イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_7224586.jpg
 古代ローマの遺跡の近くに、その石を利用して、近代に築かれた建造物が立つ場所で、紅葉やトキワサンザシ(piracanta)などの紅の実が美しいのが、今日は最も印象に残りました。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_761871.jpg
Parco Archeologico Urbs Salvia, Urbisaglia (MC) 23/11/2019

 朝、天気予報地図を見て、マルケ州の南なら雨に降られずに済みそうだからと、行くことに決めたのは、マチェラータ県のウルビザッリャ(Urbisaglia)です。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_7194135.jpg

 古代にあったと言うこの大きな建造物は、

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_7224586.jpg

今はかろうじて壁が残るばかりですが、カエデ(acero)

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_7244071.jpg

こちらの木の紅葉や赤い実、

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_7255961.jpg

熟れたザクロ(melograno)の紅に彩られて、とてもきれいでした。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_7304614.jpg

 ウルビザッリャ(Urbisaglia)の歴史的中心街は、今は小高い丘の上にあります。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_7383067.jpg

 この丘の高みから、下方を見やると、今は一面が緑になっているのですが、

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_7432810.jpg

古代ローマ時代には、通行の要所として栄えたウルブス・サルヴィア(Urbs Salvia)の町が広がり、城壁に囲まれた町の中には、多くの家が立ち並び、劇場や神殿などの大きな建造物もありました。

 古代ローマ時代の町並みを推察して描いたこの案内看板の絵の左上には、ダンテ(Dante Alighieri、1265- 1321)が『神曲』(Divina Commedia)の天獄篇(Paradiso)で、栄えた町や家もやがては滅びてしまう例として、他の町と並んで、ウルビサッリャを例に挙げる詩行(canto XVI 73-79)が引用されています。かつては栄えた町の今はほぼ跡形も残らぬ様子とダンテの詩句に、盛者必衰を説いた『平家物語』の冒頭や世の無常を語る『方丈記』の冒頭の言葉が重なります。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_8123683.jpg

 ウルビザッリャには、2枚上の写真に見える細いジグザグの道を下って、古代ローマの町の跡を訪ねる考古学の道(Itinerario Archeologico)があり、上の地図には、その道が赤い点線で記されています。

 そして、現在の村名、ウルビザッリャ(Urbisaglia)の由来となる古の町名、ウルブス・サルヴィア(Urbs Salvia)が、40ヘクタールもの広大な考古学公園、ウルブス・サルヴィア考古学公園( Parco Archeologico Urbs Salvia)の名ともなっています。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_8225193.jpg

 動物を描いた美しい壁画が残ると言う、上の地図に⑦で記されたこちらの遺跡をはじめ、劇場や神殿などの重要な遺跡は、けれども、柵があり錠がかかっていて、柵や網の外から眺めることしかできませんでした。村の観光案内所が、土日は開いていると村のサイトに書いてあったので、観光案内所が開いている時間に着くようにしたのに、その扉には「閉業で、観光情報は城塞で尋ねるように」と張り紙があり、城塞に行くと、城塞もまた入口が閉ざされていて、観光情報を得るには次の二つの電話番号にかけることと、張り紙にあり、その電話番号にかけると、「観光案内のためにいるべき場所が二つあるのに、今日は人が一人しかいないので、今はだれもいないけれども、午後3時以降には開くはずだ」とのことです。観光案内は、午後1時までやっているはずなのに、午後12時過ぎには、もうだれもいませんでした。

 そういうわけで、どうすればこうした見るべき場所を訪ねられるかが分からなかったのが、ひどく残念だったのですが、紅葉や花など、自然の風景を愛でることができました。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_8315717.jpg

 丘から小道を下ってすぐのところには、紅葉が美しい桜の木(ciliegio)があり、

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_8341419.jpg

その下の落ち葉も、色とりどりできれいでした。ヒナギク(margherita)も、寒空に健気に咲いている花が、まだいくつかあります。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_8365823.jpg

 そのすぐ近くには、一輪だけ、まだ咲いているバラ(rosa)もありました。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_8393064.jpg

 古代ローマ時代にあった町を取り囲んでいた城壁は、今も残っていて、その前を歩いて円形劇場に向かったのですが、城壁よりもむしろ、オーク(quercia)のみごとな大木が並んでいることに、感嘆しました。

秋色の古代に栄えた町の跡、ウルブス・サルヴィア考古学公園_f0234936_8425572.jpg

 木の下はもちろん、道までも、かわいらしい木の実たちに覆われ、歩いていると時々、落ちた木の実が地面にぶつかって立てる音が聞こえてきました。

 電話をかけたときの返事からは、夏など観光客が多いときであれば、観光案内所も開いているし、職員も複数いると思われますので、いつかそういうときに再度訪ねて、今回は見られなかった劇場や神殿などを、間近から見てみたいと考えています。

*************************************************************************
Foglie rosse e bacche di color cremisi
,
tante ghiande di querce maestose.
Peccato perché erano chiusi il teatro e il tempio,
ma molto belli i colori d'autunno
al Parco Archeologico di Urbs Salvia.
Urbisaglia (MC) 23/11/2019
*************************************************************************

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 応援クリックを二ついただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

トラックバックURL : https://cuoreverde.exblog.jp/tb/30916855
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by 3841arischan at 2019-11-24 13:54
こんにちは^^
ウルビザッリャ(Urbisaglia)の歴史的中心街
ほんとに小高い丘の上にあって素晴らしい景色ですね(^^♪
古代ローマ遺跡のある街は、イタリアには沢山有りますが
素朴な感じの街が多くて、街歩きが楽しい場所が多いですよね☆
神殿や劇場跡を見れなくて残念でしたけど、またの機会に紹介して頂く楽しみが増えました、またよろしくお願いします♡
Commented by ciao66 at 2019-11-24 20:31
とてもいいところですね!
何にも残っていないような原っぱに見えますが、
崩れた城壁とオークの木が古代を偲ばせます。
ダンテが言及したという街に何が有ったのか・・・

せっかく行ったのに、観光案内所の情報がまちまちなのは残念でしたね。イタリアらしいような、冬には来ないでね、気分次第よ、という感じでしょうか・・・
Commented by milletti_naoko at 2019-11-25 17:57
アリスさん、こんにちは。やはりごく小さな村のはずれにあるモリーゼの古代の神殿と劇場が、入場料を払ってではありますが、きちんと整備されて様々なものを十分に間近から見ることをできたことを思うと、残念でしたが、いつか訪ねられる日を楽しみにしています。

最初から訪ねられないと分かっていればよかったのですが、サイトには案内が少なく、開いているべきだった肝心の観光案内所が閉まっていて、歩くのに必要な情報が得られなかったのが残念でしたが、秋の色が本当にきれいでした。
Commented by milletti_naoko at 2019-11-25 18:05
ciao66さん、鮮やかな木の葉や木の実が秋の風情で、とってもきれいでした。美しい色とりどりの桜の落ち葉に感嘆しました。異民族の侵入により破壊された町で、平地に建て直す代わりに丘の高みに新たに町を築いたのだという説明が多かったのですが、写真でご紹介している入れなかった場所の説明を読むと、倒れた柱などから大地震があったらしいことが分かるとのことなので、その影響もあるのかもしれません。

イタリアではもともと夏だけ観光案内所が開いているという町が、地方では特に少なくないので、それは仕方ないなと思うのですが、唯一確実な情報が得られるのが観光案内所のみで、そこが開いているとサイトには書かれていたのに、閉まっていたので困ってしまいました。宝探しのような観光、イタリアの小さな村では、特に閑散期には時々あります。「冬には来ないでね、気分次第よ」、おお、まさにそんな感じです。何だか歌ができそうですね。
by milletti_naoko | 2019-11-24 08:50 | Marche | Trackback | Comments(4)