2020年 01月 07日
最高の贈り物を説く主顕節、コルトーナ ファルネータ修道院


中世に築かれた、このファルネータ修道院(Abbazia di Farneta)は、ペルージャから無料高速道路でシエナ方面に向かうたびに、案内標識を見かけていたので、以前から気になっていたのです。
修道院の建物自体への好奇心から出かけたミサで、コンゴ出身の神父さんの説教がすばらしいので、まずは話に引き込まれ、そして、カトリック教徒ではないわたしも、心にとどめておきたい大切な学びを得ることができました。

まずは王(re)たちの様々な在り方について、話がありました。
「ユダヤのヘロデ王は、自らの権力を守ろうとするがために、自分の息子たちも、妻も姑も殺してしまうような利己的な人物でした。」という話があり、けれどもそこから、「誰かが自分よりも先に行く、よい成果を上げる、よいものを手に入れることを妬み、邪魔しよう、足を引っ張ろうとすることは、ヘロデだけではなく、人の常です。」と、わたしたち一人ひとりの心に問いかけました。「わたしたち自身の心からヘロデを追放しなければいけません。ヘロデのように、自分の視点からだけ、自分さえよければいいと考えて行動してはいないかと、自問することが大切です。」と言われて、なるほどと思いました。
「ユダヤの王が生まれた」と知って、ヘロデ王を訪ねた東方の三博士は、イタリア語ではtre Re Magiと言い、ですから、「王」と呼ばれています。今日の説教では、「王である上に、星を読むという魔術(magia)を知っているから、こう呼ばれる」と説明していました。「三人の王たちが捧げる贈り物のうち、最も重要なものは何ですか。」という問いかけに、わたしも自分なりに答えを考えていたのですが、「王でありながら、別の王、新しく生まれたユダヤ王、幼子イエスに拝謁するために、長い旅をする王たちのその謙虚さやイエスへの敬愛、贈る態度や心そのものが、最も大切なのです。」という答えを聞いて、はっとしました。

「贈り物で最も大切なのは、物そのものよりも、むしろどういう心から贈るかです。」
そのとおりだと思います。「相手を大切に思う心から贈るべきであるのに、仕方ないという思いや見栄から、また腹立ちまぎれに贈るのでは、何を贈っても意味がありません。」との言葉に、本当にそのとおりだと思いました。説教で言及されていたのは、モノでしたが、モノに限らず、言葉や行為、たとえば食事のしたくや掃除、あいさつの言葉、仕事でも、同じことが言えるのではないかと感じています。

「新しく生まれたユダヤの王」と、聖書で言及されている幼子イエスもまた、王です。今日のミサでは特に、幼子イエスの在り方については話がなかったのですが、昨日、日曜のミサでは、「わたしたち人間と同じように、母の胎内に生まれ育ち、わたしたち人間と同じように苦しみを背負い、死んでいったイエスは、わたしたちにも同じように、そのときそのときに置かれた状況の中で、深く一心に、懸命に生きることが大切だと、自らの人生を通して伝えてくれているのです。受け入れがたいことを受け入れること、死の恐怖や苦しみ、そのすべてを、イエスも経験されたのです。」という言葉がありました。
そうやって深く生きる中でこそ光が見つけられるのだという言葉に、ペルージャで仏僧から聞いた「集中力がいかに大切か」という話や、今を生きることの大切さを説くディーパク・チョープラの言葉が重なりました。
あのとき仏僧は、「皆さん、1ユーロあったら何をしますか。では、100万ユーロあったら何をしますか。」と、間を置いてわたしたちに呼びかけ、それぞれの金額でできることが大いに異なるように、集中力が欠けている場合と一心に何かを行う場合では、その成果がまったく違ってくるのだと言っていました。

「東方の三博士たちは、イエスに面会したあと、それぞれ別の道を通って、自らの国に戻っていったのですが、それは、出会いを機に、以前と同じことをし続けても、これまでとは異なる生き方、態度であったということで、わたしたち自身も、主顕節を迎えて、これまでよりも相手の立場に立って考え、利己心にとらわれず、謙虚に、愛を持って行動していくことが大切なのです。」
ミサで話を聞いたあと、あちこち別の町を訪ねたりしていて、帰りが遅くなったため、うろ覚えのところもありますが、神父さんは、そんなふうに教えてくれたように思います。心の在り方と言えば、遠い昔、渡辺和子さんの著書で、修道女となってまもない頃、300枚の皿をテーブルに並べていかなければならなかった渡辺和子さんが、皿を並べていたら、先輩の修道女から、「あなたは時間を無駄にしている。その皿で食べる一人ひとりの人の幸せを祈りながら置きなさい。」と言われたという話を読んで、感銘を受けたことを思い出しました。
新しい年を迎えるにあたって、まだ確とした抱負を書けるほどまでには、突きつめて考えていないのですが、今朝のミサをきっかけに、自らの視点や思いだけにとらわれず、何かするとき贈るときには、相手を思い、心を込めて行い、一つひとつのことにていねいに、一人ひとりの人にしっかりと、向き合っていけるようでありたいと思いました。

ミサのあと、ファルネータ修道院の周囲を散歩すると、遠くにコルトーナ(Cortona)の町並みが、小さく見えました。

朝晩ひどく冷え込むにも関わらず、きれいに咲いているバラの花を見て、うれしくなりました。
Abbazia di Farneta
Abbazia di Santa Maria Assunta in Farneta di Cortona
Località Farneta - 52044 Cortona (AR)
Tel. : 057561001
Sito : Abbazia di Farneta - HOME
Orario Messe: Domenica e feste 11.15
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"Qual è il dono più prezioso dei tre Re Magi?
E' il loro cuore, umiltà e rispetto, il viaggiare da lontano
per adorare il Gesù bambino.
Regalate con il cuore, non dalla rabbia, dall'orgoglio,
né da un senso di obbligo.
Con quale cuore si regala è più importante del regalo in sé.
Troppo orgoglio, troppa paura, troppo egocentrismo,
così Erode uccise persino i suoi figli, sua moglie e sua suocera.
Io prima di tutto, fastidi di vedere altri davanti a me
- Erode può essere in ciascuno di noi.
Stiamo attenti e cacciamo via Erode dal nostro cuore."
Commovente e bellissima la predica
di don Leslly Loubassou Massamba
nel giorno di Epifania all'Abbazia di Farneta.
Abbazia di Farneta, Cortona (AR) 6/1/2020
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明けましておめでとうございます。
初めてコメントさせていただきます。
昨年は、たくさんイイネをいただきありがとうございます。
2、3年前の記事にまで目を通していただき、イイネを
いただいてうれしくもあり恥ずかしく?もあり??(*^-^*)
今年もどうぞよろしくお願い致します。
こちらこそ、コメントといいねをありがとうございます。
緑やお花、趣ある陶器などを暮らしの中にさっと取り込んで、楽しみながら日々暮らされている様子がすてきだなと、興味深く拝読しています。
こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます♪