2020年 01月 30日
マツユキソウ咲く森は世界自然遺産、イタリア チミーノ山のブナの森
みごとなブナ(faggio)の森は、冬で木の葉がすべて落ちた今も美しく、登山道が、森の神殿へと導く参道のようです。
高さが40mに達するブナが多く、最も高いブナの高さが45mあるとのことです。その高さが分かるようにと、カメラを縦に構えて、木から遠ざかり、前に立つ夫とその大きさを比べられるように撮影してみました。
夫がマツユキソウ(bucaneve)のつぼみができているのを見つけて教えてくれたので、注意して見ると、森のそこかしこに、もう咲いている花もありました。
夫はマツユキソウが咲くにはまだ早すぎると言い、今年は確かに暖冬ではあるのですが、前にもこの時期に、それも雪が積もっている森に咲いているマツユキソウを、ラヴェルナで見かけたように覚えています。
苔むした大きな岩がいくつもあって、どっしりとした緑の岩を見ると、心が安らぎます。こんなふうに、くぼみに水がたまっている岩も、いくつも見かけました。
空とブナの木が、水にきれいに映る岩もあります。
今朝、森を歩きたいと言った夫に、このチミーノ山のブナの森を提案したのはわたしなのですが、通りがかりに訪ねたことがあるだけのこの森は、ひょっとしたら狩猟が行われるのではないかという不安がありました。そこで、夫がインターネットで調べて、2017年7月に、この森がユネスコの世界自然遺産(Patrimonio Naturale dell'Umanità UNESCO)と認められたことが分かり、「狩猟は禁じられているんじゃないの」という夫の言葉に、森に向かいました。ところが、チミーノ山の頂近くにある森へと車で登っているときに、山の中腹あたりに、多数路傍駐車する車があり、かつ赤い紙が張られているのを見て、その周辺で、イノシシの狩猟が行われている最中であることが分かりました。わたしたちが歩いて山を登っていたとき、マツユキソウの花を見つけた頃から、時々銃声や猟犬の鳴き声が聞こえてきたのですが、夫は、「ずっと下の方で遠くだよ」と言っていました。
さて、夫が、ぼくはあのブナの大木を見に行くからと、この写真の奥に小さく黒々と見えるブナへと歩いて行き、わたしは岩の写真を撮影しながら、夫が戻ってくるのを待っていたときのことです。 なかなか戻らない夫を待って、近くを歩いていたら、下方からけたたましい犬の鳴き声が聞こえてきます。それで、夫のいる方へと歩き始めたそのとき、写真を撮る心と時間の余裕はなかったのですが、わたしの視界の、そしてこの写真のずっと奥かつ左側から、突然動物が飛び出して、夫のいるブナの方へと走って行きます。近視のわたしが犬かと思って後ずさると、その後方から、数頭の犬が鳴きながら後を追い、先の一頭が逃げて行くので、ノロジカと分かりました。鹿と犬は、そのまま写真の右手へと駆けて行ったのですが、犬の鳴き声がいつまでも聞こえていたので、いつ戻ってくるかと、気が気ではありませんでした。
山を下って登山の出発地点が近づいたとき、犬のにぎやかな鳴き声がしてきました。「野生の動物の迷惑にならないように」、「犬はリードにつなぐように」と書かれている登山道の駐車場付近で、まさか狩猟はしていないだろうと思っていたのに、なんと車に戻ると、広い駐車場の向こう側に、わたしたちが歩き始めたときにはなかったイノシシ狩猟の旨を知らせる赤い張り紙があり、猟師たちの車が数台並んでいます。
駐車場は、自然や野生動物を保護する森の領域の境界のすぐ外にあり、いくら人間たちが森の外側だけで狩猟をしようと考えても、猟犬たちは森に入って野生の鹿を追い回してしまい、ひょっとしたら危害を加えてしまったかもしれません。銃弾の流れ弾が登山者に当たらないとも限りません。何事もなく無事に登山を終えることができてよかったのですが、もっと皆の安全や自然の保護をきちんと考えて、狩猟をしてほしいものだと思いながら、駐車場で歩き回る狩猟者たちを見ていました。
チミーノ山の頂上には、聖母マリアを祀る塔が建っています。この辺りにも、大きな岩がいくつもあり、石を積み上げて塀を築いた跡のようなものもあって、夫が、大昔に人が住んでいた跡だろうと言っていました。山に向かう道中、空がかなり曇っていたのですが、幸い雨に降られることもなく、ブナや岩、マツユキそうの美しい森を歩くことができて、うれしかったです。
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Suggestiva la Faggeta del Monte Cimino,
è bello camminare tra i maestosi faggi alti 40m,
tra grandi rocce di origine vulcanica.
Qua e là si trovano le piante di bucaneve,
molti hanno solo boccioli, ma già fioriscono altri.
Brilla il sole e si rispecchiano i faggi
sulle acque delle cavità delle rocce coperte di muschio
nella Foresta Vetusta riconosciuta nel 2017
come Patrimonio Naturale dell'Umanità .
Soriano nel Cimino (VT) 30/1/2020
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一緒に歩きたいなぁと思いました。
待雪草の名に、あれっ?
スノードロップですね。
庭では早くから咲き始めもう直ぐ終わりですが、この花かわいいので大好きです♪
春も近いですね。
昨日のユニクロの赤いダウンコート、素敵な赤ですね♪
赤い色はあまり着ないけれど、この色、いいなぁと思いました。
素敵な森なのに安全に歩けないとは残念でなりませんね。
無事でよかったですね^_^
こちらでは狩猟の危険はそれほどなくてもやはり熊が一番こわいので札幌近郊の低山でもなかなか一人では歩けないです。
だんだんエサ不足で里にと範囲を広げている実情ですし。。
、、にしても美しい森ですね。
マツユキソウが可愛い、、
今年の春は世界的に早いのかもしれませんね。
小学校の頃に習った『森は生きている』という歌に、「氷に閉ざされたマツユキソウだって 生きている」という歌があり、イタリア語のbucaneveにもある「雪」もあり、できれば和語で呼びたい思いから、日本では最近ではスノードロップと呼ぶことの方が多いのかとは思いつつ、マツユキソウと書いています。白い可憐な花ですよね♪
ありがとうございます。実際にはわたしの写真の色より落ち着いた若干暗めの色なんです。届いたコートを見て、これなら落ち着いていていいなあと思いました。
今のところ例年に比べて極端に雨量や積雪が少なく、暖冬で、そのために農作物や植物にもかなり影響が出てきているようです。
苔むす大きな岩にうっとりしながら歩きました。大きな岩を見ると、安心感を抱くのは、わたしの名字に「石」という言葉があるからかもなどと、夫とおしゃべりしながら。
何事もなくて良かったです!