イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

新型コロナウィルス イタリアの現状 大使館詳細情報リンクとお客さまへの手紙

 昔、だれかが電車の中で、倒産する恐れがまったくない銀行の倒産について口にしたのがきっかけでパニックが起こり、大勢が預金を引き下ろしにその銀行に駆けつけたので、銀行が本当に倒産してしまったという話を、もう何年も前に、まだ日本に住んでいた頃に読んだ記憶があります。新型コロナウィルスも、イタリア政府や良識あるマスコミは繰り返し言っているのですが、亡くなった方はもともと重い持病があったり、高齢で病弱であったりしたごくわずかな方であり、感染率も死亡率も、ふつうのインフルエンザをわずかに上回る程度です。

 いたずらに感染拡大情報ばかりを取り上げることは、恐怖を煽り、人々の免疫を下げてしまう上に、不必要な不安感は差別を生み、症状のある人が検査を避けることにつながり、さらなる感染の拡大を招いてしまうのではないか。ニュースは確たる情報源に当たった方が確実であるものの、イタリアの情報は日本には伝わりにくいのではないかと思い、わたし自身、二度は関連のブログ記事を書いたものの、できるだけ新型コロナウィルスの話題は避けていたのですが、まだイタリアに暮らし始めてまもないイタリア在住の方が、日本語での詳しい情報を求めるツイートを目にする機会があり、また、今朝もかつての通訳のお客さまからペルージャは安全なのでしょうかという問い合わせのメールをいただきました。そこで、現在のイタリアにおける正確かつ詳細な情報が日本の方の目につきにくく、多くの方が心配をされ、不安を抱かれているであろうことを思い、その不安を少しでも解消できればと、記事を書く必要を感じて、今こうして書いています。

新型コロナウィルス イタリアの現状 大使館詳細情報リンクとお客さまへの手紙_f0234936_22811.jpg
出典: 在イタリア日本国大使館ホームページ
(URL: https://www.it.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

 一言で言うと、わたし自身は、イタリアは、少なくともごく一部の危険区域を除けば、新型コロナウィルス感染に関しては日本よりもむしろ安全であり、特にまだ感染者の出ていないウンブリアでは、またもし出たとしても、早急に厳密な検査や隔離措置が取られるために、安心して過ごすことができると考えています。在イタリア日本大使館と外務省のページに、在住者にとっても旅行者にとっても必要な詳細情報が、刻々と反映されていますので、この記事では、そのページへのリンクと、わたし自身がお客さまへのお返事として書いた文章の一部をご紹介します。

 ローマの在イタリア日本大使館が、要を得たかつ詳細な情報を随時まとめて、ホームページに新着情報として、リンクを付してくれています。

- 在イタリア日本国大使館 - ホームページ
- 在イタリア日本国大使館 - 【注意喚起】イタリアでの新型コロナウイルス関連情報(2月27日)

 上の新着情報中、二つ目をクリックすると、次のような「イタリアでの新型コロナウィルス関連情報」を詳細に記したページが現れます。(*追記: 3月15日現在では、ホームページに「イタリアにおける新型コロナウイルス感染関連情報」という大きなアイコンが設けられ、この記事を書いたときとはホームページの体裁が変わっています。)以下は、2月28日イタリア時間午後2時半におけるスクリーンショットです。

新型コロナウィルス イタリアの現状 大使館詳細情報リンクとお客さまへの手紙_f0234936_2231935.jpg
出典: 在イタリア日本国大使館サイト - 【注意喚起】 イタリアでの新型コロナウィルス関連情報(2月27日)
(URL: https://www.it.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000130.html

 また、現時点で新着情報の最初にあるリンクをクリックすると、外務省海外安全ホームページの「イタリア北部3州に対する感染症危険情報の発出」ページ、在住者および旅行・留学を考えている方の参考となる詳細な情報ページへのリンクがあります。

新型コロナウィルス イタリアの現状 大使館詳細情報リンクとお客さまへの手紙_f0234936_22474324.png
出典: 外務省海外安全ホームページ - イタリア北部3州に対する感染症危険情報の発出
(URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2020T037.html#ad-image-0)
*追記(3月6日): 現在、上記リンクは無効となっています。

 イタリアのマスコミの中には、Canale5、Rai2など、災害や殺人事件などのニュース報道に際して、人の恐怖や関心をいたずらに煽る傾向のあるチャンネルがあり、多くの日本の方が、イタリアやウンブリアの情報を不必要に心配されているのは、こうした放送局のニュース報道をもとに、日本での報道がされているためではないかと懸念しています。

 さて、わたしが通訳のお客さまに書いてお送りしたお返事のメールの内容は、以下のとおりです。

「(前略) わたしはイタリアは、特に今のところまったく感染者の出ていないペルージャは、日本よりもずっと安全だと思います。イタリアで感染者数が多いのは、単に感染の可能性が高い人をイタリア政府がしらみつぶしをするように、片っ端から検査を行っているためで、ヨーロッパの隣国や日本の方が逆に、実際の感染者が表面に出ていない分、問題や感染拡大が深刻なのではないかと思います。また、感染者は隔離され、地域は封鎖されています。亡くなった人も、よっぽど重病だったり高齢だったりする方が大半で、普通のインフルエンザよりも若干高い死亡率と感染率になっています。

 詳しくは、わたしもブログに書いていますが、イタリア大使館のサイトにある新着情報のリンク先情報(現時点では特に2月27日付の二つの記事)が、詳細でかつ大切なことを適宜まとめてあると思いますので、参考にしてください。
https://www.it.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
https://cuoreverde.exblog.jp/31068973/
↑ 記事末に、イタリアにおける感染状況が常時反映される地図のある記事へのリンクがあります。

というわけで、わたしとしてはイタリアの方が、特にウンブリアは安全で、むしろ多くの人が多数の国から来ている空港や駅に行くこと、日本に戻ることの方が危険なのではないかと思います。

どうかご安心ください。(後略)」

 もちろん、だからと言って、感染が広がっている地域や、広がるおそれのあるところへ、むやみに観光で出かけて、多くの人が集まるところに頻繁に出かけたり、さらに手洗いなどを怠ったりしては危険ではあるのですが、とにかく、様子を見て、適宜大使館や外務省などの確実で詳細な情報を確認し、用心して行動をしていれば、イタリア、特にイタリア中・南部やウンブリアはむしろ日本よりも安心です。というわけで、イタリアやウンブリアにご家族やご友人・知人がおいでの方、どうかご安心ください。

********************************************************************************************************************************
Ho scritto questo articolo perché mi hanno scritto i miei ex clienti giapponesi chiedendo se fosse il caso di far tornare in Giappone
il loro figlio che attualmente studia all'Università per Stranieri di Perugia. Certo, ho risposto loro in modo da renderli più tranquilli e far loro capire che la situazione sembra sotto controllo in Italia. Pare che anche in Giappone le notizie del contagio in Italia tendano a incutere le paure non proporzionali alle situazioni reali. Concise ma dettagliate le informazioni sui siti dell'Ambasciata del Giappone in Italia e del Ministero degli Affari Esteri del Giappone sul coronavirus in Italia, ho messo i link per le pagine riguardanti di entrambi i siti nel mio articolo.
********************************************************************************************************************************

参照リンク / Riferimenti web
- 在イタリア国日本大使館 - イタリアにおける新型コロナウイルス感染関連情報 / Ambasciata del Giappone in Italia - Nuovo Coronavirus in Italia
- Ministero della Salute - Nuovo coronavirus
- Il portale dell'epidemiologia per la sanità pubblica - Coronavirus

当ブログ内の新型コロナウイルス関連記事一覧
- イタリア写真草子 - タグ: 新型コロナウイルス イタリア

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

Commented at 2020-02-29 00:12
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kakanonokoko at 2020-02-29 06:23
冷静な情報の発信ですね。とても大事だと思います。
日本はあれよあれよという間に大変なことになっています。
感染していない人が大多数なのに 過剰な反応をしているような気もしますが、
Commented by PochiPochi-2-s at 2020-02-29 21:03
どこの国も大変な状況にあるのだろうなぁと思っています。
イタリアの映像を見ていてまるでペストが流行したときみたいだ
(あくまでも本で読んで想像していただけですが)と思っていたのですが
そうでもないと聞き安心しました。

あとは政府を信用できるかどうかだと思うのですが、
残念ながら今の日本の政府は信用できないとも思っていますし、
また日本ではもう蔓延しているのではないかなとも思っています。
今だに中国からの飛行機が飛んでくるし、観光客も来ていますし、
検査も利権が絡んでなかなか進まないらしい。一方でオリンピック
開催のため実数をあげたくないから検査をしない、数を発表しない
などとも言われています。
実際、大阪に住んでいて感染者数がたったの4人だけと言うのは奇妙な
感じがします。と言うのは武漢からの飛行機がストップになる直前に
USJ来ていた隣国からの観光客の数はすごい数だったらしい。こわい
ほどだったと聞いています。電車は超満員。感染しないはずがないと
思うのですが、それでも感染者の数はたった4人です。おかしいでしょう?

長くなってごめんなさい。
Commented by milletti_naoko at 2020-03-01 23:43
鍵コメントの方へ

少なくともイタリアでは、実際の新型コロナウィルスの害そのものよりも、やや扇動的な過剰なニュースによる恐怖や差別、パニック、経済や観光への影響が深刻になっているという状況です。どうか早く沈静化しますように。
Commented by milletti_naoko at 2020-03-01 23:49
kakanonokokoさん、季節柄、そしてまさか自分たちがかかっているわけがないという思いから、かかっても気づかずにいてそのうち治ってしまう人が結構多いのではないかと思います。日本でどういう報道がされているのだろうと、メールやツイートから思っていたのですが、人数の多さだけが伝えられて実情が伝わっていないということが、心配の原因ではないかと、さらなるメールをいただいて感じています。

エボラ熱は半数の人が感染すると亡くなるけれども、このウイルスは3パーセントでインフルエンザより少々高いくらいで、感染力もふつうのインフルエンザと同じくらいであるのにと、イタリアでは最初の感染者がイタリアで出た頃から伝えているニュースもありました。感染を防ぐために注意を呼びかけるニュースは大切ですが、いたずらに恐怖やパニックを引き起こさないために、もっと安心してくださいという情報も大切だと思います。
Commented by milletti_naoko at 2020-03-02 05:21
PochiPochi-2-sさん、イタリアでは、少しでも感染の可能性のある人は検査をして、感染源を断とうという姿勢から、検査数が多いためもあって、かなりの数の感染が確認されているのであり、逆に感染が見つかった段階で、他の人や地域に感染が拡大しないように厳密な処置が取られているために、少なくとも、感染が拡大している地域を除けば、かえって安全なのではないかと、わたし自身は感じています。

いまだに中国からの飛行機がこれまでと同じように来ているのでしょうか。まあ、イタリアでも中国から他の国を経由して来ている場合には、受け入れているのではないかと思うのですが、体温は計測してから入国するようにしているようです。

中国でも日本でも実際のところは公表されていないのではないかという疑いもあって、皆さん、さらに心配されているのですね。どうかその疑いが杞憂に終わり、早く収束するとよいのですけれども、いずれにせよ、ふつうのインフルエンザよりも若干死亡率と感染率が高いのであり、恐怖やパニックの方が、世界を渦に巻き込んで混乱を巻き起こしているようなところもあるのではないかと思います。
Commented by ムームー at 2020-03-02 14:17 x
なおこさん
こんにちは
的確な情報が出されると安心しますね
こちらでは連日あおられてるようなことも
ありそうです、まぁ、政府の対応がいい加減とも
思えます、検査にしても利権問題などがありますね
あおられて買いだめなど、でもペーパーはいりますし、、、
色々教えて下さってよくわかります
いつもありがとうございます
Commented by milletti_naoko at 2020-03-03 19:16
ムームーさん、イタリアでも良心的なマスメディアは、信用できる機関の情報やサイトを参考にするようにと、リンクなどと共に再三呼びかけています。不安を煽り立てるようなニュースや記事ばかりが目につきやすく、心配されている日本の方が多いと知って、的確な情報を随時更新している大使館のリンクをご紹介しました。大使館情報を見ようとは思いつかない方が多いのでしょうね。

日本でも感染拡大に、いえむしろ必要がない誰かの買い占めのために大変なことになっているようですね。どうかお大事にお過ごしくださいませ。

こちらこそ、いつもいろいろありがとうございます♪
Commented by ベルリーナ at 2020-03-08 14:35 x
はじめまして、私は2013年の1年間、ペルージャ外国人大学に留学していました。そのため連日のイタリアに関する報道にとても胸を痛めていました…日本でも東京以外に1年も住んだ街はありません。ですので、ペルージャ、そしてウンブリアは私にとって第二の故郷です。また落ち着いた頃に訪れたいです!!
Commented by koji at 2020-03-08 17:34 x
はじめまして、初コメントさせていただきます。
5月にイタリアへ行きます。
現在はタイで仕事しているのですが、テレビでイタリアのコロナ騒動を見ました。4月3日まで14県の封鎖に、訪れるリミニ ウルビーノが入っていてビックリです。当日は日本から中東経由してスイスからイタリア入りします。入国拒否されない限り行きます。コロナ騒動早く落ちつて欲しいですね。

あとInstagramの方でもフォローしています。
綺麗な写真アップしていますね。
また綺麗なお写真のアップ楽しみにしています。
Commented by milletti_naoko at 2020-03-08 23:36
ベルリーナさん、はじめまして。ペルージャ外国人大学で学ばれたんですね! イタリアは根絶しようと検査を多数行うために数が増加しているものの、その分今後の感染は抑えられるので、むしろヨーロッパの他国よりも安全だとわたしは感じています。第二の故郷、そこまで大切に思ってくださっていると知って、うれしいです。またいつかぜひお越しになれる日が来ますように。
Commented by milletti_naoko at 2020-03-08 23:44
kojiさん、ブログでははじめまして。5月にイタリアにいらっしゃって、なんと今はタイで仕事をされているんですね! リミニには、わたしも親しい友人たちが住んでいて、ウルビーノは、かつて半年学んだ村の近くなので、わたしも驚いています。やはり北伊に近いので、感染者の多い地域との行き来もあったことが拡大の原因で、封鎖は、あくまでもその拡大を防ぐのが目的であり、実際にリミニに住む友人たちは、今日も山に行こうと誘いの電話をかけてきたほどです。今後どう感染が広がるか先が読めないので、旅行などもどうしたものか、困りますよね。どうか無事に、旅を楽しまれることができますように。

インスタグラム、わたしも美しい旅の写真を楽しみに拝見しています。最近いいねを返せないことにためらいもあり、投稿が遅れていますが、週に一度は投稿できればと、うれしいコメントを拝見して、改めて思いました。ありがとうございます。
Commented by いまむら at 2020-03-21 20:37 x
コロナウイルスが心配になり閲覧させて頂きました。私個人が、ウンブリア州にあるモントーネという街やそこのレストランの方に数年前大変お世話になりました。 この度のコロナウイルスの流行により大変な状況にあると思い、物資を送付したいのですが、日本からの物流は如何な状態でしょうか?
Commented by milletti_naoko at 2020-03-22 00:00
いまむらさま、今は幸いウンブリア自体は、昨日の段階で感染者数が462名、入院する人が121名で、ただしそのうちウンブリア州外にいる人がそれぞれ18人、8人、さらに、亡くなった方が10名で、さらなる感染の拡大が起こらぬように、皆で用心して過ごしている状況です。ニュースで感染者が出たという地域の中には(オルヴィエート、チッタ・ディ・カステッロなど)まだモントーネは名前が挙がっていないように思いますので、外出・移動規制と閉店による損害は大きいと思うものの、スーパーではペルージャでも、マスクや消毒に必要なもの以外は不足するものはなく、それもウンブリア州内の病院や業者が自分たちで作り出して供給しようと各地でしているところなので大丈夫だと思います。まずは直接お世話になったレストランの方にメールなどでご連絡をされれば、その言葉とお心そのものこそ一番喜ばれるのではないかと思います。
by milletti_naoko | 2020-02-29 00:04 | Covid-19 Italia | Comments(14)