イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

愛をこめ情熱をかけたものだけが

「愛を込めて
 情熱を注いで
 誰かのために、何かのために自らの時間や力を捧げて、
 そうして行ったことだけが、永遠の世界にも残っていくのです。」

 イタリアでは、家族が集まって過ごす祝いの最たるものであるクリスマスを控えた23日の晩に、わたしたちの結婚式で保証人を務めてくれた友人のお父さんが亡くなり、今朝教会で、葬儀が行われました。亡くなった方はウンブリアでは知られるシェフでもあり、大勢の人がミサに参列していました。

 25日のクリスマスでは、幼子イエスの誕生を祝う聖書の章句が読まれたと言うのに、イタリアではやはり国民の祝日である今日、聖ステーファノの日に読まれた章句は、聖ステーファノの殉死とイエス・キリストの受難に関するものだったので、ミサで聞いて驚きました。二人とも愛のために、人々のために自らの命を捧げたのだということで、説教の中で、司祭が上のようなことを言っていました。ミサのあとでは、故人をよく知る人による追悼の辞があり、熱意を注ぎ、すばらしい仕事をしていたこと、思いやりがあり温かい人であったことが、皆の口から語られました。

 説教には、死んだら現世のものは何も持っていくことはできないという言葉もあったように思います。だからこそ大切なのは、愛情や情熱を傾け、自らの時間や力を捧げて、何かをすることであり、そういうことだけが、永遠の世に残るのだと、司祭が語っていたのでしょう。また、追悼の辞を聞いて、亡くなったあとに人の心に残るのもやはり、同じように、その人が愛や情熱を注いで、誰かや何かのためにしたことなのだと、改めて感じました。

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"Il sogno di Francesco", Don Nello Palloni  3/2/2019

 48歳で亡くなった母や、44歳で突然倒れた職場の先輩の先生を思うとき、ことさらに、50代になった今も、元気でこうしていられる日々は、1日1日がありがたいものだと思います。

 苦手なことや苦手な人に対しても、もっと愛を込めて、情熱を注いで、ていねいに向き合って、時間をかけて取り組んでいけるようでありたいと、ミサの後に思いました。

 写真は、わたしたちの結婚式を執り行ってくれた神父であり、かつ画家でもあったドン・ネッロ・パッローニ(Don Nello Palloni)の作品で、題名は『Il sogno di Francesco』、訳すと「フランチェスコの夢」です。若いフランチェスコが、仮に夢見ていた戦功を立てたとしても、決して後世に残らなかったであろうその名が、今も聖人として知られ、敬愛されているのも、世の中、特に弱い立場にある人々を愛し、よりよい生き方を人々に説くために、祈りと瞑想に過ごすために、心身を捧げたためです。

 今は亡きドン・ネッロも、その美しい絵画を通して、生前の温かい言葉や行動を通して、今も、わたしたちの中に生きています。

 残るとか残らないとか言うことではなく、まずは自分の在り方として、今朝のミサの言葉も、心にしっかりと刻んで、行動に反映させていきたいと考えています。

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Foto: "il sogno di Francesco" Don Nello Palloni

- Rimarrà nel mondo eterno e verrà ricordato
solo quello che si fa con amore, passione e dedizione -
Dalla predica della messa di Santo Stefano.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2019-12-27 08:44 | Altro