イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

女性写真展支える男性 女性たち、モンテファルコの聖母像

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 聖母マリア(Madonna)への敬愛の念の深いイタリアでは、聖母の様々な彫像や壁画を見かけます。聖母マリアの大きく広げられたマントの下で、人々が祈りを捧げる絵は、「慈悲の聖母マリア」、「救済の聖母マリア」と題されている場合が多く、

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Chiesa di Santa Illuminata, Montefalco (PG) 22/11/2014

おいしい赤ワイン、サグランティーノで知られるモンテファルコ(Montefalco)の町には、「救済の聖母マリア」(Madonna del Soccorso)に出会うことがしばしばあり、

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Madonna del Soccorso, Francesco Melanzio, XV secolo
Complesso museale di San Francesco, Montefalco (PG) 7/11/2015

その多くが、聖母マリアがこんぼうをふりかざして、悪魔から子供を守る場面を描いているので、驚きました。実は、この絵の背景には、興味深い教訓があるのですが、それはまた次の機会にお話しすることとして、こういう聖母の絵の題を、イタリア語で、救済(soccorso)の聖母マリアと言います。

Madonna del Soccorso


 一方、昨日、多くの方が協力・参加してくれた女性写真展、Donna vede Donna「女が見る女」のペルージャでの開会式、そして、この写真展のパネル、ポスターやカレンダー、写真集の編集・作成や会場準備・片づけなど、多くの縁の下の仕事を引き受けることによって、男性写真家のステーファノが、わたしたち女性を支えてくれていることは、

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Stefano Fasi & Donne fotografe poetesse, Palazzo della Penna, Perugia 28/2/2020


Dà a Donne del Soccorso Stefano

「ステーファノが女性を支え、救ってくれる」と言えると思います。

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Marco Pareti all'Inaugurazione Mostra, Donna vede Donna

 中心になって企画を進め、皆を牽引してくれているマルコはもちろん、写真展を支える様々な市町村や協会、マスコミの男性たち、そして多くの女性たち、参加してくださった皆さんのおかげで、すばらしい開会式になりました。

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Alessandro Mastrini all'opera

 ぜひ世に広めたい、伝えていきたい催しに、テレビカメラと共に参加してくれるアレッサンドロや、わたしたち展示に関わる女性の家族や友人たちにも、お世話になっています。

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Vigna del Sagrantino, Montefalco (PG) 22/11/2014

 女性の明るさや美しさを伝えていきたいという写真展ですから、先の「救済のマリア」の絵のあるモンテファルコのサグランティーノのブドウの美しい紅葉の写真を添えておきます。

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 わたしも日本語の俳句とそのイタリア語訳で参加する女性写真展、Donna vede Donnaは、ペルージャの市立ペンナ宮殿博物館で、3月8日まで開催されています。入場は無料で、博物館はペルージャ中心街にありますので、女性の今までにない姿や美しさをとらえた写真、詩を、ぜひ鑑賞してみてください。

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Madonna del Soccorso - Montefalco
Dà a Donne del Soccorso Stefano - Donna vede Donna
Grazie mille a Stefano, Marco, Alessandro... molti uomini, molte donne :-)
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Mostra, Donna vede Donna ora a Perugia

29 febbraio - 8 marzo 2020 10:00-18:00 lunedì chiuso
al Museo civico di Palazzo della Penna
Via Podiani, 11 - Perugia
Inaugurazione Mostra venerdì 28 febbraio 17.30 Saolne di Apollo
Sorrisi, fermezza, chi genera e cresce come madre natura.
Bellezza delle donne colta e trasmessa dalle donne tramite fotografie e poesie con a sfondo il Lago Trasimeno. Mostra sostenuta da due grandi uomini ed enti locali pubblici e privati.
Ideazione e coordinamento: Marco Pareti e Stefano Fasi
Fotografie: Sara Belia, Roberta Costanzi, Elena Kovtunova, Antonella Marzano, Lorena Passeri, Rita Peccia, Antonella Piselli, Anastasia Trofimova, Renilda Zajmi.
Poesie : Sara Belia, Naoko Ishii, Graziella Mallamaci, Mariapia Scarpocchi, Marina Sereda.
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モンテファルコ / Montefalco
- サグランティーノの赤深く / Foglie Rosse del Sagrantino, Montefalco (23/11/2014)
- 赤く燃ゆ~ワイナリー写真講座 / Foliage del Sagrantino. Workshop Fotografico in Cantina (7/12/2014)
- 聖母にこん棒 / Madonna con il bastone, Montefalco (2/9/2015)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by 3841arischan at 2020-03-01 11:32
なおこさん、いよいよペルージャでも女性写真家展があったのですね~♡
たくさんの魅力的な女性写真家さんたちを支えたのは、男性写真家の方というのは嬉しいですね(^-^)
また、旦那様の親友のマルコさんの協力も素晴らしいです☆
モンテファルコの、聖母マリアさま、このような悪魔から子供たちを守るという絵を私は見たことがないような?
優しいマリア様の絵に癒されます♡背景の事、楽しみに記事お待ちしています(^^♪
Commented by milletti_naoko at 2020-03-02 02:21
アリスさん、こんにちは。女優や歌手もしている女性が詩のすばらしい朗読や歌も披露してくれて、すばらしい開会式になりました。

司会をし、展覧会の運営を牽引しているマルコは、作家、ジャーナリストとしても活躍している人で、昨年夏に初めて出会ったので、夫の親友のフランコとはまったく別の人なんですよ。マルコもステーファノも、わたしたちが持ち、できる可能性を引き出してくれて、ありがたいことだなあと思います。

この聖母マリア像、初めて見たときはびっくりしました。記事を楽しみにしてくださって、そうしてコメントを、ありがとうございます♪
Commented by snowdrop-uta at 2020-03-03 06:55
ペルージャでの開会式、ご成功おめでとうございます!
素晴らしい活動の輪が広がり、多くの人の心に残りますように。

救済のマントを広げる聖母マリア、スペインの酒場の入り口に描かれていたのを見たことがあります。
お酒に溺れる人間を救うためでしょうか?
それとも、ワインはキリストの血であるというポジティブな発想で描かれたのでしょうか?
ワインの名産地モンテファルコでよく見かける、という記述で俄然気になってきました。

こん棒にこめられた意味もまたぜひ教えてくださいね。
Commented by milletti_naoko at 2020-03-03 19:31
snowdrop-utaさん、ありがとうございます。語られる方の熱気も伝わり、こうして人の輪や女性尊重の気風が広がっていくのは、すばらしいことだと思いました。

こういう聖母像が、なんと酒場の入り口に描かれていたんですね! お酒を愛する人にも加護あれということでしょうか。マントを広げた聖母の絵は、あちこちでところどころ見かけるのですが、モンテファルコではどういうわけか、この棍棒をふりかざした珍しい聖母の絵が、いろいろな教会などに描かれているので驚きました。

こん棒の意味というよりは、この絵が語る逸話が興味深いので、またいつかぜひ近いうちに記事にできたらと考えています。
by milletti_naoko | 2020-03-01 07:36 | Donna vede Donna | Comments(4)