イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

イタリアの温泉ホテルで大ピンチ、ラッツィオ スティッリャーノ温泉

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 昨年12月の朝、突然に行き先を決めて訪ねたラッツィオ州ローマ県の温泉、スティッリャーノ温泉(Terme di Stigliano)は、宿泊した温泉ホテルが、便利で快適で、夕食のデザートもおいしくて、大当たりでした。

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Terme di Stigliano, Canale Monterano (RM) 4/12/2019

 紀元前6世紀から、古代エトルリ人が通っていたという温泉の地に建てられたホテルには、屋外にもいくつもの温泉があるものの、冬はその大半は利用することができません。けれども、その分、平日は宿泊料金がお得ですし、ひどく寒い日だったので、わたしたちは最初から、屋内の温泉にだけつかるつもりでいました。

 ホテルの敷地内には、古代ローマ時代の温泉施設と神殿の遺跡(2枚目の写真)があります。宿泊客は、ホテルの広大な公園でトレッキングもできると聞いていたために、この日の朝、わたしは、ホテルの夕食用、トレッキング用の服装に加えて、温泉に入るために必要な水着と水泳帽子、バスローブとサンダルも用意して、荷物の中に入れておきました。トレッキングをするかもしれないと、旅行カバンに加えて、登山用のリュックも用意し、かさばるバスローブはその中に、水着と水泳帽子はその外ポケットに入れて持って行くことにしました。

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 けれども、冬の間は、雨量も多く、公園は整備されていないために、トレッキングをすることができないということは、ホテルに着いて、宿の人に聞いて初めて知りました。以前にホテルに電話で尋ねたことがあり、宿泊客でないと公園内を歩くことができないことは知っていたのですが、まさか冬は散歩ができないとは予想もしていませんでした。

 温泉もホテルも、四方を野山に囲まれていて、夜に町を歩きたければ車で出かけなければいけません。ただ、ペルージャからは片道180km、車で約3時間と遠いため、温泉とサウナでゆっくりくつろいだわたしたちは、ホテルでの夕食のあと、ほかほかの部屋で、ゆっくりと休めるのが、むしろうれしかったように覚えています。

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 さて、出発前に疑問だったことがいくつかありました。イタリアの温泉は、混浴の温泉プールなので、原則的に水着は各自持参する必要があるのですが、水泳帽子については、着用を義務づける温泉もあれば、帽子なしに入れる温泉もあり、また帽子がない人に売ってくれる温泉もあって、対応がまちまちです。また、湯上がりの体を冷やさないためにはバスローブが、濡れた床を歩くにはサンダルが必要で、温泉を併設するホテルに宿泊しない客は、たいていの場合、バスローブもサンダルも持参する必要があるのですが、一度トスカーナのキアンチャーノ温泉で、袋入りの、ですから清潔なサンダルを、無料で貸してもらったこともあります。そして、以前にロマーニャの温泉ホテルに泊まったときに、バスローブは宿泊客には無料で貸し出していたのを覚えていました。

 宿泊客のわたしたちには、ホテルがバスローブとサンダルを貸してくれるのか、それとも自分たちが持参する必要があるのか。ホテルや予約に利用した宿泊サイトの情報で確認したものの、結局分からぬまま、バスローブもサンダルも、そして水着帽子も、すべてうちから持っていくことにしました。それでわたしが、旅行カバンとバスローブ・水着・水泳帽子入りの登山用リュックと登山靴を手にうちを出ようとしたら、夫が荷物が多すぎると言い、バスローブを旅行カバンにつめ替えてしまいました。

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 結果的には、ホテルの部屋に着いてみると、ベッドの上に宿泊の間ご自由にお使いくださいと、バスローブとサンダルが二人分置いてありました。夫は自分が持参した水泳帽子を利用しましたが、帽子なしで入らないようにという言葉は、温泉内で見かけなかったように覚えています。

 午後3時過ぎにホテルに到着したわたしたちは、ホテルのレストランでの夕食を7時半に予約しました。日が暮れるのが早いため、まだ空が明るいうちに、ホテルの屋外の温泉や風景を見て歩き、午後5時頃から約2時間、温泉やサウナを楽しもうと決めました。ところが、午後4時半過ぎに散歩を終え、ようやく部屋に戻って、水着に着替え、これから温泉を楽しもうとしていたときのことです。

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 温泉を楽しみに、朝食・昼食休憩を含めて、車で約4時間もかけてここまで来たというのに、なんと肝心の水着が見つかりません。しばらく必死で探したあとで、夫に言われてうちに置いてきた登山用リュックの外ポケットに、水着と水泳帽子を入れていたことを思い出しました。ホテルの四方は緑が続くばかりで、一番近い町まで行くにも時間がかかるでしょうし、冬に水着を売っているとも思えません。

 水着がなければ、せっかく温泉ホテルに泊まっても、温泉に入ることができません。夫はあきれましたが、わたしは自分の意向で勝手に登山リュックを置いて行くように言った夫をうらめしく思い、一縷の望みをかけて、温泉の受付で水着を売っていないかどうかを聞きに行きました。冬の平日なので宿泊料金はお得でも、四つ星ホテルです。水着を売っていても高いだろうな、そもそも置いていないだろうなと思いつつ尋ねると、

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幸い水着を置いてあって、20ユーロで売ってくれました。忘れた人用に安くて済むものをということでしょう。どれも色は青く、デカトロンの水着で、胸当てもなくスクール水着のようでした。それでも、温泉内では、プールの中にいるか、バスローブをはおっているかですから、着られさえすれば問題ありません。とにかく、目的であった温泉を楽しむことができて、本当に助かりました。

 ちなみに、わたしたちが温泉を出ようとするときに、やはり水着を購入している男性がいたので、うっかり水着を忘れたり家に置いてきたりする人は、意外といるのではないかと思います。20ユーロもする水着ではないと思うのですが、この20ユーロは翌日、不思議な形で手元に戻ってきました。

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Necropoli Etrusca della Banditaccia, Cerveteri (RM) 5/12/2019

 翌日木曜の朝、温泉からそう遠くないチェルヴェーテリの考古学博物館と墳墓遺跡を訪ねると、本来は一人10ユーロする共通入場券が、閑散期であるためか、木曜日は無料となっていたのです。ガソリン代はわたしが払ったものの、誕生日祝いにと、宿泊料金と夕食代は夫が払ってくれていたので、博物館と墳墓遺跡の入場料金二人分20ユーロは、わたしが払うつもりでいました。このあと、わたしが払ったピザ屋での昼食代二人分が合計20ユーロだったのは、たまたまなのか必然だったのか、何だか不思議な気がしました。

 話は変わって、今日の昼過ぎのことです。午後からの授業に間に合うようにと、慌てて買い物に出かけた際、家を出る直前に、カードで買い物ができるから、重くてかさばる財布はいらないと思い、免許証や身分証明証、カードと滞在証だけをハンドバッグの小さい内ポケットに入れ、スーパーに行きました。夫の職場では、昼食が割安で利用できるようにと、10枚つづりで各7ユーロの食事クーポン券を発行していて、給料からの30ユーロの天引きと引き換えに購入できます。夫は帰宅してうちで食べることも多いため、時々余った食事クーポン券をわたしにくれます。ペルージャ駅前のコープなら、食料品の購入には、このクーポン券を使うことができるので、今日も食料品を買い物かごに入れるたびに、合計金額がいくらになるかを暗算していました。レジの前の列に並び、全購入金額のうち、35ユーロはクーポン券が使えるから、5枚分切り取らなければと思ったそのときになって初めて、クーポン券は、うちに置いてきた財布の中にあることを思い出しました。

 いつもの習慣と違うことをしてしまうと、あるいは、頭の中で予定していたことを、他の人に変えさせられると、あるべきものがあるべきところになくて、いざというときに困ることがあるのだなあと、そのときに、温泉で水着がなくて慌てたことを思い出し、それで、昨年12月の温泉ホテルでの話を、今になってした次第であります。

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Belle le Terme di Stigliano immerse nella natura
, vicino si trova la necropoli etrusca di Cerveteri.
In qualche piscina termale è obbligatorio indossare la cuffia, a volte si trovano l'accappatoio e le ciabatte nella camera. Dunque, ho portato tutto quanto alle terme tranne il costume da bagno!
La città era lontana e a dicembre sarebbe stato impossibile trovare il costume da bagno in vendita nei negozi.
Per fortuna ho potuto comprarne uno all'ingresso delle terme. Meno male! Ci siamo arrivati dopo 3 ore di viaggio in macchina.
Il mio costume l'avevo messo nello zaino da trekking insieme all'accappatoio, ma mio marito mi aveva detto di lasciare lo zaino a casa, aveva spostato l'accappatoio nella borsa da viaggio. Il costume e la cuffia erano rimaste nella tasca esterna dello zaino.
Foto: Terme di Stigliano & Necropoli di Cerveteri 4-5/12/2019
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by 3841arischan at 2020-02-19 12:36
なおこさん、イタリアの温泉、水着がいるのですね!!
忘れてしまうと入れず、悲しいですね>_<
私も、海外旅行の時は、必ず水着を持っていきます❤
スイスのような寒い場所でも、室内温水プールがあるからです(^-^)
20ユーロならまだ良心的でしたね!
旅支度、決まった場所に決まったものを入れると忘れ物がなくて良いですね!!(^_^)ゞ
Commented by milletti_naoko at 2020-02-19 22:28
アリスさん、足元を見て、ひどく高い値段で水などを売る空港もありますが、まずは水着を買うことができて、そして、20ユーロで済んで助かりました。こんな水着、海では着られないと思う一方、前後かなり体を覆ってくれているため、背中などがかなりあいている一般の水着と違って、流れ落ちる温水の下にいても、肩の部分が落ちることがないので、温泉では便利で、これからも使えます。
Commented by AU3OGR at 2020-02-20 12:34
なおこさん

こんにちは😃
20ユーロ戻ってきて良かったですね!
きっと日頃の行いが良いからですね〜♪
ご主人とお財布が別なんですか?
海外では一般的なのかしら。
どちらがいくら出すか揉めないんですか?
Commented by milletti_naoko at 2020-02-20 17:36
AU30GRさん、思いがけず博物館と遺跡入場料が無料で、ちょうど水着代と同じ値段だったので驚きました。

友人たちには、夫婦で毎月いくらかずつ家計費として払っておいて、二人での支払いにはそれを使う人が多く、うちでも試みたのですが、改築が始まってから費用がかさんで、改築費用は夫が払うことが多く、金額も多いため、月の初めに多めの金額を出すことが難しくなったので、取りやめました。もめることは今のところほとんどありません。
Commented by sunandshadows2020 at 2020-02-21 10:17
最後の2枚の画像はまるで日本の様ですね。
水着忘れて温泉に入れない、一番困る事態ですが水着が購入できてよかったです!
そちらも温泉は水着で、こちらもそうです。カリフォルニアにも数カ所温泉がありますが、日本の様な風情のあるものではなくプールなのです。それでも良いから入りたいと最近思っているので、砂漠の中の温泉へ近いうちに行こうと思っています。
Commented by milletti_naoko at 2020-02-21 10:23
お転婆シニアさん、最後の写真のエトルリア墳墓遺跡は、ピラミッドのように石が積み上げてあるのがおもしろく、荘厳な感じがすると思って写真を載せたのですが、そう言えば、日本のお城のようでもありますね。最後から2枚目の竹林は、日本や中国を意識していたかもしれませんね。ホテルの庭です。記事では、どうしよう先が見えないというわたしの心象風景を、この暗い竹林に託してみました。

水着が見つかって助かりました。砂漠にも温泉があるんですね! 温泉はやっぱりいいですよね。
by milletti_naoko | 2020-02-19 07:52 | Lazio | Comments(6)