2020年 01月 09日
アルプスの山が呼んでる、実写映画『ハイジ』とマリッティメ・アルプス
わたしが訪ねたのは、スイスアルプスではなく、イタリアやフランスのアルプスではありますが、花と緑にあふれ、水が豊かな夏のアルプスの美しい風景に、思い出の懐かしい山の景色が重なりました。

そして、少女だった頃にはハイジの視点で見ていた大人たちの行動を、今、大人として見ると、ハイジを取り巻く大人たちのそれぞれの行動や人柄に、改めて思うこと、感じることがありました。そして、もう一度、原作を読んでみたいと思いました。
日本語の予告編に出てくる、クララのおばあさんのハイジへの言葉もすばらしいと思います。
「何かやってみたいことがあるなら、誰がなんと言おうと、とことんやってみるのよ。」

これまでわたしが訪ねたアルプスの中で、一番心に残っているのは、ピエモンテ州マリッティメ・アルプスのジェッソ渓谷です。
2011年7月に訪ねた美しい渓谷と、料理のおいしい宿を懐かしみ、おととし8年ぶりに、山頂近くの湖を目指して山を登りました。8月も半ばを過ぎていたため、そして、どうやら一部土砂崩れもあったらしいので、おそらくはそのために、初めて登ったときに比べると、花がずっと少なかったのですが、

2054mの高みまで登ると、以前と同じように、清らかな水をたたえた湖が、

空や周囲の山を、静かに映し出しています。
大好きなこのアルプスの渓谷で数日過ごすはずが、このときは、着いた晩に、夫の親友のお母さんが亡くなり、約7時間のドライブの末到着した宿に、2泊だけして、36時間後には、葬儀が行われる町へと、宿を後にしました。
ハイジがアルプスの山を見たい、帰りたいと切に願っていたのは、愛するおじいさんや大好きなペーターたちと、再びいっしょに暮らしたかったからであることはもちろんですが、石の壁に取り囲まれた町ではなく、緑の自然の中で過ごすことを、心と体が欲していたからでもあると思います。様々な意味で、おじいさんのいるアルプスの山がハイジを呼んでいたのでしょう。

わたしもまた、このピエモンテのマリッティメ・アルプスに呼ばれているように思います。改築費用などがかさみ、夫の車の買い替えをためらっている状況であるため、遠いためにガソリン代や高速道路代がかなりかかり、かつ宿泊料金なども高い北イタリアよりも、若干近く物価も安いモリーゼへと、去年の夏は旅行に出かけて、風景は美しく、食事もおいしく、人は優しくてとてもよかった上に、物価が安くて助かりました。ジェッソ渓谷に行くには、片道7時間、高速料金とガソリン代で往復200ユーロ余りかかるのに対し、モリーゼなら片道3、4時間で、ガソリン代も往復100ユーロで済むのです。ところが、モリーゼ旅行からの帰り道、同じ日に、2箇所で速度違反をして、夫がではありますが、合計200ユーロの罰金を払うこととなりました。これは結局、お金は出て行く定めにあるので、だったら心が望むところに行きなさいということではないかと、思ったりもしています。
今は義父母も、夫も、わたしの父も元気ですが、いつ何が起こるか、先のことは分かりません。いつか行ってみたいと思うところは、いつかではなく、行けるときに行くことが大切なのではないかと、映画の『ハイジ』に感動すると共に、そんなことも思ったのでありました。
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Gran voglia di rivisitare le Alpe Marittime, la Val di Gesso
e il Lago del Vei del Bouc (2054m) con fiori in estate
mentre ieri sera vedevo il film, "Heidi" alla televisione.
Le montagne e la natura mancavano alla piccola Heidi
e anche a me quelle bellissime della Val di Gesso.
Mi è venuta anche la voglia di rileggere il libro di "Heidi".
Questa volta leggerò la versione integrale in italiano
che sarà più fedele all'originale rispetto a quella in giapponese.
Foto: Val di Gesso, Alpi Marittime (CN) 21/8/2018
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 花のマリッティメ・アルプス / Alpi Marittime in fiore (7/2011)
- アルプス思い出の美しい湖へ、ピエモンテ ジェッソ渓谷 / Lago del Vei del Bouc (21/8/2018)
参照リンク / Riferimenti web
ハイジ アルプスの物語 [DVD] 岩波書店 ハイジ (上) ハイジ (下) 福音館書店 ハイジ
In italiano Heidi [DVD] (2015) Heidi [libro]
翻訳が忠実な完訳イタリア語版は、アマゾンにはないので、出版社のページへのリンクを添えておきます。子供に贈るのではなく、わたし自身が購入して読もうと考えているのは、この本で、評価も高いようです。
- Donzelli Editore - Heidi
Johanna Spyri. Illustrazioni di Tomi Ungerer, Traduzione di Valentina Garlandi


私は、スイスアルプス、行くには行ったけど、歩いたのは一昨年の下りだけで1~2時間の距離なのですが、それでも実際に歩くと、素晴らしい景色が広がり感動の連続でした~♡
「いつかではなく、行けるときに行く」コレは、私は常に実行してきたことで、多少は、家族に迷惑をかけてはいますが、自分の人生に於いて、後悔したことは1度もなく、周りの人達にも感謝出来て生きているので良い恵まれた人生だと常に感じています(^^♪
実母が今の私の年で亡くなったという事が私をそうさせてくれてるので、実母には感謝しかありません♡
なおこさんの今日の記事に共感して有り難いと思えて、ありがとうございます(*^_^*)


アリスさん、山歩きの記事を楽しみにしてくださって、ありがとうございます♪ ウンブリアやトスカーナ、アッペンニーニ山脈にも、自然や風景の美しい山はいくつもあって好きなのですが、ピエモンテのマリッティメ・アルプスは、水が豊かで標高が高いので、夏でも野の花がいっぱいで、湖あり滝あり、清らかな水が流れる川ありで、わたしにとって特別な山です。スイスアルプスを歩かれる、すてきな体験をされましたね。雪山や湖の美しいお写真、覚えています。
できるときにしてみたいことをすること、先延ばしにしないこと、大切ですよね。おっしゃるとおりだと思います。わたしも、母が早くに亡くなったこともあり、あと10年しか生きられないなら何をしたいかと考えて、退職してイタリアに来て、いろいろありましたが、思いきって行動して、本当によかったと思っています。こちらこそ、心からのコメントをありがとうございます♪
ドイツ語は、大学では卒業に必要な単位以上に、いろいろな授業を取り、東ドイツの女性と文通をしたり、ドイツ語講座を聞いたり、ドイツ人の先生のアルバイトをしたりと、当時はかなり熱中していたのですが、もうあれから30年経って、基本でさえうろ覚えです。今教えている13歳の少年のお母さんがドイツ語の先生であるのも何かの縁かもしれませんね。まずはフランス語の再学習に励み、いずれはドイツ語の勉強もしてみたいとは考えています。授業中に、日本や日本語では…と説明していると、学校の同僚でもある母君が、「おもしろいわね。そう言えば、ドイツとドイツ語では…」と教えてくれて、興味深いことが多々あります。
そう言えば、移民への外国語教育は、イタリアではドイツでの研究に教わるところが多く、たとえば、移民のドイツ語がどんなふうに発達するかを研究して、それを語学教育に役立てる研究はドイツで主に行われていたと、大学で学んだように覚えています。近年イタリアでも同様の研究が盛んに行われています。
そうなんですね。『Amarcord』や『La Dolce Vita』などの名画を、わたしもぜひ一度通して見てみたいなと思っているので、こちらでも放映されるといいのですが。
スイスは4か国語で、ロマンシュ語も話されているんですよ。ベルガモ出身の言語学の先生が、ロマンシュ語は、ベルガモの方言と似ている、と言うよりむしろ同じだと言っていましたが、その真実のほどは定かではありません。距離的に近いので、その可能性が大いにあるとは思いつつも。その先生、ロマンシュ語がベルガモ方言をまねたと言っていたような記憶があって、授業の内容から逸れる余談でもありましたし、それであまりまともに話を聞かなかったのかもしれません。
こんなに素晴らしい景色の中を歩いて見たいですね。
ご主人もやはりスピード狂ですか?我が夫もそうなんです。
こちらは州が広いためベイエリアの我が家からこの砂漠の家まで800キロを約8時間で走る我々ですが、夫が運転している時は私は警察の見張り番なんです。今回こちらに来る時2回もパトロールカーを早めに見たため違反の切符は免れました(汗)
うちの夫、スピード狂ではないんですよ。普段は制限速度+10km/hで走ることが多く、まあそれでもイタリアでは+5km/h以上で走っていて捕まると罰金が発生するのですが、今回二度の罰金が取られた2箇所は、いずれもほぼ一直線で、前後は制限速度90kmなのに、そこだけ70km/hで、標識を見過ごしたか、後ろの車に追い上げられていたのではないかと思います。
そう言えば、ブログの読者で昨年仕事の依頼をくださった男性の方から、「あんまりだんなさんに怒らないであげてくださいね。男ってついスピードを出してしまう、そういうものなんですよ。」とお言葉をいただきました。