
今日、友人のメールアカウントがハッカーに乗っ取られ、アドレス帳に登録されたわたしほか、多数の人に同じ内容のスパムメールが送られ、それに返事をすると、さらにその友人を装って、金銭を催促するメールが届きました。ドイツ出身である彼女の祖国の親戚にも、つい最近同様の被害に遭った人がいて、その親戚の乗っ取られたアカウントから、大勢の人に金銭要求メールが送られ、メールを受け取った人の中には、もう少しで多額の金銭を送ろうとしていた人がいたとのことです。ハッカーによるメールの乗っ取り、および親しい人からであっても怪しいメールには、十分に注意しましょう。
今朝、語学学校の同僚でもある友人のメールアドレスから、わたしが受け取ったメールはこちらです。

上の画像では、黒字がイタリア語で書かれたメールの本文で、わたしがさっと日本語に訳した文を青字で、見出しを太字の赤字で添えてあります。水色で塗りつぶしているところには、友人のメールアドレスと名前が書かれていました。
Salveという冒頭のあいさつが、ふだんの彼女とのやりとりから考えると不自然であるばかりではなく、ふだんやりとりしているメールアドレスとは違う、承認されたメール(PEC、Posta Elettronica Certificata)のアドレスから届いたこと、そして何よりも、届いた時間が午前4時過ぎであったことから、読んですぐに、このメールは怪しいと思いました。けれども、ちょうど今日の午後会うことになっていたので、それに関する連絡かもしれないと思い、念のために、まずは彼女との連絡にもっぱら利用しているメッセージアプリ、WhatsAppにメッセージで、「あなたのメールアドレスから不審なメールが届いたのだけれど、あなたなの」と尋ねる一方、本当に、携帯電話でメッセージが見られない場合のことを考えて、受け取ったメールを送付してきたメールアドレスにも返信をしておきました。
昼食後に携帯電話を見ると、「ハッカーにメールアドレスを乗っ取られてしまったので、わたしからのメールではないから、すぐに削除して。もう届け出もしてあるの。迷惑かけてごめんなさい」という返事がありました。
スパムメールというのは、ウィルスに感染させて個人情報を盗み出すためのリンクを添えてあったり、個人情報を盗み出そうと銀行などを装ったりする場合が多いのですが、わたしが今朝受け取ったメール自体には、リンクがなく、個人情報を聞き出そうとしているわけでもありませんでした。今日の午後彼女に会ったときに話をすると、朝からすでに大勢の知人・友人・家族から問い合わせの電話やメールが相次いだ上に、あれこれ届け出をしなければならず大変だった上に、メールアドレスの中でも、特に侵入には強いはずの承認されたメールアドレスで、こういうことが起こり、メールの内容には漏れると問題になる情報も多いので困り果てているとのことでした。届け出は郵便・通信警察(Polizia Postale e delle Comunicazioni)にしてあるとのことで、それは「郵便・通信警察は ローマに本部を置き、イタリア全 20州の州支部、81県の地域支部を統括し、全国で約 2,000 名の職員が属する機関」で、「インターネットを用いた犯罪行為(サイバーテロ、コピーライト侵害、ハッキング、国家インフラ保護、E‐バンキングを用いた詐欺・違法行為、オンライ ンゲームや賭け事など)の取り締まりを業務として」いるためです。(「 」内は、日本貿易振興機構『イタリアにおける青少年保護のための インターネット規制と運用』から引用。リンクは
こちら)
そして、なりすましメールの目的は金銭を要求することだと、会ったときに彼女の口から聞いていはいたのですが、それが具体的にどういうことかは、後でメールを確認していたら、友人が乗っ取られたアドレスから届いた2通目のメールがあったので、分かりました。

このメールは、わたしが返信した2時間半後に届いています。内容は要約すると、「返事をありがとう。今、コートジボアールを旅行中で、タクシーに携帯談話、クレジットカードと現金を忘れてしまって、手元に何もないので、申しわけないけれど、850ユーロを貸してくれないかしら。心配をかけたくないから、家族には言わないで。助けてくれるなら、方法はこちらから連絡するわ。」となり、要するにこうして、受取人が、差出人の家族や親戚に連絡を取らずに、金銭を自分たちハッカーに送付するように仕向ける詐欺であるようです。
被害に遭った友人は、ふだんから非常に用心深い人で、しかも今回ハッカー被害に遭ったアドレスは、一般の無料メールアドレスより、はるかに安全なはずの承認されたメールです。また、検索してみると、すでに昨年、イタリアで二人の弁護士がメールアドレスを乗っ取られて、同様の被害に遭ったというオンライン記事が見つかりました。そこで、インターネットは便利である一方で、メールアドレスやSNSのアカウントなどを、いつ乗っ取られてしまうか分からない、そういう危険も大きいのだということを、改めて思いました。メールアドレスを乗っ取られて、こういう形ですぐにそれが分かるならまだいい方で、知らないうちにオンラインショッピングサイトのアカウント情報が盗まれて、多額の買い物をされてしまう可能性もあれば、メールから得られる個人情報で、勝手に借金をされたり、クレジットカードを使われたりもされかねません。友人がこれ以上の被害を受けないことを願いつつ、インターネットは便利ではあるけれども、気をつけて使わなければいけないと痛感しています。インターネット上の詐欺やスパムメールは、まずは英語圏、次いでイタリア、しばらくしてから日本で似たような犯罪が起こることが多いので、イタリアの方はもちろんですが、日本や他の国にお住いの方も、十分にご用心くださいませ。

メールの話ということで、地動説を唱えたコペルニクス(1473-1543)の生誕500年を記念するバチカンの切手の写真を添えておきます。モンテ・デル・ラーゴで開催されていた文通まつりの展示会場で、今年9月5日に撮影した写真です。消印まで、うまく地動説を表すデザインになっていて、興味深いです。
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参照リンク- Il Tirreno - Entra nella mail dell'avvocato e chiedono soldi a nome suo (2018/12/6)- メールのハッキング被害から身を守る10の方法
関連記事へのリンク- 自分のアカウント情報流出に恐喝詐欺メールで気づきびっくり (2018/9/6)- 他人が不正ログイン (2012/11/6)- 警察から電話、不正ログインその後 (2012/11/8)- 米・台湾からの不正ログインをグーグルがブロック (2018/6/25)
Articolo scritto da Naoko Ishii
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