イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集

 1月20日は、イタリアの映画界の巨匠、フェデリーコ・フェッリーニ(Federico Fellini)が、1920年1月20日に生まれてからちょうど百周年の記念日です。

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_8125.jpg
Fellini 100, Castel Sismondo, Rimini 31/12/2019

 そこで、生地リミニ(Rimini)では、2019年12月14日から2020年3月15日まで、フェッリーニ生誕百周年記念展、Fellini 100が、開催されています。

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_7303787.jpg

 わたしたちは、この記念展を昨年の大晦日に訪ねました。

 入り口の切符売り場には、フェッリーニが、1960年代末から1990年まで、自らが見た夢を色を使って忠実に描き、言葉による説明を添えた夢の本、『Il libro dei sogni』の復刻版(リンクはこちら)など、フェリー二関連の本が並んでいました。

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_751190.jpg

 記念展では、この夢の本の絵や言葉を見られる展示もあり、興味深かったです。

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_823942.jpg

 年譜も、主なできごとを、写真や色を使って、図式で示していたので、要点がつかみやすかったです。

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_851576.jpg

 代表作の『甘い生活』(La Dolce Vita)をはじめ、記念展では、フェデリーコ・フェッリーニの様々な作品の一部を、

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_883033.jpg

会場内のあちこちで、映像だけ見たり、あるいは、

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_893959.jpg

椅子に腰を下ろし、ヘッドホンをつけて、見られたりするようになっています。

 イタリアへの興味から、まだ日本に暮らしていた頃、フェッリーニの映画をいくつか見たことがあります。当時は、話に脈略がなく、筋がつかみにくく、何が言いたいのかよく分からない映画が多いという印象を持っていたのですが、昨年末にこの記念展で、様々な映画を数分ずつ見て、イタリアの当時の世相を反映したり揶揄したりする興味深い映画も多いことを知りました。

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_8135977.jpg

 ローマ教皇や枢機卿などのためのファッションショーという、カトリック教国のイタリアでは、かなりとんでもない発想の場面が、笑いを誘いながら流れる映画もあり、その衣装を展示する広間では、そのファッションショーの場面を映像で見ることもできるようになっています。

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_81856.jpg

 新年の訪れが近づき、華やかに彩られた中心街には、「リミニ、甘い生活の町」(Rimini la città della Dolce Vita)という言葉が掲げられ、巨匠の生地であるという町の人の誇りが感じられました。

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_8222345.jpg

 Fellini100の会場であるリミニのシズモンド城(Castel Sismondo)を、この日わたしたちが訪れたとき、夜空には白い月が輝き、城の壁には、刻々と変わる映像が投影されていました。そのときは不思議に思ったのですが、新年を迎えて、真夜中過ぎに再び通り過ぎたとき、ちょうどこの辺りの広場で、大勢の人がディスコ音楽に合わせて踊っていたので、その祭りや踊りの気分を盛り上げるためのプロジェクトマッピングの準備をしていたのだと思います。

フェリー二生誕百周年、生地リミニ・テレビで巨匠の映画特集_f0234936_8302390.jpg
Dal sito www.mediasetplay.mediaset.it

 明日は、生誕記念に、テレビでも映画が放映されるはずだと調べていて、明日1月20日から、メディアセットでイタリア映画のみを放映する映画チャンネル、Cine34(34ch)の放映が始まり、1月20日は生誕記念で、1日フェッリーニの映画特集となっていることが分かりました。

 サイトの番組案内が見づらいので、以下にわたしの方で、明日の映画の放映予定を、ウィキペディアなどで確認した邦題、制作年度と共にまとめてみました。サイトのつくりから考えて、少なくとも上映後しばらくは、イタリア国内からはオンラインで視聴可能ではないかと思うのですが、明日になってみないと、はっきりしたことは言えません。

Cine34 (34ch) Fellini 100, film di Federico Fellini
21 gennaio 2020
5:26 - 6:50 Lo sceicco bianco / 白い酋長 (1952)
6:50 - 9:25 8 1/2 / 8 1/2 (1963)
9:25 -10:36 Le tentazioni del Dottor Antonio / アントニオ博士の誘惑 (1962)
10:36 - 13:17 Giulietta degli spiriti / 魂のジュリエッタ (1965)
13:25 - 15:47 La voce della luna / ボイス・オブ・ムーン (1990)
15:55 - 18:04 I vitelloni / 青春群像 (1953)
18:04 - 20:57 8 1/2 / 8 1/2 (1963)
21:10 - 23:31 Amarcord / フェリー二のアマルコルド (1973)
23:37 - 2:35 La Dolce Vita
22 gennaio 2020
8:30 - 10:48 La voce della luna / ボイス・オブ・ムーン (1990)
10:48 - 13:13 Amarcord / フェリー二のアマルコルド (1973)

 傑作、『甘い生活』と自伝的作品とされる『フェリー二のアマルコルド』、ロベルト・ベニンニも出演し、フェッリーニ最後の監督作品である『ボイス・オブ・ムーン』の三作品はぜひ見たいので、放映後しばらくの間は、オンラインでも鑑賞できることを願っています。

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 祝祭に華やぐリミニで友と年越し (1/1/2020)
- 夏のリミニ1 / Passeggiata a Rimini in estate (5/9/2010)

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ   

Commented by paradiso-norina at 2020-01-20 11:21
なおこさん、お久しぶりです。

懐かしいですねー!
30年以上前になりますがフェリーニの映画を夢中で見続けていた時代を思い出します。
昨年“道"を久々に見てあらためてじーんときました。
最後の作品はまだ見ていませんが他の作品もまた見なおしてみたいと思います。
イタリア以外の所も魅力的な場所が多く遊んでばかりでなかなかブログに訪問できずに失礼していましたがやっぱりなおこさんのディープな記事は面白いです。
またおじゃまいたします(^-^;

Commented by nonkonogoro at 2020-01-21 18:22
フェリーニの映画はあまり見たことがないですが
2011年に私たちのマンドリンアンサンブルで
ニーノ・ロータ特集をしました。
その年はニーノ・ロータの生誕100年だったのです。
フェリーニの映画の多くはニーノ・ロータが作曲しています。

道 (ジェルソミーナ)やフェリーニのアマルコルドも
演奏しました。
Commented by milletti_naoko at 2020-01-21 20:43
のりーなさん、フェリー二作品を夢中でご覧になった時期があったんですね。フェリー二の映画も作品によってかなり作風が違うと夫は言います。わたしもいつか『道』をぜひ見てみたいと思いました。

結局昨日は、『ボイス・オブ・ムーン』だけ見ることができました。この作品や『アマルコルド』はオンラインでは見られないのですが、他の作品は今確認すると、『甘い生活』など、いつまでか分かりませんが、オンラインで視聴可能のものもあるので、見られるうちに鑑賞できたらと考えています。

新年もよろしくお願い申し上げます♪
Commented by milletti_naoko at 2020-01-21 20:45
のんさん、なんとマンドリンでフェリー二映画の曲を演奏されたことがあるんですね! 映画だけではなく、音楽も耳慣れたものが多いですよね。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by milletti_naoko | 2020-01-20 09:13 | Film, Libri & Musica | Comments(4)