2019年 11月 03日
夜も美しパンテオン、ローマ

夜空の下、厳かな古の神殿がまだ開いていて、入り口に他の観光客が並んでいるのを見て、「ぼくたちも中に入ろう」と夫が言うので、しばらく列に並んで、パンテオンの中に入りました。

古代ローマ時代に、あらゆる神を祀る神殿として築かれた神殿は、中世にキリスト教の教会となり、

教会の長椅子には、信者と思われる人も多かったのですが、午後6時半近いというのに、かなりの数の観光客がいました。パンテオンについて説明をするガイドも、あちこちにいます。
この角度から内部を見ていて、イタリアの初代国王、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世(Vittorio Emanuele II、1820-1878)の墓(上の写真中央よりやや左)があるのに気づきました。1861年にイタリア統一を果たしたヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の彫像は、イタリア各地で見かけるのですが、まさかここに墓があるとは思わなかったので、驚きました。

さらに、次にイタリア王となったウンベルト1世(Umberto I)の墓もあることに、夫が気づいて教えてくれました。わたしと夫が結婚した教会があるペルージャ北方の集落が、コッレ・ウンベルト(Colle Umberto)と呼ばれるのは、このウンベルト1世が滞在したときに、王に敬意を表して、地名が変わったためです。

ラファエロ(Raffaello)の墓が、本人の望みによって、やはりパンテオン内にあり、そして石棺に刻まれた言葉が、ピエトロ・ベンボのものであると知って、また驚きました。

天井の丸い穴から夜空が見えるのを見て、「まるで大きな瞳孔のようだね」と、夫が言います。

ホテルまでの道はまだ長く、夫が早く出て行きたがっていたので、気になった壁画や彫像だけ、近くから見たり撮影したりして、パンテオン内部を急ぎ足で訪ねました。

古代の柱の向こうに、現代のローマの町、紀元前13世紀にエジプトで築かれたオベリスクが見えます。

このあと、ホテルへと戻るつもりで、パンテオンを後にしたのですが、そもそもパンテオンに着いた時点で、本来進むべき方向からかなり逸れていたのに、その後さらに見当はずれな方向へとしばらく歩いて、カンポ・ディ・フィオーリ広場が見えるところまで行ってしまい、そのときになって、ようやく間違いに気づいて引き返し、

一つ前の写真の20分後に、再びパンテオン前の広場に戻りました。いたずらに歩いて、ホテルに戻るのが遅くなりましたが、道を間違えたおかげで、夜も美しいパンテオンを訪ねることができて、うれしかったです。
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Bello il Pantheon anche di notte.
L'abbiamo trovato davanti per caso,
sbagliando la strada per tornare all'albergo.
Per caso o per provvidenza?
Comunque, per uno sbaglio fortunato,
abbiamo potuto visitare il tempio meraviglioso
dove si trova la tomba di Raffaello
insieme a quelle dei primi due re d'Italia.
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私なんか人混みに酔ってしまって観光どころでなくなりそうです。なのでパンテオンも外から見たのみ、今回内部を紹介して下さって嬉しかったです。
パンテオンについての文章(「リヴィアの夢 パンテオン)があります。
彼女のこの文章を読んでパンテオンを見たいと強く思った時期がありました。
その後ローマには行きましたがこのパンテオンには寄らずでしたので、
naokoさんの写真で内部の様子がよくわかりましたし、文章の内容も改めて
よく理解できました。
どうもありがとう。いつか機会があれば訪ねてみたいと思います。
すでにご存知かもしれないですが、須賀敦子さんはイタリア人と結婚、夫が
亡くなるまでミラノに住んでいました。『ミラノ霧の風景』で好きになりました。
いい文章を書かれます。
偶然通りかかったというのがいいです~
私は、グーグルマップを活用して手に取りながら進み、ここへ入りましたが、並んでいたのと簡単な手荷物検査もあったのに驚きでした!
中は、なおこさんの解説のとおり素晴らしくて、私も写真を撮ったりしましたよ~♫
ここは、父と2人だけでフリ―タイムで訪れたのでじっくり、ゆっくりと出来て良い時間でした(*^_^*)
確かに、ここは、なおこさんのホテルからは逆方向でしたね!
私たしは、ここからさらにトレビの泉方向へ向かいましたが、途中で予定してなかった教会にちょこっと寄り道したりもして楽しい時を過ごせたのを思い出しました、ありがとうございます(^^♪
人が多すぎるような気もしますが、建物の陰影がくっきりして、昼間とはまったく違った景色!
天窓から見える夜空、というのも良さそうですね。
私が初めて行ったときは、ちょうどラファエロのお墓の横で室内楽のコンサートをやっていて、おまけに頂上の天窓から降りてきた陽射しがちょうど絵に当たり美しかったのを思い出しました。
アリスさんはグーグルマップを活用しながら到着されたんですね。すばらしい! わたしは歩くときに使うグーグルマップは苦手で、夫も使い方が把握できていなかったため、グーグルマップが指示していると夫が考える方向に進んでいたら、パンテオンが目前に現れたのですが、そうでもなければ今回訪ねることもなかったでしょうから、うれしい遠回りでした。
やはりお父さまとお二人でフリータイムだと、時間がゆったり、思うように使えますよね。わたしたちも、いくつもの予定にはなかった教会を訪ねました。と言うより、そもそもパスポート更新を第一の目標に掲げていた上、バスがローマに遅れて到着したために、当初予定していた博物館を訪ねる時間がなくなってしまったので、この日は他に決めていた訪問すべき場所はなく、夫がこれはと気になった教会に入っていくので、わたしも後について行きました。大使館と日本料理店には、わたしについてきてもらったわけでもありますし。こちらこそ、うれしいコメントをありがとうございます♪
天窓から差し込む日の光が絵を照らし、しかも室内楽の演奏があったとはすてきですね。
私は、昼間しか行ってないのですが、昼間より人が多く感じます。
夜景は、どこも綺麗なので、見たかったのですが、
やはり、夜は何だか危険な感じがして、出かけないようにしていました。
やっぱり見にいけばよかったかな・・・・
わたしも夫といっしょでなければ夜は外出しなかったと思います。大使館にパスポートを受領しに行った帰り道で、まだ6時過ぎだったのですが、最近は日が暮れるのが早いんです。
