イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

節分に月日学んでひらがな復習、イタリアで日本語初級

 今日の日本語の授業では、昨日だった節分について、「鬼は外 福はうち」と言いながら豆をまく慣習があると、簡単に説明することに決めていました。折り紙で鬼を折ろうかとも考えたのですが、週に1時間の貴重な授業です。ゼロからいっしょに日本語を学び始めてから、13歳の少年の週に1度の個人授業は、今日で43時間目になります。

 現在、教科書、『まるごと 日本のことばと文化 入門A1』では、第7課「へやが3つあります」で、形容詞を復習し、自分の家について話せるように学んでいるところです。教科書の学習と並行して、少しずつ進めていたひらがなとカタカナの学習が、先月ようやく拗音まですべて終わったばかりで、ひらがながきちんと読み書きできるかどうか、また、正しい書き順で書けているかどうかを、確認してみたいという思いもありました。

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 そこで、せっかく話をするならと、節分についてやさしい日本語で短い紹介文を書いて、ひらがなの復習をしようと考えて、これまでに学んだ語彙や表現、文法事項を使うことを心がけて、こんなプリントを作ってみました。わたしが説明しようと考えることを端的に示してくれる絵が、かわいいフリー素材集いらすとやのウェブページに見つかったので、プリントに添えました。

 『みんなの日本語 初級I 本冊』では第3課で出てくる「うち」が、『まるごと入門A1』では、第9課まで登場せず、「いえ」について話せるように学ぶ第7・8課では、ずっと「いえ」という言葉で学ぶことが、少し気になっていました。そこで、「鬼は外 福はうち」という言葉をきっかけに、「うち」は「内部、中」という意味を持つことから、「いえ」の意味でもよく使われると説明することにしました。

 そして、2月3日という言葉を使うことで、この機会に、月日の言い方を学習しようと考えました。少年への日本語の個人授業が始まったのは、おととしの夏です。12歳になったばかりの少年に、少年の両親が誕生日の贈り物として、少年が以前から切望していた日本語の授業を贈ろうと考えたからなのですが、当時は、週1時間の授業がいつまで続くのか、分からずにいました。そんな中、少年に何か学びたいことはと尋ねると、数字が勉強したいとのことだったので、数字はすでに学習済みです。最初の文、「2月3日は節分です。」で、2月3日が昨日の日付を指すことは、文脈から、少年にもすぐ分かりました。

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 今日のプリントの下半分は、こんなふうになっています。まずは少年が、数をきちんと覚えているかどうか、そして、ひらがなでかけるかどうかを確認するために、表の左端に、1から11までの数字をひらがなで書いていくように言いました。

 「さ」の書き順が間違っていて、ひらがなの「な」が思い出せなかったものの、9まではきちんと書くことができました。4、7、9については、「よん」、「なな」、「く」だけしか書いていなかったので、このあと月の呼び名を学習することを考慮して、それぞれもう一つの言い方も書くように言いました。

 「きゅう」を「くゅ」、「じゅう」を「じゅ」と書いてしまってはいたものの、数字もひらがなも、かなりきちんと覚えることができていました。イタリア語を母語とする人には、母音の長短が耳で認識できないため、「じゅう」を「じゅ」と書くような間違いには、よく出会います。

 このあと、2月を「にがつ」と言うなら、他の月は何と言うと思うかと問いかけて、少年自身が考えて、「いちがつ」、「にがつ」と書いていきました。ただし、4月・7月・9月については、数字の中国から伝わった読みの方を使うのだと、あらかじめ伝えておきました。月の名でも何でも、こちらから与えるより、自分で考えて書いた方がずっと記憶に残りますし、楽しさや書けたという達成感があります。さらに、ひらがなと数字の復習にもなり、わたしの方で、ひらがなの定着度と書き順が正しいかどうかを確認することができます。「がつ」の「か」の書き順が間違っていたので、

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すぐに、プリントの裏側に印刷していたこちらの表で、書き順どおりに「か」を上からなぞって2度書いてみるように言いました。この書き順入りのひらがなの表は、ちびむすどりる幼児の学習素材編「ひらがな練習プリント【五十音】」(リンクはこちら)から借用しました。また先述の、書き順が違った「さ」と仮名を忘れていた「な」も、同様にこの裏面の表で、練習するように言いました。

 日にちについては、11日と12日は規則どおりだからと、「じゅうににち」を教えて、「じゅういちにち」は、自分で考えて書くように言いました。不規則な1日から10日までは、ディクテーションで、わたしが声に出して言う日にちを、ひらがなでどれだけ書き取れるかを見ていきました。「みっか」が「みかっ」となってしまっていたので、「みっか」と書くこととその理由を説明したら、次の「よっか」はきちんと書けていました。

 こうして12日まで一通り書いてみたあと、「11日」以降は、若干の例外を除けば規則通りで、「数字+にち」でいいのだと説明し、少年の家族一人ひとりの誕生日がいつかを質問し、返事をするという形で練習しました。そして最後に、教科書『まるごと』193ページの表で、すべての月と日を学習し、少年からの質問に答えて、今日の授業を終えました。

 もちろん、「鬼は外 福はうち」という言葉を、豆はまきませんでしたが、大きい声で、豆を投げるふりをしながら、何度かいっしょに言ってみました。

 昨日、節分をイタリアの友人たちに紹介しようと、節分について書いた過去のブログ記事を探していたら、「鬼は外 福はうち」という言葉について、学校での懐かしい思い出と、「うち」と聞いての夫のおもしろい返事を書いた記事が見つかりました。興味があれば、ぜひお読みください。



 この2年前の授業の後、休み時間に、「雨が降って憂鬱な思いも、学校ではやっていたインフルエンザも飛んでいけ」という願いも込めて、大声で「鬼は外」と言いましょうと呼びかけたら、他の言語の先生方や生徒さんたちもとても喜んで、斉唱してくれていました。

 大きな声を出して皆でいっしょに何か言うこと、そうすること自体にも、皆を元気にしてくれる、すっきりさせてくれる力があるように思います。



 読み直して楽しいこの話は、昨日記事を見るまで、すっかり忘れていました。

 わたしのSNS上の友人・知人には、フェイスブックはイタリア人、ツイッターは日本人が多いので、ブログの記事を共有する際に、主として、フェイスブックではイタリア語、ツイッターでは日本語の説明を添えて投稿しています。

 今日の記事は、自分にとっての今日の授業の記録であると共に、いつかどなたかのお役に立つかもしれないと思い、書いてみました。

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1(ichi), 2(ni),3(san)...

Alcuni sanno contare fino a dieci in giapponese, certo anche il mio allievo di giapponese di 13 anni. Conosce anche i caratteri cinesi, 月 e 日 che indicano ripettivamente 'luna' e 'sole'. Allora, che cosa significa la parola, 2月(ni gatsu)? Anche dal contesto della frase il ragazzo ha intuito subito la risposta. E voi?
Poi allora come si dice 'gennaio' e 'marzo in giapponese? Ragionando con la propria testa e scoprendo la risposta, l'imparare è più piacevole ed è più facile ricordare parole e regole.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by nonkonogoro at 2020-02-06 10:03
こうして あらためて 日本語を眺めてみると~
「月」と「日」は 似ている。
英語などのように 毎月呼び方が変化するより
日本語のように 数字を入れるだけの方が 簡単なように
思えました。
日本だって 昔は 睦月 如月 弥生~だったのですよね。

豆まき しましたよ~
母の施設では 豆の代わりに 「ちちぼうろ」を配られたと言っていました(笑)

Commented by milletti_naoko at 2020-02-10 22:05
のんさん、月の名前、昔の方が風情があって美しい呼び名でしたよね。そのことも授業中に説明していて、どうして月の呼び名を変えたのだろうと気になり始めたので、また機会があれば調べてみたいと思っています。

お母さまの施設でも形を変えて節分を楽しもうと、施設の方が工夫されているのですね。
by milletti_naoko | 2020-02-05 09:43 | Insegnare Giapponese | Trackback | Comments(2)