イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ

 2月8日土曜の朝は、トスカーナ州シエナ県キウーシ(Chiusi)の町を再訪し、大聖堂、Cattedrale di San Secondianoの奥に見える柱廊から、

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_5493412.jpg
Chiusi (SI) 8/2/2020

大聖堂博物館(Museo della Cattedrale)とポルセンナの迷路を訪ねました。

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_5544844.jpg
Libri corali di Monte Oliveto Maggiore (XV secolo)

 大聖堂博物館では、2階の廊下に展示されている15世紀の交唱聖歌集が、興味深かったです。

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_5555712.jpg

 羊皮紙に、楽譜と飾り文字が書かれ、みごとな細密画が施されているのですが、説明を読むと、楽譜と飾り文字はそれぞれ別の修道士が担当し、細密画については、ルネサンスの名高い写本装飾家が手がけているとのことです。

 どの交唱聖歌集も、やはりシエナ県にあるモンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院(Abbazia di Monte Oliveto Maggiore)で、修道士たちが合唱をする際に、譜面台に載せて使っていたもので、上の写真の細密画を見ると、どんなふうに用いられていたかが、分かります。わたしたちが時々訪ねて、よく知っている修道院で使われていたルネサンスの交唱聖歌集だと知って、さらに関心が高まりました。

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_6215856.jpg

 この展示があった2階の廊下の窓からは、大聖堂と聖セコンディアーノの塔(Torre di San Secondiano)がよく見えました。

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_6275811.jpg

 この大聖堂と塔の地下には、ご覧のように、古代エトルリア人が紀元前4世紀に張りめぐらせた水路や利用していた井戸、そして、古代エトルリア人、古代ローマ人が使った大きな貯水槽があります。現在では、古代に貯水や排水のために利用されたと考えられているこの地下道は、けれども、「古の書に伝えられるポルセンナの迷路(Labirinto di Porsenna)ではないか」と、かつて人々が思い込んでいた時期があったために、今も、観光案内や入場券には、「ポルセンナの迷路」と書かれています。

 この地下通路は、決まった時間にガイドつきで訪問することができます。午前中最後のガイドつき訪問がそろそろ始まりそうだったので、博物館の訪問を急ぎ足で終えて、

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_653795.jpg

博物館裏にあるガイドつき訪問の集合場所に向かいました。出発前にガイドが、これから訪ねようとする地下通路について、歴史や構造などを説明してくれて、その際、足元にある半円形のふたを開けると、

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_6561883.jpg

下にある深いふかい井戸が見えました。

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_6571939.jpg

 こちらの長い階段を、ガイドと他の参加者のあとについて降りていき、かつての地下水路の中に入りました。

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_6584977.jpg

 古代ローマ時代には、水路として機能しなくなったためか、以後はゴミ捨て場として使われて、発見されたときにはゴミがたまっていたために、そのゴミから判断して、水路は古代エトルリア時代のものだと分かるのだそうです。また、ゴミを取り除いて訪問できるようになった水路は、まだ全体のごく一部なのだそうです。

 さて、上の写真で、黒い服を着た女性が左手の階段を登っているのは、

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_75890.jpg

その先にあるこちらの深い穴を見るためです。わたしも続いて、この穴を見てから、

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_771769.jpg

後ろをふり返って、来た道を撮影しました。

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_783225.jpg

 通路はまだまだ続きます。時に、上や左右に、穴や通路らしきものが見つかります。

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_710157.jpg

 再び狭くなった通路を、さらに歩き続けると、

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_711188.jpg

 やがて上方に、ガイドつき訪問の初めに、上からのぞいた井戸の穴が見えて、その穴から日の光が差し込んでいました。

迷路のよう大聖堂地下に古代の水路、キウーシ_f0234936_7242976.jpg

 2週間前、1月25日土曜日に、初めてキウーシの中心街を訪ねたとき、一番に見たかったのは、国立エトルリア博物館と墳墓(Museo Nazionale Etrusco e Necropoli、€6)でした。けれども、町立博物館『地下の町』(Museo Civico "La Città Sotterranea"、€4)と大聖堂博物館とポルセンナの迷路(Museo della Cattedrale e Labirinto di Porsenna、€5)との共通入場券、Biglietto Unico "Musei di Chiusi Card"10€で、最初の博物館訪問から15日間有効と知って、夫の反対を押し切って、この共通券を購入したのです。

 わたしと夫は、二人とも博物館はじっくり見る方ですし、地下墳墓や地下の町は、決められた時間にガイドつき訪問があったこともあり、2週間前には三つとも訪ねるのは無理なことが分かっていたので、夫は反対していたのです。三つとも、とても訪ねがいのある興味深い博物館でしたし、もし共通券を買っていなければおそらくどれかは訪ねずに終わってしまったでしょうから、訪ねられて本当によかったと思っています。

 地下通路のガイドつき訪問は、この後さらに続きます。巨大な貯水槽を訪ね、塔の構造を下から見上げて終わりとなるのですが、わたしたちはこの後、2ユーロ払って、さらに塔の上まで登りました。詳しくはまた、次の記事でご紹介するつもりでいます。

Museo della Cattedrale e Labirinto di Porsenna
Piazza Duomo, 53043 Chiusi (SI)
Tel. : 0578 226975
Email : info@museodellacattedrale.it
Sito : Museo della Cattedrale - orari e tariffe

********************************************************************************
Belle le miniature dei libri corali rinascimentali
del Museo della Cattedrale,
interessante l'avventura nei cunicoli sotterranei
del Labirinto di Porsenna.
C'è tanto da vedere e scoprire a Chiusi.
Chiusi (SI) 8/2/2020
********************************************************************************

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 古代エトルリア墳墓とスフィンクス、トスカーナ キウーシ / Tomba della Scimmia, Museo Nazionale Etrusco & Museo Civico, "La Città Sotterranea", Chiusi (25/1/2020)
- 農業にいそしむ白衣の修道士、モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院 / Lavorano ancora nei campi i monaci dell'Abbazia di Monte Oliveto Maggiore (14/3/2019)

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 応援クリックを二ついただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

トラックバックURL : https://cuoreverde.exblog.jp/tb/31053888
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by 3841arischan at 2020-02-13 14:59
なおこさん、3つがセットになった券、お得で良いし
次回の訪問までの期限が有る方が訪ね損ねることもないでしょう(^-^)
私も、この迷路がどのようになっているのか?興味深々だったので記事を読みながら、少しワクワクしながら拝見しました~
かなり狭い場所もあり、閉所恐怖症なら怖いかも?
何て、思いましたが、私は幸い大丈夫です(^_-)-☆
エルトリア時代?随分昔の人が、どのようにして作られたのか?
ローマ時代は、ゴミ捨て場になっていたというのも???ですね~
でも、ゴミを除いて、このように観光出来るように整えつつあるというのも、さすが観光に於いてはイタリア素晴らしいと思いました(*^_^*)
Commented by sunandshadows2020 at 2020-02-14 09:35
イタリアの建造物には地下を使うことも多いことに興味を持ちます。地震も多いし、でもその為の手も打っての設計なのでしょうね。紀元前4世紀に既にそのような素晴らしい構造の水路や貯水池があったとは!
Commented by milletti_naoko at 2020-02-15 22:28
アリスさん、この三つの博物館、考古学博物館の切符に含まれる地下墳墓訪問をはじめ、どれも地下のガイドつき訪問があるのですが、どの地下もそれぞれに、趣や歴史が違って、とても興味深かったです。一番狭いあたりが、教会の地下にある水路の基本的な構造である一方、共通入場券の真ん中にある町立博物館『地下の町』は、そういう狭い古代水路を発見した後世の家の所有者が、掘り広げてワインの貯蔵庫にしたり、発見した多数の骨壺をそのまま置いてあったりするのを見られるので、閉所恐怖症でも、特に苦しまずに訪ねることができるかと思います。

ゴミは、地上のゴミ置場に積み上げるより、掘る必要もないすでにある穴に放り込んだ方が、楽で衛生的だと、当時の人は考えていたのでしょうね。でも、そうやって古代エトルリアのすぐ後の時代にゴミで埋められていたおかげで、貯水槽は別として、古代エトルリア時代のままに、大きな変更が加えられずに残っているのだそうです。
Commented by milletti_naoko at 2020-02-15 22:40
お転婆シニアさん、イタリアの地下は、後世の人々が古い遺跡の上に建てたり、火山灰や崩れた土砂に埋まってしまったりしたためにできた地下だったり、キウーシの地下のように、ある一定の深さよりも下は、土壌を通って清らかになった水が、自然に防水性を持つ壁に守られてためられることを利用していたり、同じ地下でもその存在には様々な理由があります。

地下墳墓にも驚きましたが、地下に張りめぐらされた水路網にも驚きました!
by milletti_naoko | 2020-02-13 08:01 | Toscana | Trackback | Comments(4)