イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ひどい悪路示すこともあるグーグルマップ、イタリアの山へカーナビ利用

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 先日スポレートのフィオンキ山(Monte Fionchi、1337m)を登ったときは、山頂からの眺めがすばらしく、ラッツィオ州のテルミニッロ山や、

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Monte Fionchi (1337m), Spoleto

ウンブリア州とマルケ州にまたがるシビッリーニ山脈、そしてアブルッツォ州のモンテ・デッラ・ラーガの高峰がきれいに見えました。

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 昼食休憩のあとで、再び背負おうとしたリュックに、イタリアでは幸せを運ぶとされるテントウムシ(coccinella)がいたので、幸先がよさそうで、うれしかったです。

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 そして、クロッカス(croco)が、あちこちでかわいらしい花を咲かせていました。

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 このフィオンキ山をわたしたちは、雪が高く積もった日にも、花いっぱいの春にも、暑い真夏にも登ったことがあり、車はいつも、このBivio Patrico(1040m)に置いて、山を目指して歩いて行きます。奥に見えるラクダのコブのような形をした山が、フィオンキ山です。

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 これまで何年もの間、わたしたちは迷うことなく、スポレート(Spoleto)を通り過ぎてすぐに高速道路を降り、聖フランチェスコにゆかりの深いモンテルーコの庵へと山を登り、さらに登り続けて、最後にはしばらく砂利道を進み、この登山口に到着していました。

 スポレートは、現在イタリアで放映中の人気推理ドラマ、『ドン・マッテーオ12』の舞台となっています。写真左手の丘の上にある城塞は、現在は博物館となっているのですが、ドラマでは刑務所という設定になっています。写真の右手には中心街の町並み、大聖堂の鐘楼とクーポラが見えます。

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Dal sito Googl Maps

 閑話休題。いつもは慣れた道を登って登山口を目指していたのですが、昨年末だったか、前回フィオンキ山に向かったとき、カーナビ代わりに利用しているグーグルマップが、なぜか別の道を示していました。そのときは夫が、「登山口へ行く道はいつものこの道だけだよ。」と言って、いつもの道を通ったのですが、この日は、うちで地図できちんと確認してからの方がよさそうだとは思いつつ、二人で、グーグルマップが示す別の道、つまり上の地図中青で記された道を、通ってみることにしました。

 ヴァッロッキア(Vallocchia)行きの道は、人家もほとんどない山の中を通る道でありながら、途中に大きな採掘場があるために舗装されています。また、大型トラックが通れるようにするためか、急坂もなく、道幅も比較的広いように思いました。

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 さらに進むと、岩山の垂直の崖の下に、石造りの家が立ち並んでいて、風情があります。

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 車を置いて歩いてみると、岩壁にはめ込まれたかのように、教会が建っています。

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 そして、最初は楽に車で走れそうに見えた道も、しばらく進むと、大小の穴があちこちにあって、かなりひどい道に慣れた夫の車でさえ、これ以上進むことはできそうにありません。右手には山の岩肌が、前方には森が見えるばかりです。

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 眺めはすばらしいのですが、村の人に尋ねると、「この先の道は、道と呼べるようなものではないので行くのはやめた方がいい。フィオンキ山に登るためには、スポレートまで引き返す必要がある。」とのことです。「グーグルマップはこの道をそのまま進むようにと言っているのですが。」と言うと、「オランダでは、グーグルマップの指示に従っていて、車ごと水路に落ちてしまってしまったという事故も起こっているんですよ。」とのことでした。

 グーグルマップは、近道を教えてくれたり、渋滞時に混んでいない道を示してくれたりするので、便利です。けれども、指示された道を通っていたら、ひどいでこぼこ道だったり、道がおそろしく狭かったり、進入禁止の道を通るように指示されたりすることがあり、やはり事前に地図などで、大まかに道筋を確認しておいた方が無難だと思います。

 この日はこうして、近道をするつもりで、登山口まで遠回りをしてしまったのですが、グーグルマップのナビのおかげで、そうでもなければ訪ねることがなかったであろう岩山の不思議に風情のある村を訪ねることができました。

 皆さんも、海外旅行でレンタカーなどを利用される際に、カーナビばかりに頼ることなく、道路地図なども参考にするようにして、おかしな道を通ってしまうことのないようにお気をつけください。

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Ci ha portato a una strada pessima, impraticabile, a ridosso del greppo

la strada alternativa indicata da Google Maps per andare a Patrico.
La strada giusta la sapevamo bene, ma eravamo incuriositi.
Abbiamo perso tempo ma abbiamo visto un bel paesino nascosto,
poi dopo sul Monte Fionchi erano bellissimi i panorami, tanti fiori di croco
e ho trovato una coccinella sul mio zaino in cima.
Dunque, non fidatevi troppo dell'indicazione stradale di Google Maps o
del navigatore. Guardate bene anche la mappa e insegne stradali.
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- クロッカス咲いたかと登るフィオンキ山、スポレート / Tanti crochi sul sentiero verso il Monte Fionchi, Spoleto (22/2/2020)
- 情熱はわたしだけに、ドン・マッテーオと十戒とチョコレート / Don Matteo 12, Dieci comandamenti & cioccolato (17/1/2020)
- スポレート大冒険1 / Passeggiata a Spoleto (15/4/2012)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by 8050-komatta at 2020-02-25 20:32
はじめまして。
偶然、こちらのブログを拝見しました。
先日、私もグーグルマップを参考にして片側が崖で車1台がやっと通ることのできる山道を走ったばかりなので、思わずコメントさせていただきました。
イタリア・・・
空の青さがきれいですね。また訪問させてください。

※新型コロナウイルスについての記事を最初に拝見しました。どこに住むものも皆同じように家族や友人・知人をおもい、心配や不安を感じたりしています。
貴重な情報をありがとうございます。
Commented by kakanonokoko at 2020-02-25 22:30
便利と危険は隣りあわせですね。
いつも素敵な風景を見せていただいてありがとうございます。
Commented by sunandshadows2020 at 2020-02-26 13:15
グーグルマップで稀にそのような細い道から行き止まりになったことがあります。バックしにくい場所まで入り込んだ時に大変ですよね。
古い石作の家に風情がありますね。もうそろそろそちらも春を感じるようになりましたか?
Commented by milletti_naoko at 2020-02-26 20:10
8050-komattaさん、はじめまして。なるほど、そうするとイタリアだけではなく、世界各国に、グーグルマップが「通れる道」だと指示をして勧めるけれども、実際には通るのが難しく危険でさえある道を示す場合があるんですね! 以前に見た映画か何かで、コンピューター頭脳の指示を、未来の世界で人間が利用していたつもりで、実はコンピューターに遊ばれていたというか、操作されていたという話があったように思います。さらに古い話では、2001年宇宙の旅も、あれは宇宙船のコンピューターですが、やはりコンピューターが人間やその運命を操っていますよね。現段階ではそういう悪気や悪知恵があるわけではなく、単に、走行にふさわしいか、適当な通るべき道かどうかを判断する能力が、人間ほどにはまだないということでしょうね。そういう問題を知った上で運転しないと、恐ろしいと思いました。

コメントをありがとうございます。わたしもブログを拝見したのですが、道路上でいきなり車のボンネットから煙が出るとは、恐ろしい思いをされたことでしょう。うちの夫の車も古く、走行距離が40万キロで、走行中にいつ問題が起こるか分からないと、拝読して改めて思いました。

新型コロナウィルス、イタリアでは現在は、可能性のありそうな人すべてに検査をしようとするために、感染が発覚する人の数が急増しているので、逆にそれだけ、感染者は隔離あるいは自宅待機となっているため、安心して過ごせるのではないかと思います。早く感染が収束しますように。
Commented by milletti_naoko at 2020-02-26 21:06
kakanonokokoさん、便利なので頼ってしまうけれども、従来からの地図や交通案内表示も参考にして、自分たちの頭でも考えて判断しないと、危険な道を通ることになるかもしれないと、改めて思いました。

こちらこそコメントをくださって、うれしいです。ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2020-02-26 22:16
お転婆シニアさん、アメリカでもそういうことがあるんですね! 悪路に慣れ、おいおいと思える道まで無理に進もうとする夫でさえ引き返すほどの悪路で、分岐点まで引き返さなければいけなかったために、本来の目的地への到着が1時間近く遅れてしまったのですが、何事もなく、また登山を早めに切り上げなければいけなかっただけなので、助かりました。特に海外からの観光客などは、道路地図なども持たず、土地勘もないでしょうし、イタリアは道路標識の表示に一貫性がない、あるべきところにないなどの問題もあるため、危険につながりかねないと思いました。

こんなことでもなければ行くことがなかったであろう村は眺めもよく、石造りの家がすてきでした。アーモンドや菜の花が咲き始めて、春が少しずつ近づいてきているのを、イタリア中部でも感じるようになりました。
by milletti_naoko | 2020-02-25 08:30 | Umbria | Comments(6)