて秋の花が咲くように思います。楽しみにしてくださって、そしてコメントをありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2019-09-16 16:06
放し飼いさん、ヨーロッパでは、近隣の市町村や国との戦いが絶えない時代が長かったため、町が断崖の上に築かれることも多く、修道院もまた世俗的思いを断つという意味からか、人里離れたところや、こういう岩壁の上に築かれたものがあちこちにあります。

ブナの緑、苔の緑に、自然の美しさに感嘆しながら歩いています。共感してくださったと知って、うれしいです♪ しっとりとしめり、雨のしずくが葉に残り、緑が潤う様子もまた、風情がありますよね。
Commented by milletti_naoko at 2019-09-16 16:14
アリスさん、イヌサフランも見る分にはきれいだなと改めて思いました。咲いてしばらくすると、茎が長いので、踏みつけられたり倒れたりしてしまっている場合もよくあるのです。

愛媛ではブナの森が珍しいんですね。イタリアではよく見かけます。夫がよくドライブ中にブナの木々を見かけては、「ブナがあるから、標高800mを超えているな」と言っています。
Commented by milletti_naoko at 2019-09-16 16:19
snowdrop-utaさん、貴船でもですか! 涼しく湿気が多いところ、なるほど、そういう環境であれば、時期を過ぎても、紫陽花が咲き続けやすいんですね。

イヌサフランは、咲いてからしばらく経って、くったりしているところを見かけることが多く、この日は今咲いたばかりという新鮮な花がたくさんあり、毒があるとは言えきれいだな、そして、つくづくサフランやクロッカスに似ているなと思いながら撮影しました。

自生のシクラメンは、春咲きの花は4月下旬から5月の初め、秋咲きの花は10月頃に、見かけることが多いように思います。いつかご覧になれるときがきますように。
Commented by milletti_naoko at 2019-09-16 16:33
蔓兵衛さん、思いがけず花もあちこちに咲き、苔とブナの葉の緑に包まれた森が美しく、歩くのが楽しかったです。例年なら、あと1か月もすれば紅葉が始まるのですが、今はまだカエデの葉もほとんどが緑です。

ブナの森、イタリアには多いんですよ。樹齢数百年という古木や巨木にも、出会うことが時々あります。
by milletti_naoko | 2019-09-14 23:46 | Toscana | Trackback | Comments(10)