2019年 09月 14日
ラヴェルナの緑の森にも秋の足音
9月に入ったばかりの今、ラヴェルナ修道院と岩山は、まだ一面が緑の森に包まれています。登山地図を見ると、修道院は標高1128m、修道院が建つ岩山の下は標高約1040mです。
夫の車の中から、参詣路の出発地点であるラ・ベッチャ(La Beccia)にもう少しで到着するというときに、撮影したのが、冒頭の写真です。この位置からなら、右手に建つ教会やその前に立つ大きな十字架がよく見えるのですが、
参詣路を歩いて、岩山の下に広がる野原まで来ると、教会も十字架も、緑の木々に隠れて、見えなくなってしまいます。
ラ・ベッチャの駐車場から、まずは石畳の参詣路を登っていくと、道端にまだ咲いているアジサイ(ortensia)の花があったので、驚きました。
坂道の途中で、写真の門の左脇から石垣の中に入り、岩山の下への近道を歩くと、
門の向こう側の地面に、猛毒のイヌサフラン(colchico d'autunno)が、たくさん咲いています。食用で珍重されるサフランに花が似ていますが、サフランと違って、特徴ある赤いめしべがありません。
また、春に咲くクロッカスと違って秋に咲き、白い茎が長く、クロッカスと異なって、茎の横に緑の細長い葉がありません。
春には野の花がたくさん咲いていた岩壁の前の野原は、夏の盛りに草刈りが行われたためもあって、今は花が少ないのですが、それでも、ジャコウアオイ(malva muschiata)や
マツムシソウ属(genere Scabiosa)の花など、夏によく見かける花が、咲いていました。
岩壁の下を通るトレッキングコースに近づくと、赤紫色の小さくかわいらしい花も、岩の近くに咲いていました。
トレッキングコースは、修道院が建つ断崖の下を通り、ブナの森を進んでいきます。
森に入ってしばらくの間は、秋咲きのシクラメン(ciclamino)が、あちこちに咲いていました。この辺りでこんなにたくさん自生のシクラメンが咲いているのを見たのは、今回が初めてです。
この黄色い花も、森の入り口付近と出口付近で、いくつか見かけました。
ブナ(faggio)の森の奥に入ると、今は緑の葉が生い茂り、あまり日が差さないためでしょう、岩に緑の苔が生えるばかりで、地面には野の花がほとんどありません。けれども、この苔むす岩や緑の木々が何とも言えず美しいと感じる場所が、ところどころにあり、この写真はそういうお気に入りの場所の一つです。
野バラの実も、もう色づいてきています。
ラヴェルナの緑の森や野原にも、少しずつ秋が近づいていることが、イヌサフランやシクラメンなどの秋の花、色づくバラの実から感じられました。
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Tanti fiori di ciclamino autunnale,
belli ma velenosi i fiori di colchico d'autunno,
bacche rosse di rosa canina.
Il bosco è ancora verde, ma i primi passi d'autunno
anche nelle Foreste Sacre e nella Verna.
Chiusi della Verna (AR) 13/9/2019
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色々な花と出会えて、
散策するのもとても楽しそうですね。
シクラメン、もう咲いているのですね。
日本だと違う季節に見られそうな草花なども咲いているようで、興味深く拝見しました。
そちらのこれからの秋のようすも、拝見するのを楽しみにしていますね。
少し調べたらネットでは「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」を舞台にした説もあるらしいですが、宮崎駿氏は「イギリスが舞台のつもり」とおっしゃっているそうで、実際にロケハンはイギリスウェールズ地方だったようで、ちょっとガッカリしてしまいました(笑)
ブナの森の爽やかな緑と、苔がびっし育った岩が凄く素敵な風景ですね。
小雨でしっとりした時なんか最高だと思います。
そしてこれからの秋が楽しみな風景ですね。
秋のお花が、季節を感じさせてくれて良いですね❤
猛毒のイヌサフランも、お花を見るだけなら○です(笑)
ブナの森、愛媛では、珍しいと思います!先日、秋田県で沢山のブナの森を見たので
ちょっと親近感を、覚えます(*^^*)
川のそばや山寺など、湿気の多いところでは長持ちするようです。
イヌサフランが猛毒とは!猛犬に注意ですね。^^
秋咲きの花弁のすっきりしたラインが美しいですね。
自生のシクラメンにもあこがれます。
聖なる森の 花野(秋の季語)はしみじみ美しいですね。
FMでヴィヴァルディ「秋」を聴きながら♪
約1000mと標高が高いこともあり、ラヴェルナの森では地上に先駆けて秋の花が咲くように思います。楽しみにしてくださって、そしてコメントをありがとうございます♪
ブナの緑、苔の緑に、自然の美しさに感嘆しながら歩いています。共感してくださったと知って、うれしいです♪ しっとりとしめり、雨のしずくが葉に残り、緑が潤う様子もまた、風情がありますよね。
愛媛ではブナの森が珍しいんですね。イタリアではよく見かけます。夫がよくドライブ中にブナの木々を見かけては、「ブナがあるから、標高800mを超えているな」と言っています。
イヌサフランは、咲いてからしばらく経って、くったりしているところを見かけることが多く、この日は今咲いたばかりという新鮮な花がたくさんあり、毒があるとは言えきれいだな、そして、つくづくサフランやクロッカスに似ているなと思いながら撮影しました。
自生のシクラメンは、春咲きの花は4月下旬から5月の初め、秋咲きの花は10月頃に、見かけることが多いように思います。いつかご覧になれるときがきますように。
ブナの森、イタリアには多いんですよ。樹齢数百年という古木や巨木にも、出会うことが時々あります。