イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

茜色の町と決まらぬ車の購入、イタリア オルヴィエート

 先週は、岩壁の上に築かれたオルヴィエート(Orvieto)の歴史的中心街で夕日を見送ってから、暗くならないうちに、駐車場に戻ることができました。

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Orvieto (TR) 14/2/2020

 空にまだ茜色が残っていて、きれいでした。わたしは夕焼けの写真を撮るふりをして、駐車場にあっただれかの車を撮影しました。

 夫が20年近く乗り続け、走行距離が約40万キロに達し、数年前にエンジンさえ交換したことのある夫の車は、長年の間に何度か追突されたことがあり、また、夫自身が冒険心から悪路を走ることが多いために、車体やサスペンションにもがたがきていて、カーブを曲がるときしむことがあり、登り道で速度を出している途中に、無理をさせすぎるとエンジンが停止したりしまうことさえあり、要するに、車を買い替えるべき時期をとうに過ぎています。夫はずいぶん前から、それが分かっていて、あちこちのディーラーや中古車販売店を回っているのですが、なかなか心が決まりません。この写真に写る車は、夫が好きなタイプで、わたしもよさそうだと思うものの、値段が高くて手が出ない車です。

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 一方、まだ見晴らしを愛でながら、断崖の上を歩いていたときに見かけたこの白い車、ルーマニアのダチア・ダスターは、夫のいとこが購入して気に入っていて、昨年訪ねたときに、夫にひどく勧めていました。機能と性能の割に、値段が安いそうです。ただ、夫はこの車の形があまり好きではないようです。また、燃費がよくて安いからと、夫が好むのはディーゼル車なのですが、今のヨーロッパやイタリアで、ディーゼル車を買うのは、将来的に株価が下がると分かっている株を買うようなものだと、わたしばかりではなく、義弟たちも友人たちも言うので、さらに心が決まらないのです。

 夫も義弟も、最近のディーゼルは燃費がいいので、環境にはいいはずなのにと言い、また、ディーゼルの方がエンジンも長持ちする上に、馬力があると、長年ディーゼル車に乗ってきたディーゼル車派なのです。

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 欧州連合では、ディーゼル車の販売禁止を進めていく方針が取られ、その点では他国に遅れを取っているイタリアでも、ローマやミラノの中心部では、そう遠くない将来にディーゼル車が進入禁止となります。国や町によっては、ガソリン車も進入禁止となるようなのですが、それでもイタリアでは、今もディーゼル車を製造して販売する自動車会社が多く、ディーラーの人は、もちろん車を売りたいわけですから、イタリアではまだまだディーゼル車もどこへでも行けると、夫に言うわけです。ただ、日本でわたしの同僚たちが言っていたように、10万キロ乗ったら乗り換える人や3年、5年で車を乗り換える人には問題ないでしょうが、夫のように、10年以上乗る可能性が十分にある場合には、今ディーゼル車を買うのはやめた方がいいと、わたしは思うのです。

 改築費用がかさんで、そのローンもまだ残っている状況なので、さらに車のローンも払わなければいけないとなると大変です。大きくない車を買えば、ガソリン車でも燃費はいいし、値段もそれほど高くないのですが、夫は、山道・田舎道を走るので、四輪駆動でなくてもいいから、車高が高い車がいいし、草刈機を運べるだけの大きさはほしいと言います。中古車でも、3年ほど前の車でそれほど走行距離がないものであれば、かなり安いのでいいのではと思うのですが、夫は、もっと新しい中古車をもっと安い値段で買いたいと言うので、都合のいい車は、なかなか見つかりません。

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 わたしは日本車を勧めているのですが、トヨタが製造するのはハイブリッド車で、夫がほしいと思う車は、値段がかなり高くなってしまいます。日産やスズキも回ったのですが、そうそうこちらに都合のいい条件の車が見つかるわけでもなく、イタリアでは、ヨーロッパの他国の自動車会社も、ペルージャや周辺に販売店があちこちにあるため、選択肢が多すぎることもあって、夫の心もなかなか決まりません。

 と言うわけで、出かけたい方向に行くのに、急な坂道があったり、長い坂道があったりする場合には、夫の車では途中で止まるといけないので、最近はわたしのアイゴがよく活躍しています。

 そうして、買いたいと言いながらも、買う車が決まらないまま何ヵ月も経ったので、1月半ばに夫の反対を押し切って、

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わたしがこちらの自動車雑誌を購入しました。インターネットで検索すればいいからと夫は言いますが、検索結果として示される情報だけを見ていくという方法がわたしは好きではないのです。出発前に地図を確認せずに、ただカーナビだけに従うことも、わたしはできるだけ避けています。きちんと全体像を把握した上で、必要な情報を詳しく調べるという方法を取らないと、本来はもっといい車やもっといい道を見落としてしまうように思うからです。幸い夫も、最近はよくこの雑誌に目を通していて、インターネットで検索したり、ディーラーを回ったりする参考にしてくれています。

 買値は多少高くとも、夫のように年間の走行距離が多い場合には、 ハイブリッドの方が結局は、環境に配慮し、どこへでも制限なく行ける可能性が高い上に、燃費など総合的にかかる費用を考えてお得なのではないかと思うのですが、夫のディーゼル車信仰を転向させるのは難しそうです。

 と言うわけで、今も出かけるたびに、視界に入る車を見ては、あの車はどうだろうと言う日々が続いています。広告や雑誌に出ている値段と、実際に店で提示される値段が違うので、単純に比較もできず、かと言って、すべての自動車会社のディーラーを回るわけにもいかず、トヨタや日産は、夫が高いから、ハイブリッドだからと行きたがらないので困っているところです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by likebirds at 2020-02-21 10:39
milletti_naoko さん、こんにちは。
車の買い替えは本当に悩みますね。
使い勝手、使い方、燃費、最大の難問は価格ですね。
我が家でも一昨年、長年乗ったたRV車をやめて、軽自動車にしました。
もう年なので、険しいところには行けなくなり、手軽で高速料金や税金が安いのでランニングコストを抑えられるからです。
日本では軽自動車があるので老人には助かります^^。
likebirds(妻)
Commented by minoru2703 at 2020-02-21 11:29
最近の車は安全装備やらハイブリッドやら、いろんなものが付いてて高いですね
ちょっとした車で300万超えます
でも自動ブレーキなども欲しいところだし・・・
悩みますねえ
Commented by BBpinevalley at 2020-02-21 12:21
車って、なかなか意見もまとまらず、テンション上がるお買い物ですよね。
ヨーロッパは、ディーゼル車に力を入れていた会社が多くて、実際、とても良いディーゼル車を作っていましたよね。
イタリアでレンタカーしたら、ベンツのディーゼル車にアップグレードしてくれて、それがもう走るなんてものじゃありませんでした。
ものすごくエネルギーの効率が良くて、夫婦で感心しました。
あのVWの事件が、ディーゼル離れを即した理由なのでしょうか…(そうなら残念)

私も、車高の高い車が必要で、スバルのAWを買って、大変気に入っています。
他の日本車よりも安全度がうんと高く、北欧やドイツの車の安全度に並んでいます。
お値段は、ウンと安目なのに。
今までいろんな国のいろんな車に乗りましたが、これが一番気に入っています(長年のうちに、好みも変わった訳ですが)
お二人が納得出来る車が、早く見つかると良いですね。
Commented by milletti_naoko at 2020-02-22 20:08
likebirdsさん、こんにちは。
険しいところさえ行かなければ、うちも小さい燃費のいい車でよいし、安いのですが、夫は少しでも車高の高い車を望み、しかもついつい、気になると険しい道に踏み込んでしまうので困ります。

やはり、どれかに焦点を当てて車を選ぶ必要があるのですが、お二人は、ご自分たちでこれと納得されて、結果に満足される車を購入されているのですね。夫も、そういう車を見つけてくれますように。
Commented by milletti_naoko at 2020-02-22 20:10
みのるさん、ハイブリッドは、夫のように走行距離が長いと、買うときには値段が高くとも、ゆくゆくは元が取れるような気がするのですが、こちらではまだまだ乗っている人が少ない上に、高いですよね。

自動ブレーキがある車もあるんですね、びっくりしました!
Commented by milletti_naoko at 2020-02-22 20:14
BBpinevalleyさん、購入に際してなどのご経験、興味深いです。ありがとうございます。こちらの人が皆ディーゼルを讃えるのは、なるほどそうすると、実績があって根拠もあるのですね。

スバルの車、見てみたのですが、イタリアではあまり販売されていないからか、値段が高くなっているので驚きました。

ありがとうございます。昨日も夫の車、坂道で登りでスピードが出ずに夫が困っていましたので、そろそろ急いで決める時期が来ていると思います。
by milletti_naoko | 2020-02-21 10:16 | Umbria | Comments(6)